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TCP高速化などを図ったLinuxカーネル3.6、リリース仮想環境でのI/O性能を改善するVFIOも

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 Linuxカーネルの新バージョン、「Linux 3.6」が10月1日にリリースされた。Linus Torvalds氏はこのリリースについて、アーキテクチャやファイルシステムに大幅な変更はないとしながらも、「着実な進歩」だと表現している。

 カーネル3.6では、まずネットワーク接続を高速化するため、TCP Small QueuesやTCP Fast Openといった機能が盛り込まれた。TCP Small Queuesは、1つのキューに含まれるパケットの数に上限を設けることでRTTなどを減らし、ひいてはバッファサイズに起因する遅延や輻輳といった問題(Bufferbloat)を解決することを狙ったもの。一方TCP Fast Openは、TCPコネクション確立時のプロセスを最適化することで、Webサイトの読み込みを4〜41%高速化するという技術だ。ただし3.6時点ではクライアント側のみの実装で、サーバ側は次バージョンの3.7で実行される見込み。

 また、VFIO(Virtual Function I/O)の追加により、IOMMUの環境下で、ユーザースペースのドライバがデバイスに直接アクセスできるようになった。ベアメタルのデバイスドライバを直接利用し、高速、低遅延の処理が行えるようになる。これは、仮想環境で高いI/O性能が求められるアプリケーションを動作する場合などに有効だ。

 さらに、ファイルシステム「btrfs」を強化し、サブボリュームのクォータ(容量制限)機能や、異なるスナップショット間の差分を取得し、バックアップを容易にする「send/receive」機能などを追加したほか、メモリ/ディスクのサスペンドの改善、SMBv2のサポートなど、数多くの機能追加、改善が加えられている。

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