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» 2018年04月12日 15時11分 公開

日本法人の堀田社長にも聞いた:AIを正面から語るSAS、「時代が追い付いてきた」と自信を深める理由

SAS Instituteは、2018年4月第2週に米コロラド州デンバーで開催した「SAS Global Forum 2018」で、ディープラーニング/AIを前面に押し出し、具体的に語った。日本法人SAS Institute Japanの堀田徹哉社長による解説および日本市場での展開を含めて、「SASの今をお届けする。

[三木泉,@IT]

 SAS Instituteは、2018年4月第2週に米コロラド州デンバーで開催した「SAS Global Forum 2018」で、ディープラーニング/AIを前面に押し出し、具体的に語った。日本法人SAS Institute Japanの堀田徹哉社長による解説および日本市場での展開についての考えを含めて、「SASの今」をお届けする。

 SAS InstituteのCEO、ジム・グッドナイト氏は2017年秋の時点ではまだ、AIブームに懐疑的な物言いをしていた。だが、SAS Global Forum 2018では、自ら「AI」という言葉を積極的に使い、AIへの本格的な取り組みを進めると、最終的にはSASのようなプラットフォームが必要になると訴えた。

 SASの分析プラットフォーム製品群である「SAS Platform」および「SAS Viya」では、以前からディープラーニングを含めた予測/機械学習の機能を提供していた。つまり、ディープラーニングという意味でのAIには、従来から対応していた。

 だが、最新リリースでは、機械学習/ディープラーニングのワークフローの全ての段階においてきめ細かな機能を提供。「SAS以外に、機械学習を含めた分析ライフサイクルを1製品で完結できるものは存在しない」(グッドナイト氏)と言えるようになった。SAS Viyaでは、この包括的な機能をPythonやRで活用できる。また、全段階をノンプログラミングで実行することもできる。

 一方、コグニティブコンピューティング関連では、従来の画像解析に加え、2018年1月に自然言語処理(NLP)製品もリリースした。

 こうして、機械学習/AIに特化した他製品と正面から比べた場合にも、リーダー的な存在といえるようになったのだという。

 他方で今後、「AIを使いさえすればあらゆる問題が解決する」といった過度な期待が剥げれば、役に立つ機械学習とはどのようなものなのかについての関心が高まり、SASを選んでもらいやすくなるのだという。

 また、SASは、ソリューション指向の多様な製品を展開してきている。金融機関における不正検知をはじめ、こうした製品の中には機械学習/ディープラーニングを活用しているものが多い。

 機械学習/AIの活用が成熟してくれば、特定の利用目的に直結したソリューションが求められるようになる。既にソリューション指向の各種製品を展開しているSASは、市場の成熟を待ち構えることができるのだという。こうした意味で、「時代がSASに追い付いてきた」とする。

 「SASは近年、グローバルで基盤製品からソリューション製品への移行を進めてきた。日本ではソリューション製品から始められたので、移行は米国よりも日本の方が進んでいる」と日本法人の堀田社長は話す。

SAS Viyaの採用はどう進んでいるか

 SASにおけるもう1つの大きなトピックは、2016年に発表したSAS Viya。機械学習/AIを含めたSAS の分析機能/ソリューションを、SAS言語に加え、PythonやRで使える製品群だ。Viyaは米国および日本で、どのように普及しているのか。

 「米国では、Pythonなどを使える開発者がオープンソースのツールを使うケースが増えているので、SASとしてもViyaのような製品を出す必要があった。新規顧客の間での採用は広がっている。一方、既存顧客はSAS言語を使って(SAS Viyaと同じ機能が利用)できるので、無理にViyaへの移行を進めてもらう必要はない」(堀田氏)

 日本では、PythonやRを使いこなすデータサイエンティスト/開発者が、米国企業に比べて圧倒的に少ない。このため、普及スピードは違ってくる。ただし、既存顧客においてもデータ分析担当チームの世代交代が徐々に進んでいる。PythonやRに慣れている世代がデータ分析部署の大半を占めるようになると、Viyaに移行したいということになってくるだろうと、堀田氏は話す。

SAS Institute Japanの堀田徹哉社長

 一方、ネット企業などでは、「SASの製品はバッチ型の分析にはいいが、リアルタイム型の分析に弱い」という誤ったイメージを持っている人が多いと、堀田氏は話す。このイメージを変えてもらうように努力していく必要があるという。また、Viyaを全社的な分析基盤として考えてもらえれば、導入してもらいやすくなるのではないかと話す。

 SASの日本におけるこれまでの事業展開関する変化としては、販売パートナーエコシステムの強化が挙げられる。SASでは従来、ソフトウェアとともに、自社によるコンサルティング/インテグレーションを提供していた。だが、日本法人では過去数年にわたり、パートナーにこうした活動を肩代わりしてもらうようにシフトしてきたという。SASのスタッフはパートナーの活動を、必要な場面で補完する役割を担う。

 Viyaでは、さらにパートナーが生きると堀田氏は訴える。コンサルティングやシステムインテグレーターが自社で開発した機械学習ソリューションを動かすのに適したプラットフォームとしての役割を果たせるからだという。

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