“配送ロボ”が宅配ボックスから玄関先まで荷物をお届け――日立ら4社、マンション向け配送サービスを共同開発へ

日立ら4社は、不在時に宅配ボックスに預かった荷物を、希望のタイミングで配送ロボットが玄関先まで運んでくれる「マンション内宅配システム」の共同開発を開始した。2021年度の実用化を目指す。

» 2018年10月01日 12時00分 公開
[金澤雅子ITmedia]

 アイホン、日立製作所(日立)、日立ビルシステム、フルタイムシステムは、配送ロボットを活用した「マンション内宅配システム」の開発に向けて協創を開始した。マンションのエントランス付近の専用宅配ボックスから居住者宅の玄関前まで、居住者の希望するタイミングで配送ロボットが宅配物を届けるサービスの実現を目指す。

Photo 「マンション内宅配システム」の構成イメージ

 マンションなどがエントランス付近に設置する宅配ボックスは、不在時に荷物を受け取れる利便性や、再発達の削減効果などが期待されるものの、預け入れた荷物が満杯で入れられず再配達になってしまうケースや、重量のある荷物を居住者が自宅まで運べないケースなども発生しているという。

 4社が共同で開発するマンション内宅配システムは、この課題を解決するもの。マンションエントランス付近に専用の受付・保管システム付きフルタイムロッカー(宅配ボックス)を設置し、宅配業者が受付ユニットに荷物を預け入れると、保管ユニットに収納され、一時的に保管される。

 着荷情報は、居住者のスマートフォンに専用アプリで通知するとともに、住戸内のインターフォン画面にも表示。居住者がインターフォンから配達依頼を出すと、保管ユニットから荷物を取り出し、配送ロボットがマンション内を移動して玄関前まで届け、インターフォンを呼び出す。

 宅配ボックスの受付・保管システムと居住者用アプリはフルタイムシステムが、住戸内インターフォンでの表示・呼び出し機能はアイホンが開発を担当。エレベーター、インターフォンシステム、宅配ボックスを連動させ、配送ロボットを制御するシステムは、日立と日立ビルシステムが開発する。配送ロボットは、工場向けなどで実用化されている製品を活用する予定だという。

 4社は今後、システムの実現に必要な技術開発や検証を進め、新築マンション向けのソリューションとして、2021年度のサービス化を目指すとしている。

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