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» 2018年11月16日 11時00分 公開

高高度、厳しい山岳気象に耐える“タフネスドローン”で遭難者を早期発見――KDDIら、富士山で実証に成功

KDDIは、ヤマップ、ウェザーニューズと共同で、4G LTE対応ドローンを活用した山岳救助の支援システムを開発。3000メートル級の高高度や山岳の厳しい気象環境でも飛行可能なドローンで遭難者を捜索する。2019年の富士山登山シーズンに実用化を目指す。

[金澤雅子,ITmedia]

 KDDIは2018年11月15日、山岳遭難者の捜索に自律飛行型ドローンを活用する「ドローン山岳救助支援システム」の実証実験に成功したと発表した。山岳地帯での遭難者の早期発見や、救助活動のスピード向上と効率化につなげたい考えだ。

 ドローン山岳救助支援システムは、KDDIの山岳用ドローンとドローンの運航管理基盤となる「スマートドローンプラットフォーム」、スマートフォン向け登山地図アプリを展開するヤマップの位置情報通知・監視サービス、気象情報を提供するウェザーニューズの高精細気象予測システムを組み合わせて構築した。

 山岳用ドローンは、携帯通信ネットワーク(4G LTE)を活用し、遠距離制御による長距離飛行が可能な同社の「スマートドローン」を基に、山岳での操作・救助用に開発したもの。3000メートル級の高高度に対応し、強風、雨、雪、霧といった山岳独特の厳しい気象環境でも飛行可能。携帯性も考慮され、コンパクトに折りたたむことができる。

ALTALT 山岳用ドローン(左)と、実証実験の様子(右)

 実証実験は、2018年10月25日に、富士山5合目で、KDDI、ヤマップ、ウェザーニューズの3社共同で実施した。

 位置情報通知デバイスを持った登山者が遭難し、家族が遭難に気付き、捜索を依頼するという想定で、(1)GPSで遭難現場を特定、(2)「高精細気象予測システム」で現場付近の気象状況を確認し、ドローンの飛行判断と飛行経路を設定、(3)ドローンを急行させる、(4)遭難者の発見と現場の状況を映像で確認、という流れで行い、ドローン山岳救助支援システムの有効性を検証した。

Photo 「ドローン山岳救助支援システム」の実証実験のイメージ

 気象状況の確認に利用した高精細気象予測システムは、ドローン運航のサポートを目的に、ウェザーニューズとKDDIが共同で開発。両社の協業で全国3000カ所のKDDIの基地局に設置している気象観測装置「ソラテナ」や、ウェザーニューズが独自に収集している全国1万カ所の気象データなどを活用し、ドローンの運航に必須となる気象情報を250メートルメッシュ、高度10メートル単位で提供する。

Photo 250メートルメッシュ、高度10メートル単位の「高精細気象予測システム」。富士山・都心部に適用した場合のイメージ(出典:KDDI 「高精細気象予測システム」のリリース

 KDDIでは、今回の実証実験を経て、同システムの実用化に向けた枠組みができたとしており、引き続きパートナー企業とともに開発を進め、2019年の富士山開山期間に実運用を目指すとしている。

 また、KDDIは2018年11月15日に静岡県御殿場市と、5GやIoTを活用した地域活性化を目的とした包括連携協定を締結。それぞれの資源や技術、ノウハウなどを有効活用し、“安心・安全な富士登山”や、観光振興・産業振興、災害時の連携などに取り組んでいく。

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