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» 2018年12月07日 05時00分 公開

Gartner Insights Pickup(87):アプリケーション開発を再び“クール”にするには

企業のアプリケーション開発は一変しようとしている。社内のアプリケーション開発チームに高いパフォーマンスを発揮させるためには、新しいスキル、プラクティス、技術に投資しなければならない。

[Katie Costello, Gartner]

ガートナーの米国本社発のオフィシャルサイト「Smarter with Gartner」と、ガートナー アナリストらのブログサイト「Gartner Blog Network」から、@IT編集部が独自の視点で“読むべき記事”をピックアップ。グローバルのITトレンドを先取りし「今、何が起きているのか、起きようとしているのか」を展望する。

 今日のアプリケーションチームは、デジタル的な有機体だ。人々、プラクティス(手法)、技術が変わることで進化する。モノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)、機械学習、ブロックチェーンなどのデジタルディスラプション(破壊的変革)は、今まさに新たな機会をもたらしており、アプリケーションチームはこれまで以上に迅速に変わらなければならない。ダーウィンが唱えたように、環境に早く適応する有機体が生き残るからだ。

 Gartnerのアナリストで、バイスプレジデントを務めるジェーソン・ウォン氏によると、パフォーマンスが高いチームは、新しい重要なソリューションの40%を自社で開発する予定であることが明らかになっている。「デジタルビジネスの開発戦略に責任を持つアプリケーションリーダーは、社内の新しい働き方に投資し、それを既存の開発活動に取り入れ、迅速に前向きな変化を起こす必要がある」(ウォン氏)

 アプリケーション開発チームに高いパフォーマンスを発揮させるには、“クールな”要素を確保し、アプリケーション開発チームを開発者にとって魅力的な場所にしなければならない。Gartnerは、そのために人、プラクティス、技術に投資することを勧めている。

人に投資:開発者はクールなソフトウェアを作りたい

 優秀な開発者は、明確な目的に基づくクールなソフトウェアを作らせてくれる組織で働きたいと考える。従って、アプリケーションリーダーは自チームを差別化し、自チームの現状と、業界をリードするパフォーマンスを挙げているチームとのギャップを埋めるために、社内の開発に注意を払わなければならない。

 「例えば、ユーザーエクスペリエンス(UX)アーキテクチャの構築やAI製品の管理に優れた人材を新たに採用または育成するには、クールで革新的な文化を作らなければならない」と、Gartnerのマネージング バイス プレジデントのエリザベス・ゴラシオ氏は語る。

 「彼らは、組織でイノベーションやアジリティを実現するために、最新の技術やベストプラクティスを利用できていると実感したい」(ゴラシオ氏)

プラクティスに投資:クールな組織はプロダクト思考に移行

 2018年には、ITプロダクト管理を推進している企業の割合が、2017年の50%台半ばから73%に上昇している。こうしたプロダクト思考の取り組みを進めるため、アプリケーションリーダーは開発プロセスにデジタルを導入し、プロダクトオーナーをサポートすることで、プロダクトの継続的な改良を可能にする必要がある。「リーンでアジャイルなデリバリーチームは効果的なプロダクト管理を行う必要があり、それと同じように、プロダクト管理においてはアジャイルなデリバリーを行う必要がある」(ウォン氏)

 組織にとっては、プラクティスを先進的なアプリケーション開発チームで行われているもの(アジャイルやDevOpsなど)に移行することが重要だ。こうしたプラクティスを通じて、開発者は本当にやりたいことを行うとともに、ビジネスニーズにより迅速に対応できるようになる。Gartnerは、プロダクト指向の組織は2020年までに、顧客満足とビジネス成果の向上を実現すると予想している。

技術に投資:クールな要素を持つマルチエクスペリエンス開発

 優秀な人材を巻き込み、クールな要素があるアプリケーションを開発するには、「メッシュのアプリ&サービス・アーキテクチャ(MASA:Mesh App and Service Architecture)」を最大限に活用する新しいマルチエクスペリエンス開発技術に投資するとよい。

  • マルチエクスペリエンス開発:さまざまなタッチポイント(接点)に対応した操作(タッチ、音声、ジェスチャーなどによる)が可能で、目的にかなうアプリケーションを作成し、Web、モバイル、ウェアラブル、会話型および没入型タッチポイントで、一貫したユーザーエクスペリエンスを確保する
  • MASA:モダンなアプリケーションやサービスを構築するための全体的なアーキテクチャ。クライアント/サーバアーキテクチャに取って代わる。アプリケーション開発の新しいトレンドのベースラインとなっている

 パフォーマンスの高いアプリケーション開発チームは、新しいUXデザインの構成要素やマルチエクスペリエンス開発技術を利用して、MASAをサポートし、フロントエンドアプリケーションの開発を簡素化し、バックエンドサービスのアジリティを高めている。

 「優れたアプリケーション開発戦略は、人、プラクティス、技術への投資を促進し、デジタルビジネストランスフォーメーションに向けて、革新的なアプリケーションエクスペリエンスのモダナイゼーションと構築を可能にするだろう」と、ゴラシオ氏は語る。

 「最も重要なことは、リーダーは組織を成長させるという考え方に立って、高パフォーマンスの開発チームを育成しなければならないということだ」(同氏)

出典:Make Application Development Cool Again(Smarter with Gartner)

筆者 Katie Costello

Manager, Public Relations


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