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» 2018年07月06日 05時00分 公開

Gartner Insights Pickup(66):デジタルトランスフォーメーション時代のアプリケーション開発、AIによる自動化導入が待ったなし

アプリケーション開発チームは、デジタルトランスフォーメーションの進展に伴い、開発需要の激増に対応しなければならなくなる。これを支援するのが、AI(人工知能)に基づく“共同開発者”の導入だ。

[Rob van der Meulen, Gartner]

ガートナーの米国本社発のオフィシャルサイト「Smarter with Gartner」と、ガートナー アナリストらのブログサイト「Gartner Blog Network」から、@IT編集部が独自の視点で“読むべき記事”をピックアップ。グローバルのITトレンドを先取りし「今、何が起きているのか、起きようとしているのか」を展望する。

 デジタルトランスフォーメーションの取り組みに伴う膨大な開発需要を受け、アプリケーション開発(AD)チームは、生産性を高める方法を見いださなければならなくなっている。Gartnerのリサーチバイスプレジデントを務めるマーク・ドライバー氏は、人工知能(AI)と機械学習(ML)の活用が、ADチームを強化してチームのアウトプットを増やすための賢明な方法だと指摘する。

 「われわれは2022年までに、新規ADプロジェクトの少なくとも40%では、AIベースの“仮想開発者”がチームに加わるようになると予想している。AIやMLは、品質保証やアプリケーションテストの分野で、導入効果がすぐに表れる可能性があるからだ。こうした時間のかかるタスクを自動化すれば、DevOpsやモバイル、IoT環境における新しい仕事のやり方を実践しやすい」(ドライバー氏)

人間は専門的で高度な問題に集中すべき

 こうしたソフトウェア開発における次のフェーズは「拡張ソフトウェア開発(ASD:Augmented Software Development)」と呼ばれる。ASDでは、AIとMLを利用して、コードの準備、検証、生成を自動化する。ASDによって人間の専門家は、人間の直感や創造性が最も必要な専門的で高度な問題に集中でき、ベースにある技術インフラについてはスマートマシンに任せることができる。

 「ASDの目的は、開発者がアプリケーションインフラのコーディングに費やす時間を減らし、有意義な洞察に基づく取り組みにより多くの時間をかけられるようにすることにある」とドライバー氏は説明する。

 「だが、ASDも万能薬ではない。私たちと一緒に働くAI開発者は、自然言語に特有の、文脈に依存した曖昧な方法で表現されたソフトウェア要件やユーザーストーリーを、正確に解釈するのに苦労するだろう」(ドライバー氏)

 このため、人間の開発者は翻訳者の役割を学ばなければならない。AI開発者のために、エンドユーザーやステークホルダーとの会話をテストとロジックへ正確に変換する必要がある。ドライバー氏は、それを効果的に行うために、開発者やADリーダーがテスト駆動開発(TDD)手法やビヘイビア(振る舞い)駆動開発(BDD)手法のノウハウを磨き、活用することを勧めている。

開発者として、AIをどう訓練するか

 TDDやBDD手法は、将来の開発における反復作業の大半を担うAIを訓練するためのフレームワークを提供する。さらに、こうした手法やテスト自体も自動化できる。そうすれば、AIが生成したコードの品質評価を即座にフィードバックし、MLプロセスを加速させられる。

 「TDDやBDDを活用するには、前提として、ADチームのスキルや文化が『自分たちの力量を補完するためにAIを訓練しよう』という方向にシフトしなければならない。だが、ADチームはこうしたシフトにより、デジタルの世界で今後ますます顕著になる人材不足に、より効果的に対処できるようになる」(ドライバー氏)

 そのため、チームを5年以内にASDのアプローチに備えさせることを目指し、ADリーダーがAIの訓練に向けたプロセスを今から開始することが重要だ。

 「ADワークロードは今後数年間で急激に増大するだろう。企業が新技術に取り組み生産的に活用する方法や、競争優位につなげる方法を探るからだ」とドライバー氏は語る。

 ADリーダーはシンプルな選択を迫られる。もともと労働市場ではこうした開発スキルを持った人材が不足しているが、それでも何とか大量に社員を採用して、急増するワークロードに対応するか、あるいは、個々の開発者の生産性を大きく向上させるかだ。企業とADチームの両方にとって、後者の選択がベストな結果をもたらす。

 企業にとっては、採用コストと人件費が抑えられる一方、ADのアウトプットが増加する。ADチームにとっては、人間の仕事が非定型化し、ユニークな問題を解決する仕事の比重が増える。ほとんどの人はこれによって恩恵を受ける。こうしたことから、GartnerはASDのアプローチをADリーダーが直ちに調査すべきものとして、そして企業におけるADを未来に導く方法として推奨している。

出典:Prepare for Automation’s Impact on Application Development(Smarter with Gartner)

筆者 Rob van der Meulen

Manager, Public Relations


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