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» 2018年10月02日 10時00分 公開

2018年11月22日にSDSイベント開催:国内ストレージ市場の地殻変動、その終着駅はパブリッククラウドなのか

HCIの普及が象徴するように、地殻変動が進行中の国内ストレージ市場。今後はどうなっていくのか。市場アナリスト、SDSベンダーの日本法人社長、アイティメディア@ITの記者が話し合った。

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 テクノ・システム・リサーチが毎年発行する調査資料の今年度版「2018 ストレージ戦略」が先日リリースされた。これを機に、国内におけるソフトウェアストレージの利用動向について、テクノ・システム・リサーチのシニアアナリストである幕田範之氏およびスキャリティ・ジャパン代表取締役の江尾浩昌氏と、アイティメディア@IT編集部エグゼクティブ・エディターの三木泉が話し合った。

ハイパーコンバージドインフラの普及が意味するもの

三木 ストレージに関するトピックとして、最近最も印象的だったのは、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)の普及です。数年前から関心を抱いて見てきましたが、約1年前までは、これほど浸透するとは予想していませんでした。

幕田氏 そうですね。私の市場予測では以前から、ハードウェアストレージは縮小し、HCIとハイパースケールコンピューティングストレージで構成されるソフトウェアデファインドストレージ(以下、SDS)、そしてクラウドストレージが拡大するとしていました。まだ既存のハードウェアストレージには遠く及びませんが、HCIの普及は肌感覚で分かりやすいですね。

三木 「従来型のアプリケーションはハードウェアストレージでやるべき」と、何となく思い込んでいる人がこれまで多かったとすれば、それが変わってきたということを意味しているのではないでしょうか。

幕田氏 HCIの成長は、SSDやNVMeといった汎用ストレージ関連技術の進展に支えられています。一方、ユーザー側の促進要因として、サーバおよびストレージを運用する人材の不足があります。HCIでは、ストレージ自体の管理はなくなって、ハードウェアとしては汎用サーバを管理するだけになります。そして日常的には、仮想化環境を運用するだけで済むようになりますので、運用コストは大幅に下がります。

江尾氏 ストレージ装置は、もともと専用ハードウェアではあっても、内部的にはハードウェアとソフトウェアで構成されていることもあり、最近では汎用サーバで稼働する前提でソフトウェア部分を開発する例が非常に増えてきました。その意味で今後ストレージは、実態としては大部分がソフトウェアデファインドストレージという時代になるでしょう。

 また、日本では、大手国産ITベンダーが、ストレージ装置製造を縮小している傾向にあります。日本人としては残念ですが、このことはユーザー企業のストレージ選択に一定の影響を与えると考えています。

テクノ・システム・リサーチ シニアアナリスト、幕田範之氏

幕田氏 従来型のアプリケーションの中には、さらにパブリッククラウドへ向かうものが増えてきます。Amazon Web Services(AWS)などに基幹系システムとそのデータを移行する例が出てきました。パブリッククラウドでは、サーバが局所的に落ちることもあります。メンテナンスで止めなければならないこともあります。それでも基幹系を含めて既存システムを移行するユーザー企業は増えつつあります。

 弊社では毎年、ユーザー企業に対してITシステム運用の中で最も重視する要因を聞いてきました。2016年まで最も多かった回答は「止まらないこと」でした。しかし2017年は、「ビジネスにいかに貢献できるか」が1位になりました。これは、IT部門のポジショニングが変わってきていることを示しています。今後数年かけて、徐々にマインドチェンジが起こるのではないかと思っています。

「デジタルトランスフォーメーション」の真実

幕田氏 HCIと共に今後伸びるのは、スキャリティが提供しているオブジェクトストレージを含む、ハイパースケールコンピューティングインフラ用のストレージです。

 さまざまな業界で、大量のデータを扱うことが増えてきます。例えばペタバイト級のデータになってくると、従来型のストレージ製品では対応できません。すると、必然的にオブジェクトストレージが回答になります。

 ただし、これについては、国内企業のデジタルトランスフォーメーションの進展スピードに大きく依存すると思います。そして、自動車業界などを除き、日本企業は欧米に比べてデジタルトランスフォーメーションへの取り組みが遅れています。これは、ストレージ市場から離れても心配です。

スキャリティ・ジャパン 代表取締役、江尾浩昌氏

江尾氏 弊社のオブジェクトストレージ「Scality RING」は、欧米ではあらゆる分野で使われています。例えば、最近急速に伸びている分野に病院関連があります。近年医療現場では世界的に、画像データが大量に生み出される、その活用が進んでいます。こうしたデータは多くの場合、長期にわたる安全な保存が法律で義務付けられていますので、病院の間で大量データを管理できるストレージ製品を導入する動きが加速しています。

 一方日本国内では、弊社の製品に限らず、大容量ストレージを導入する例がまだ少ない。これについては、私も自分のビジネスとは別に、日本企業の将来という観点で、心配になります。

三木 「デジタルトランスフォーメーション」というと、「やれるならそれに越したことはないもの」と考えている人がまだまだ多いように見受けられます。しかし、欧米企業には、「やむにやまれぬ状況に陥りつつある」という危機感を語る人が多数存在します。

 例えば、米中央情報局(CIA)のCIOは、諜報活動の内容が以前とは大きく変わってきたと話していました。ソーシャルネットワークをはじめとするインターネット上のさまざまな情報や、衛星画像を含む多様な静止画像、動画を、目的に応じて機動的に分析できなければならなくなっているといいます。デジタルデータが、諜報活動の成否を左右するようになっているわけです。

 自動車業界や小売業界、金融業界などでは、日本でも同様に、「やむにやまれぬ」状況からデジタルデータを活用する動きが見えつつあります。どこまでの危機感を抱くかによって、各業界、各企業のデジタルトランスフォーメーションの進展は左右されるのではないでしょうか。

幕田氏 重要なのは、世界中でビジネスのデジタル化に関する危機感を抱き、あるいはチャンスととらえ、取り組みを進める企業が増えているということだと思います。日本企業は外資系企業から日本市場を守り、さらに少子化もあって世界を舞台に勝ち残っていかなければなりません。その点で、デジタルトランスフォーメーションはもはや前提になっていると思います。

 デジタルトランスフォーメーションは、パブリッククラウドに結び付けるケースが多いと思います。スモールスタートしやすいなどの理由から、パブリッククラウドを使うのは自然です。ただし、データが大量になってくると、やはりパブリッククラウドはコストが高い。そこで、オンプレミスでデータを管理する動きが活発化してきます。

 また、日本では、GDPRに関する欧州共同体(EC)との今後の交渉の進展によっては、個人情報の管理が高度な規制の対象になるかもしれません。このことが、データの保存先の選定に大きな影響を与える可能性があります。

三木 結局、ユーザー企業が最終的に欲しいのは、あらゆる保存先を活用して、自社のニーズに合った最適なデータ管理ができる統合的な手法だと思います。今後、パブリッククラウドのデータ保存コストは下がるかもしれません。また、「パブリッククラウドのデータコストが高くとも、そのクラウドの処理サービスが使いたいからデータをそこに置く」ということもあり得ます。逆にコスト以外の要因で、オンプレミスで管理したいデータもあります。特定のパブリッククラウドでしか使えなかった処理サービスが、オンプレミスで容易に実行できるようになるかもしれません。

 つまり、「どのデータをどこに置くか」という問いに対する答えは、企業によって異なりますし、時によっても異なります。ユーザー企業は「ファイナルアンサー」を避け、その時々のニーズに応じていつでもデータ配置を最適化できることを求めるようになっていくと思います。

江尾氏 スキャリティが2018年11月22日のイベントで披露するScality RINGの新バージョンは、まさにそうしたマルチクラウドのデータ管理を実現するものです。オンプレミス用のファイル/オブジェクトストレージ製品であるScality RINGに、弊社が別途開発してきたマルチクラウドデータ管理技術のZenkoを統合し、集中管理の下でデータ配置の最適化を図れるようにしています。もともとScality RINGは複数の企業拠点間のデータ移動や共有を実現していますので、複数の企業拠点、複数のパブリッククラウドにおけるデータの集中制御が可能になります。

 マルチクラウドで機動的なデータ配置が行えるようになっても、データアクセスセキュリティの確保に大きな労力を必要とするのでは、企業が安心して使えるものにはなりません。そこで新バージョンでは、複数クラウドにまたがってデータアクセス認証についても一元化します。

 これにより、「どのデータをどこに置くか」に加え、「誰がどこからアクセスするか」をきめ細かく制御できるようになります。

幕田氏 「データの格納先」というだけでなく、いわば「データ活用のオーケストレータ―」になるというのはとてもユニークですね。先ほど言いましたように、日本企業の間では基幹系システムの運用についても、「ビジネスにいかに貢献するか」がテーマとなってきました。少なくともマインドは変わろうとしています。

 特定のストレージ基盤、特定のパブリッククラウドに縛られずに、その時々のビジネスニーズに合わせて「いいところ取り」をし、さらにデータセキュリティ/ガバナンスの観点からも一元管理ができる仕組みを新製品が提供してくれるのであれば、企業は後ろ向きの理由で足をひっぱられることなく、デジタルトランスフォーメーションに取り組んでいけそうですね。

テクノ・システム・リサーチの「2018 ストレージ戦略」調査結果詳細については、スキャリティ・ジャパン主催「Scality SDS Day x French Tech Tokyo 2018」で聴講できます。

Scality SDS Day x French Tech Tokyo 2018

日時:2018年11月22日(木)基調講演メインセッション: 10:00 - 17:30/ネットワーキングレセプション: 17:30 - 19:30

場所:東京ミッドタウン日比谷: BASE-Q 東京都千代田区有楽町1-1-2 東京ミッドタウン日比谷 6F

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提供:スキャリティ・ジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2018年11月1日

関連セミナー:Scality SDS Day 2018

テクノ・システム・リサーチの「2018 ストレージ戦略」調査結果詳細については、Scality SDS Day 2018 で聴講できます!

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