検索
連載

WindowsでLinuxをリモート操作(前編)ゼロ円でできるXサーバ(1)(2/3 ページ)

LinuxサーバをWindowsから操作しているというケースは多い。ほとんどの場合はtelnetやsshで十分だが、ときにはGUI(Xクライアント)を使いたい場合もある。そこで、このような用途に最適なVNCを紹介しよう。

Share
Tweet
LINE
Hatena

VNCの入手とインストール

 では、VNCを使ったリモートコントロール環境の構築方法を紹介しよう。

VNCのダウンロード

 まず、LinuxおよびWindows用のVNCを入手しなければならない。ダウンロードは、下記のURLから行う。

 ここで、用意されているフォームに名前、メールアドレス、社名などを入力し、Binary packagesの

  • Linux 2.x for x86
  • Windows 9x/2000/NT(Intel Win32)

にチェックを入れて[Proceed to download]を押す。これで、2001年3月31日現在では

  • vnc-3.3.3r2_x86_linux_2.0.tgz
  • vnc-3.3.3r9_x86_win32.zip

の2ファイルがダウンロードできる。

 Linux用のVNCは、バイナリだけではなくソースも提供されているが、あえてソースからコンパイルすべき理由はないのでバイナリだけで十分だろう。

Linuxへのインストール

 まずLinuxにVNCサーバをインストールしよう。ダウンロードしたvnc-3.3.3r2_x86_linux_2.0.tgzを以下の手順のように適当なディレクトリ(ホームディレクトリなど)で展開し、/usr/local/binにコピーする。/usr/local/binはrootでなければ操作できないので、途中でsuする。

$ tar zxvf vnc-3.3.3r2_x86_linux_2.0.tgz
$ cd vnc_x86_linux_2.0
$ su -
Password
# cp vncviewer vncserver vncpasswd vncconnect Xvnc /usr/local/bin
# mkdir -p /usr/local/vnc/classes
# cp classes/* /usr/local/vnc/classes

 これだけでインストールは完了だ。拍子抜けするほど簡単である。

VNCサーバの設定

 次にVNCサーバの設定を行う。普段VNCを使うユーザーになり、そのユーザーのホームディレクトリに移動する。まずは.bashrcを編集して/usr/local/binにパスを通しておく。

$ cd
$ vi .bashrc

などで.bashrcを開き、

PATH=$PATH:/usr/local/bin

の記述を追加する。そして

source .bashrc

で編集した.bashrcの内容を反映させる。

 これでVNCサーバを起動させる準備が整った。VNCサーバ(Xvnc)は、vncserverというスクリプトにディスプレイ番号(下記コラム参照)を付加して起動する。

$ vncserver :1

 ただし、初回起動時はパスワードの設定が必要だ。Password:とVerify:(確認)に対して、それぞれパスワードを入力する。これでVNCサーバが起動する。

You will require a password to access 
your desktops. 
Password:
Verify:
xauth: creating new authority file /home/isamu-n/.Xauthority 
New 'X' desktop is laser5:1 
Creating default startup script /home/isamu-n/.vnc/xstartup
Starting applications specified in /home/isamu-n/.vnc/xstartup
Log file is /home/isamu-n/.vnc/laser5:1.log
注:「laser5」はVNCサーバを動作させるLinuxのホスト名

 ちなみに、VNCサーバの設定を変更した際は(この後さまざまな変更を行う)、VNCサーバを停止させて、あらためて起動する必要がある。VNCサーバの停止時も、起動時に指定したディスプレイ番号を付加する。

$ vncserver -kill :1
Killing Xvnc process ID XXX

コラム:ディスプレイ番号

 ディスプレイ番号はVNCが仮想Xデスクトップを出力する場所で、本文の例では「:1」として明示しているが、番号を付けなければVNCサーバが自動的に付加する。VNCサーバをディスプレイ番号1で起動したら、VNCビューアは当然ながらディスプレイ番号1に対して接続しなければならない。 番号があるということは、つまり複数の仮想Xデスクトップを同時に出力できるということであり、ユーザーAが1番を、ユーザーBが2番を使って接続することも可能だ。この場合、ユーザーAとユーザーBそれぞれのマシンには異なる仮想Xデスクトップが表示される。


Windowsへのインストール

 Windows版のVNCビューアもインストールは簡単だ。

 vnc-3.3.3r9_x86_win32.zipを展開し、その中身を好きなフォルダに移動するだけでよい。特別な設定も必要ない。VNCビューアのプログラムはvncviewer.exeなので、ショートカットを作るなりして起動しやすいようにしておくといいだろう。

 これで基本的な準備は終了。さっそくLinuxに接続してみよう。LinuxのVNCサーバを起動していない場合は、先にtelnetやsshを使ってVNCサーバを起動しておく。

$ vncserver :1 
New 'X' desktop is laser5:1 
Starting applications specified in /home/isamu-n/.vnc/xstartup
 Log file is /home/isamu-n/.vnc/laser5:1.log

 次にWindows側でvncviewerを起動する。サーバのアドレスを聞かれるのでIPアドレスとディスプレイ番号を「:」で区切って、「192.168.33.8:1」のように入力する。

 

画面2 VNCビューアのサーバ指定ダイアログボックス
画面2 VNCビューアのサーバ指定ダイアログボックス

次にパスワードを聞かれるので、設定したパスワードを入力。

 

画面3 パスワード入力ダイアログボックス
画面3 パスワード入力ダイアログボックス

 これで、WindowsのデスクトップにLinuxの画面が表示される。

画面4 最小限の設定を行ってVNCを利用。デフォルトのWindow Managerはtwmで、xtermが起動する(画像をクリックすると拡大表示します)
画面4 最小限の設定を行ってVNCを利用。デフォルトのWindow Managerはtwmで、xtermが起動する(画像をクリックすると拡大表示します)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る