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» 2018年09月13日 05時00分 公開

企業ユーザーに贈るWindows 10への乗り換え案内(32):WSUSによるWindows 10の機能更新プログラムの配布[前編] (1/2)

企業向けに6カ月間延長されていたWindows 10 バージョン1607のサポートが「2018年10月」に終了するはずでしたが、さらに6カ月延長されることが発表されました。そこで今回は、今最もニーズがあると思われる、Windows Server Update Services(WSUS)を使用した、Windows 10バージョン 1607から新バージョンへのアップグレードをレポートします。

[山市良,テクニカルライター]
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企業ユーザーに贈るWindows 10への乗り換え案内

新しさと安定性どちらを重視? どのバージョンにアップグレードするかを決める

 Windows Server 2016の導入に合わせて、共通のバージョンであるWindows 10 Anniversary Update(バージョン1607、OSビルド14393.x)を企業内クライアントとして大量導入した企業は多いと思います。クライアントOSとサーバOSのバージョンをそろえることは、共通テクノロジーに基づいているから親和性がより高いと、多くの方が期待していることでしょう。

 その一方で、クライアントOSとしてのWindows 10は年に2回、半年ごとに新しいバージョンがリリースされ続けています。親和性を優先して、後継バージョンへのアップグレード(機能更新プログラムのインストール、またはインストールメディアによるアップグレードインストール)をせず、Windows 10 バージョン1607の環境を維持してきた企業は多いと思います。

 Windows 10の各バージョンはリリース後、18カ月間、品質更新プログラムのサービスが提供されます。Windows 10 バージョン1607のサポートは2018年4月に終了していますが、Enterprise/Educationエディションに限り、品質更新プログラムのサービス提供が6カ月延長されるという特例措置が行われました(表1)。

Windows 10のバージョン サービスの終了
Pro、Pro for Workstation、Pro Education Enterprise、Education
1607(Anniversary Update) 2018年4月10日に終了 2018年10月9日(特例措置)
1703(Creators Update) 2018年10月9日 2019年4月9日(特例措置)
1709(Fall Creators Update) 2019年4月9日 2019年10月8日(特例措置)
1803(April 2018 Update) 2019年11月12日
1809(October 2018 Update) リリース後18カ月(2020年4月頃)
表1 Windows 10の以前のサポート期限(2018年9月の発表前)

 その期限が「2018年10月9日」(米国時間)についにやってくると思い今回の記事を書き始めました。しかし、2018年9月初めに、Enterprise/Educationエディションに対する特別措置がさらに6カ月延長され、合計30カ月提供されることが発表されました。Windows 10 バージョン1803までも同様です(表2)。

Windows 10のバージョン サービスの終了
Pro、Pro for Workstation、Pro Education Enterprise、Education
1607(Anniversary Update) 2018年4月10日に終了 2019年4月9日(特例措置)
1703(Creators Update) 2018年10月9日 2019年10月8日(特例措置)
1709(Fall Creators Update) 2019年4月9日 2020年4月14日(特例措置)
1803(April 2018 Update) 2019年11月12日 2020年11月10日(特例措置)
1809以降の9月リリース 18カ月 30カ月
1903以降の3月リリース 18カ月
表2 Windows 10の新しいサポート期限(2018年9月の発表後)

 また、2018年9月以降のバージョンからは、9月ごろにリリースされる機能更新についてのみEnterprise/Educationエディションに対して「30カ月」のサポートが提供される新たなポリシーが加わりました。Enterprise/Educationエディション以外のサポートは18カ月で変わりませんが、9月リリースバージョンについては、Enterprise/Educationエディションに対して30カ月のサポートが提供されることが固定化されました(3月リリースはエディションに関係なく18カ月)。これは発表されたばかりですし、少し複雑なので「Windows lifecycle fact sheet」の英語ページで最新情報を確認してください。

 現在、Windows 10 バージョン1607(Enterprise/Education)のクライアントPCを使用中であれば、セキュリティを維持するためには、6カ月以内に後継バージョンにアップグレードする必要があります。

 課題となるのは、“どのバージョンにアップグレードするか”という点です。Enterprise/Educationエディションに対する特例の6カ月延長措置は、現状、バージョン1803までに対して行われています。その後のバージョンは新たなポリシーが適用されます。アップグレードのサイクルをできるだけ長くしたければ、30カ月サポートされる9月リリースを選択するとよいでしょう。

 Windows 10のあるバージョンがリリースされ、長時間経過していれば安定しているというわけではないことは、経験上感じていることと思います。毎月少なくとも1回は「品質更新プログラム」のインストールで再起動が必要になりますし、多数のバグが修正される一方、不具合の影響でアンインストールが必要になることもあります。

 次のアップグレード作業をできるだけ先伸ばしにしたければ、最新バージョンにアップグレードするのがよいでしょう。もちろん、仕様変更や既知の問題が、企業の業務遂行に影響があるかどうか(業務アプリとの互換性や、使用していたポリシーによる利用環境のカスタマイズの引き継ぎなど)確認しておく必要があります。

 サーバOSとの親和性に期待するなら、間もなくリリースされる「Windows Server 2019」と同じバージョンの「Windows 10 October 2018 Update(バージョン1809)」にアップグレードするのも良いかもしれません。このバージョンは9月リリースで、EnterpriseおよびEducationエディションには30カ月という新しいサポートポリシーが適用されます。

 Windows Server 2016は10年サポートの長期サービスチャネル(Long-Term Servicing Channel:LTSC)製品であるため、クライアントPCを先行的に最新バージョンに移行し、その後、Windows Server 2016をWindows Server 2019に移行するのです。

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