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» 2018年04月09日 10時00分 公開

クラウド活用によるサービスビジネス化への転換:小売業を支えるMD基幹パッケージ「MDware」――クラウド版開発でVINXが新たな需要を開拓へ

流通業に強い独立系ソフトウェアベンダーのヴィンクスは、「MDware自動発注クラウド」を開発するに当たって、プラットフォームとして「Azure SQL Database」を正式に採用した。オンプレミス版では他社RDBを使っていたものの、なぜクラウド版ではAzure SQL Databaseを使い始めたのだろうか。

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小売業のキモはマーチャンダイジング

ヴィンクス 執行役員 リテールソリューション第1事業本部 本部長の貝津治彦氏

 大阪府大阪市に本社を構えるヴィンクスは、マイカルとダイエーの情報システム子会社を源流に持つ流通業専門の独立系ソフトウェアベンダー(ISV)である。主な事業分野はパッケージプロダクト、ソリューションサービス、ITサポートサービスなどだ。よく知られたパッケージプロダクトには、マーチャンダイジングに関わる業務を支援する「MDwareシリーズ」や、マルチベンダーのハードウェアで動くオープンPOSパッケージの「ANY-CUBE」などがある。

 「小売業の基礎となるのは、最適な発注をするマーチャンダイジング業務です。GMS(総合スーパーマーケット)という小売業から生まれた弊社は、小売業に特化したシステムを作ることが得意です」と語るのは、ヴィンクス 執行役員 リテールソリューション第1事業本部 本部長の貝津治彦氏だ。自身も3年ほど店舗で販売の最前線に立っていた貝津氏は「今、お店では採用難や少子高齢化の影響で人手不足が進んでおり、発注作業の担当者を確保しづらくなっています」と言う。

 小売業にとって重要なマーチャンダイジング(MD)業務を扱うMDwareには、「MDware商品マスタ管理」や「MDware販促管理」「MDware店舗発注(日配)」「MDware生鮮EDI」「MDware在庫管理」「MDware商品情報分析」「MDwareインターネットEDI」などのモジュールが用意されている。MDwareのモジュールの中で店舗の人手不足解消に特に有効なのが、販売量などの条件に応じて発注量を自動的に算出し、自動で発注を行う「MDware自動発注」と、MDware自動発注をパブリッククラウドの「Microsoft Azure」(以下、Azure)に載せた「MDware自動発注クラウド」である(図1)。

図1 MDware自動発注クラウドのシステム構成

 「小売業にとってMDware自動発注を導入するメリットは、『人時大幅削減』『品切れ削減』『在庫適正化』といった経営課題が解決できることです」(貝津氏)(図2)

図2 MDware自動発注導入効果

クラウド版でAzure SQL Databaseを採用

ヴィンクス リテールソリューション第1事業本部 基幹システム1部 部長の松浦宏昭氏

 このような特長を持つMDware自動発注の販売実績は、2017年末で35社に上る。

 オンプレミス版でスタートした当初のMDware自動発注に搭載されていたリレーショナルデータベース(RDB)は、「Microsoft SQL Server」(以下、SQL Server)ではなかった。しかしクラウド版のMDware自動発注クラウドでは、プラットフォームに対して異なるアプローチを取っている。

 「お客さまのニーズや運用管理を考えると、他社RDBから変更する手間を考慮しても、クラウドのプラットフォームは『Azure SQL Database』にする判断になりました」と語るのは、ヴィンクス リテールソリューション第1事業本部 基幹システム1部 部長の松浦宏昭氏だ。

 他社RDBからAzure SQL Databaseに転換した背景の1つは、MDware自動発注クラウドで新たにアプローチしたい小売業のニーズにあった。

 「弊社には、小売業のコスト対効果を充足させる提案が期待されていました。小売業では、多額の初期コストを必要とするサーバやRDBの導入を避けたいと考える企業は多く、オンプレミスより初期コストを大きく抑えられるクラウドの需要が高まっていたのです」(貝津氏)

 MDware自動発注のパッケージを、クラウドネイティブなAzure SQL DatabaseをはじめとしたPaaSシステムに作り替えることによって、プラットフォームの圧倒的なコスト優位性と運用管理の容易さで、アプローチ可能な顧客がさらに広がると考えたのだ。

 ヴィンクスにとって、MDware自動発注クラウドは新規顧客を取っていく戦略商品だ。そのためクラウドネイティブにシステムのプラットフォームを作り替えることにためらいはなかった。

転換教育などに日本マイクロソフトの技術支援を活用

 MDware自動発注クラウドを開発するのに要した期間は、パッケージプロダクトのクラウド化にしては短い、およそ3カ月。基本部分の仕様とプログラミング言語(Java)がMDware自動発注とほぼ同じなため、短期間での開発を実現した。

 ただ、同社のソフトウェア技術者の多くは、従来使っていた他社RDBを使ったソフトウェア開発に慣れていたため、SQL Serverおよびクラウド化への転換には、教育が必要だった。

 「他社RDBも、SQL Serverも、SQL準拠のRDBという点では同じでした。転換教育としては、互換性がない部分だけ分かれば十分だと考えました」(松浦氏)

 Azureへの移植を決めたときに日本マイクロソフトから「技術支援プログラム」のオファーを受けていたので、そのプログラムを活用して転換教育を実施した。さらに、この転換教育のために使われた資料を基に、ヴィンクスでは自社のノウハウや標準化の内容をプラスした“ナレッジ”(虎の巻)を作成した。MDware自動発注クラウドの開発が終わった後も、ソフトウェア技術者の教育に活用している。

 この他、ヴィンクスでは技術支援プログラムを「互換性のないカラム定義」(松浦氏)をはじめとする技術的問題を解決するためにも利用している。

月額課金制なので導入のハードルも低い

 MDware自動発注クラウドがサービスインから、既に2年以上たつ。ヴィンクスは「1店舗1カテゴリーから始められる」(貝津氏)というスモールスタート性を前面に押し出して小売業界への売り込みに努めている。

 「料金設定は店舗数に応じた月額課金制にしました。お客さまには『初期費用を抑えられる』『使わなくなったらいつでもやめられる』と好評です」(松浦氏)

 一方、貝津氏は「ストック収益が増えて経営の安定性が増したことを評価しています」と語る。

 今後の方針として、ヴィンクスは基幹製品MDwareシリーズをSQL ServerおよびAzureに対応させる予定だ。現状、新規MDware導入の大手ユーザーに対して、他社RDBでなくSQL Serverにて導入を行うことが決まっている。

 またヴィンクスは、今後基幹システムもクラウド化のニーズが高まることが予想され、Azureとの親和性が高いSQL ServerをメインRDBとして選択される機会はさらに増えてくると予想している。現行のオンプレミス製品は、従来の他社RDBを引き続きサポートするものの、将来的にはどこかのタイミングでSQL Serverへの移行を促していくという。

 加えて今後はAzureへの対応を機に、AIの活用を図る予定だ。

 「機械学習機能『Azure Machine Learning』とMDware自動発注クラウドを連携させて、自動発注の精度向上を図りたい」(貝津氏)

 ヴィンクスは今後も、SQL ServerとAzureをはじめとするMicrosoftのプラットフォーム製品とサービスを使って、新たな価値を創出し、小売業をけん引していくだろう。

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提供:日本マイクロソフト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2018年5月8日

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