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» 2018年05月14日 10時00分 公開

OSSのポイントソリューションの組み合わせと比べて、人月を4分の1に削減:スキルを持ったエンジニアが不足する今、ビッグデータ分析、IoT/AIビジネスを成功させるための現実解とは

独自のアーキテクチャを備えたデータベース製品「InterSystems Caché」やアプリケーション統合製品「InterSystems Ensemble」で独特の存在感を放つインターシステムズ。2018年1月、デジタルトランスフォーメーションを支える統合データプラットフォームの新製品「InterSystems IRIS Data Platform」を発表した。どのような特長があり、企業が持つ課題をどのように解決するのか、話を聞いた。

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ポイントソリューションを組み合わせたデータ分析システムの限界

 IoTやAI、X-Techといった世界的なデジタルトランスフォーメーションのトレンドに対応するように、データ管理プラットフォームに求められる要件は多岐にわたるようになった。これまでは、そうした要件ごとに必要な機能、いわゆるポイントソリューションを構築し、組み合わせながら処理を実行することが多かった。例えば、IoTなら、現場でのデータ収集や加工のためのリアルタイム処理、収集したデータを蓄積しておくデータレイク、分析のための並列分散処理などの組み合わせだ。

インターシステムズ プロダクトマーケティング担当ディレクター ジョー・リヒテンバーグ氏

 ただ、このようにして構築したシステムは、運用管理の難しさや拡張性の乏しさが課題になりやすい。ビジネス環境が変わることで、期待したパフォーマンスが実現できなかったり、新しい要件が発生しても機能を追加しにくかったりする。

 インターシステムズのプロダクトマーケティング担当ディレクターであるジョー・リヒテンバーグ氏は、従来のデータプラットフォームの課題について、こう話す。

 「各機能に特化したポイントソリューションを組み合わせてシステムを構築すると、システムは複雑化します。適切に管理するためにはスキル、人材、ナレッジ、ツールが必要ですが、それらを調達することは簡単ではありません。コストもかかりますし、そもそも必要なスキルを持った人材は不足しています。今求められているのは、企業が既に保有するリソースを使って生産性を高めることです。完全に統合されたプラットフォームで、コストをかけずにさまざまなワークロードに対応できることが重要なのです」

複雑で高コストなシステムの開発、運用における人材不足を解決する統合データプラットフォーム

 そうしたニーズに応えるためにインターシステムズが開発し、2018年1月から展開を開始した統合データプラットフォームが「InterSystems IRIS Data Platform(以下、IRIS)」だ。

InterSystems IRIS Data Platformの概要

 IRISは、インターシステムズがこれまで提供してきた、分析機能や分析のためのオープンなプラットフォームを含むデータベース製品「InterSystems Caché」やアプリケーション統合製品「InterSystems Ensemble」の機能を強化し、データインテンシブ(集約型)アプリケーション向けの統合プラットフォームとして再構築した製品だ。

 概要図を見れば分かるように、IRISは、リレーショナルモデルから多次元モデル、ドキュメントモデル、オブジェクトモデルなど、さまざまなデータベースモデルに対応し、トランザクション処理(OLTP)から分析処理(OLAP)までのワークロードにも同時に対応するシステムだ。

インターシステムズジャパン テクニカルコンサルティング部 上級コンサルタント 堀田稔氏

 また、SQLを使った処理だけではなく、予測分析や機械学習、自然言語処理、AIなど先進的な分析のニーズ、データやアプリケーション、ビジネスプロセスの統合ニーズにも対応する。

 こうした機能はCachéやEnsembleの持つ強みをさらに拡張させたものだが、一方でIRISは、これまでのInterSystems製品を単に組み合わせたものではない。インターシステムズジャパンのテクニカルコンサルティング部上級コンサルタントである堀田稔氏は次のように話す。

 「大きな機能強化点は、シャーディング対応による水平スケーラビリティの向上、クラウドやコンテナのサポート、セキュリティ向上、自然言語処理対応、マルチワークロード対応などです」

 これらの機能を持つIRISの特長は「シンプルさ」「ビッグデータ&高度な分析」「リアルタイム性」「拡張性」「相互運用性」「クラウド対応」の大きく6つに分類できる。調査結果や事例を交えながら見ていこう。

OSSのポイントソリューションの組み合わせと比べて、人月を4分の1に削減できる「シンプルさ」

 先述の「ポイントソリューションを組み合わせて構築されたデータプラットフォームがいかに複雑で管理コストがかかるのか」は、調査データからも明らかだという。

 インターシステムズがIT市場調査およびコンサルティングの企業Neuralytixと共同で、大学が使うデータ分析システム構築にかかる工数を比較した調査がある。機能ごとにオープンソースソフトウェア(OSS)を使ってシステムを構築した場合と、IRISを使った場合を比較したところ、顕著な差が確認できたのだ。

 「ポイントソリューションの組み合わせはIRISと比較して開発者数では約3.5倍、ライブラリ数は約10倍、人月は約4倍、ツール選定にかかる時間は約8倍かかることが確認できました。コード行数は約10倍、セットアップや構成にかかる時間に至っては約300倍です。IRISの方が開発者数やライブラリ数、コード行数などについて圧倒的に少ないのは、統合プラットフォームとして“シンプル”に構成できるからです」(リヒテンバーグ氏)

InterSystemsとNeuralytixの共同調査結果

どのような環境においても安定した高いパフォーマンスを発揮できる「ビッグデータ&高度な分析」

 ビッグデータ分析には、インメモリDBやカラムストアDBなどのアーキテクチャを持ったデータベースが活用されることが多い。IRISは、膨大なデータに対する厳しい分析ワークロード処理を、非常に高速にかつ効率的なリソース利用で行える革新的なデータ構造を持っている。

 インターシステムズは、この点について、Enterprise Strategy Groupと詳細な調査を行った。具体的には、インメモリDB、インメモリDB+カラムストア、カラムストアDWH、そしてIRISという4つのシステムについて、一定のCPUコア、メモリ容量、ストレージ容量の下、「データ量と同時接続数が変わるとクエリ応答速度がどう変化するか」を比較調査したのだ。

 「IRIS以外のほとんどのデータベースシステムは、同時接続数が増えるとパフォーマンス劣化を確認できました。同時接続数が増えると、実際には遅くてクエリ結果を返すことができないものもありました」(リヒテンバーグ氏)

InterSystemsとEnterprise Strategy Groupの共同調査結果

事例で分かる「リアルタイム性」「拡張性」「相互運用性」

 リアルタイム性、拡張性、相互運用性といった特長については導入事例を見れば分かるので、3つ紹介しよう。

グローバル金融機関が実現したリアルタイムビッグデータ分析基盤

 インターシステムズでは、IRISの提供に先駆けて、クローズドβやオープンβを提供してきた。例えば、従業員5万人、1兆ドルの資産を管理するあるグローバル投資銀行では、分散しサイロ化していた既存のデータプラットフォームをIRISに刷新し、ビッグデータを“リアルタイム”に分析できる基盤を構築したという。

 「顧客とのSLAの関係から、遅延なく分析データを提供することが求められていて、リアルタイム性を確保するためにアーキテクチャにはさまざまな仕掛けを施していました。しかし、そのためにシステムがサイロ化し、データ分析にも制約が生まれていたのです」(リヒテンバーグ氏)

 刷新前のシステムは、トランザクション処理のデータベースから、30分ごとに短期分析用のデータベース(DWH)にデータを抽出していた。また、日次データは履歴分析用データベース(DWH)に格納して、アーカイブデータはデータレイクに蓄積していた。時間や日時ごとに4つのデータベースシステムを使っていたため、過去のデータを高速に分析したり、複数の時期にまたがるデータを一度に分析したりできなかったのだ。

グローバル金融機関の顧客事例

 「これら4つのデータベースをIRISに統合したことによって、データを“リアルタイム“に分析できるようになり、アーキテクチャも“シンプル”になりました。もちろん証券取引のピーク時にも遅延や障害は一切起こらないという“拡張性”の高さがあります」(リヒテンバーグ氏)

 分析に当たっては、Apache SparkやR、SPSSといった既存のデータ分析ツールやシステムと連携させることもできる。例えば、PMML(Predictive Model Markup Language)を使った標準的な予測モデルを使ってデータのやりとりができる。

 「過去、どのようなアプリケーションで作ったデータであっても、シームレスに取り込んでビジネスプロセスに統合できます」と、リヒテンバーグ氏は“相互運用性”の高さを強調する。

IoTセンサーから送信される6万5000超の信号データをリアルタイムに制御する船舶SCADAシステム

 こうしたリアルタイム分析のニーズは、決して金融業だけにとどまらない。従業員3万8千人の欧州の造船会社では、船舶制御システム(SCADAシステム)をIRISで構築し、船舶内に設置されるさまざまなIoTセンサーから送信される6万5000超の信号データを“リアルタイム”に制御している。

 「SCADAシステムは、ポイントソリューションを組み合わせて開発するのが一般的でした。しかし、統合プラットフォームであるIRISを採用することで“シンプル”になり、新機能の開発期間を80%も削減できたのです。この船舶制御システムが船舶の差別化ポイントになることもあるそうです。これは大きなビジネス価値といえるでしょう」(リヒテンバーグ氏)

再入院率を15%削減した、医療機関での機械学習

 医療機関での採用事例もある。米国のある医療機関では、入院患者や退院患者について、バイタルデータや疾病履歴、家族構成、行動の変化などの膨大なデータを機械学習にかけて、再入院のリスクや死亡リスクを“リアルタイム”に予測。その予測を基に必要な治療を必要なタイミングで実施できるようにした。

 「IRISによって、彼らがそれぞれ最適化した機械学習モデルをインターシステムズアプリケーション内で実行するビジネスプロセスに組み込むことができたのです。この結果、再入院率は15%削減し、入院患者の疾病率は低下、患者の満足度スコアも大きく改善しました」(リヒテンバーグ氏)

医療機関での顧客事例

AWS、Azure、GCP、Docker、マイクロサービス、CI/CDを利用できる「クラウド対応」

 6つ目の特長として挙げた“クラウド対応”というのは、企業が持つ「システムがクラウドやオンプレミスなどの限られた環境でのみしか動作できない」という課題に対応するものだ。

 今やデータはあらゆるところで生成されている。先ほどの船舶の事例で見たように、海洋上などネットワークそのものにアクセスできない環境での処理が必要になるケースは少なくない。一方で、特に最先端の“高度な分析”など、クラウドが持つ俊敏性や“拡張性”を生かしたシステム構成も強く求められている。

 「データプラットフォームは、オンプレミス、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウドなど、あらゆる環境をサポートすることが求められています。データを処理する基盤だけではなく、アプリケーションを構築してさまざまな環境にデプロイすることも必要です」(リヒテンバーグ氏)

 IRISは、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)といった環境で利用することができる。この他、Dockerコンテナにも対応し、マイクロサービスやDevOps、CI/CDなどのアーキテクチャやアプローチを採用して、システム開発を行うことも可能だという。

データインテンシブな分析アプリケーションのための統合データプラットフォーム

 デジタルトランスフォーメーションの取り組みは、スピード感を持って素早く実践することが重要となるが、統合されたプラットフォームであり、より低コストでさまざまなワークロードに対応できるIRISは従来のシステムの課題を解決し、メリットをもたらす存在といえることが調査結果や事例からお分かりいただけたかと思う。

 日本国内での導入はまだ始まったばかりだが、実際に評価を行ったユーザーから「スケーラビリティが高い」「データ分析機能が強力だ」といったポジティブな反響があったという。

 「まだ提供を開始したばかりなので、日本での本格的な導入はこれからですが、今後さらに多くのお客さまにご評価いただき、IRISの良さを実感してもらいたいと考えています」(堀田氏)

 データインテンシブな分析アプリケーションのための統合データプラットフォームであるIRIS。企業のデジタルトランスフォーメーションの取り組みが加速する中、注目度はさらに増していきそうだ。

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提供:インターシステムズジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2018年6月13日

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