GoogleとOpen Networking Foundation(ONF)、次世代SDN技術「Stratum」を推進「P4 Runtime」が基盤

Googleと業界団体のOpen Networking Foundation(ONF)は、「P4 Runtime」を中心として設計、構築された、「データプレーン」のレファレンス実装を目指すオープンソースプロジェクト「Stratum」を共同で推進する。

» 2018年04月04日 13時30分 公開
[@IT]

 Googleは2018年4月2日(米国時間)、業界団体のOpen Networking Foundation(ONF)と協力し、オープンソースプロジェクト「Stratum」を推進すると発表した。

 Googleは、自社のデータセンター内およびデータセンター間ネットワークの大規模化、複雑化を受け、その運用にかかるコストや労力の低減に向けて、10年近く前にSDN(Software Defined Networking:ソフトウェア定義型ネットワーキング)をネットワークアーキテクチャの基盤として採用。それ以来、SDN技術の開発、改良を続けてきたが、次のステップを踏み出すべく、Stratumプロジェクトに取り組むことにしたという。

 Stratumは、P4 Runtimeを中心として設計、構築された、「データプレーン」のレファレンス実装を目指すオープンソースプロジェクトだ。

Stratumの仕組み(出典:Stratum)

 Googleは、P4 Runtimeを「『コントロールプレーン』のソフトウェアがスイッチの転送パイプラインをプログラミングするための新しい方法」と位置付け、「機能が固定されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)から、フルプログラマブルなネットワークスイッチまで、あらゆる『転送プレーン』の制御に使用できる」としている。P4 Runtimeは、スイッチの転送パイプラインを指定したり、そうしたパイプラインをシンプルなRPC(Remote Procedure Call)で構成したりするためのAPIを提供する。

 Googleは、「P4 Runtimeが重要」となる背景を次のように説明している。

 「ネットワークハードウェアは通常、クローズドであり、プロプライエタリなソフトウェアが動作し、複雑な設計となっている。自律的に稼働し、レガシープロトコルを動作させるためだ。だが、モダンなデータセンターやWAN(Wide Area Network)は大規模であり、高速かつシンプルでなければならず、大型ファブリックと相互接続されたコモディティなネットワークスイッチのチップを使って作られていることが多い。高品質な『ホワイトボックススイッチ』やオープンソースソフトウェアのSDN技術(『OpenFlow』など)はあるものの、市場には、そうしたネットワークを構築するためのポータブルで、良い選択肢はまだ多くない」

 GoogleとONFは、Stratumが、広くネットワーキング製品に提供されるように、ネットワークベンダーと協力するという。GoogleはP4 Runtimeを、同社の次世代データセンターやWANのコントロールプレーンにおけるプログラミング基盤に据えようとしている。業界におけるP4 Runtimeの導入を促進し、他社もこの技術の恩恵を受けられるようにする方針だ。

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