Knativeでサーバレスは、クラウドによるロックインの超越に向かうKubeCon + CloudNativeCon 2018詳報(5)(2/2 ページ)

» 2018年12月27日 05時00分 公開
[三木泉@IT]
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 サーバレスOSSのKubelessを始めた一人であるセバスティエン・ゴースグエン(Sebastien Goasguen)氏は、今ではKnativeを活用したサーバレスに注力している。同氏は2018年秋にTriggerMeshという企業を設立した。同社設立時のブログポストで、ゴースグエン氏は次のように述べている。

 「TriggerMeshではクラウドサービスを提供する。その下ではKnative、Istio、そしてもちろんKubernetesが動いている。あなたは、GitHub、BitBucket、GitLabにホストした自身のファンクションを動かすことができる。さらにKnative Eventingのおかげで、あなたは主要クラウドプロバイダーのサービスイベントソース(例えばAWS SQS、Azure Event Grid、Google Cloud Storageなど)を構成し、あなたのファンクション群をまとめ上げて、あなた自身のクラウドネイティブアプリケーションを構築できる」

TriggerMeshは「サーバレスのSaaS」。ユーザーは、さまざまなクラウド/オンプレミスのサービスを活用したサーバレスアプリケーションを構築、単一コンソールでライフサイクル管理ができるという

 CNCFのアニズィック氏がKnativeを同組織に迎え入れたいと考えている理由も、その普及によって、上記のように特定クラウドを超えたサーバレスアプリケーション基盤をネイティブに実現できる可能性があるからだ。

 Kubernetesが全ての主要クラウド事業者に採用された前提の一つに、IP(知的財産権)がCNCFに移譲され、Google Cloudから独立したガバナンス体制が構築されたことがあった。Knativeでも同様にCNCFへの加入で、Google Cloudと競合するクラウド事業者が、安心してこの技術を採用できるようになるかもしれない。

 サーバレスは画期的で便利であるものの、特定クラウドにロックインされることが欠点とされてきた。主要なクラウド事業者が共通のサーバレス基盤技術を採用し、同時に自社のサービスを標準的なフォーマットでイベントとして提供すれば、ユーザーはロックインされることなく、臨機応変にこれらのサービスを組み込んだアプリケーションを、迅速に構築できるようになる。

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