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どれがいいの? 8インチWindowsタブレット8インチWindowsタブレット購入術

手ごろな価格で既存のWindows資産を活用できる8インチWindowsタブレットPC。新入生・新社会人の手軽なファーストPCとして、持ち運び用のセカンドPCとして使うための8インチWindowsタブレットの選び方を解説する。

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8インチWindowsタブレット購入術
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連載目次

 Windows 8.1を搭載する8インチタブレットが日本エイサー(Acer)、デル(Dell)、レノボ・ジャパン(Lenovo)、東芝、ASUS(エイスース)から販売され、新しい市場が形成されつつある。Officeアプリケーションが付属して、4万円前後で購入可能なことから、手軽なセカンドPCとして利用するのに向いた製品となっている。主な仕様は下表の通り。細かな違いはあるもののプロセッサーやメモリ、ディスプレイ解像度など、レノボ・ジャパンのThinkPad 8を除けば、ほとんど違いがない。では、何に基づいて機種を選べばいいのだろうか? ここでは、ThinkPad 8を除く8インチWindowsタブレットの選択ポイントについて解説していく。

主な各社の8インチWindowsタブレットの仕様
主な各社の8インチWindowsタブレットの仕様

8インチWindowsタブレットは使えるの?

 8インチWindowsタブレットは、手頃な価格で持ち運びしやすい製品だが、メモリ容量やストレージ容量が少ないことなどを理解しておいた方がよい。機種を選択する前に、8インチWindowsタブレットの特徴を整理しておこう。

 8インチWindowsタブレットに搭載されているプロセッサーは、ほとんど機種がAtom Z3740である(Venue 8 ProのみAtom Z3740Dだが、違いについては後述する)。ビデオのエンコード(MPEG2をMPEG4に変換するなど)などの用途には力不足だが、電子メールやWebサイトを確認したり、Officeアプリケーションを利用したりする分には十分な性能を持っている。

 ただメモリ容量が2Gbytes、ストレージ容量が32Gbytesまたは64Gbytesと少な目なので、利用するアプリケーションによってはメモリ不足になったり、ストレージ容量が足りなくなったりするかもしれない。またディスプレイの解像度が1200×800ドットとそれほど広くないので、Photoshopのような画像処理ソフトウェアなど使い勝手はあまりよくない点も注意したい。

 一方、Bluetooth接続のキーボードやマウスなどを利用すれば、小型のノートPCと同様の使い勝手が実現できるし、タブレット単体ならば500g未満と軽く携帯性も高い。バッテリ駆動時間も8時間から10時間程度あり、スリープ状態ならばすぐに起動できるので、バッグから取り出して、電車の中で資料を確認するといったことも容易だ。

 当然ながらWindows 8.1搭載なので、アプリケーションやデータ、管理ツールや管理手法など、既存のものがそのまま使える。使い慣れたアプリケーションやツール類がそのまま利用できることから、新たにソフトウェアを用意する必要もなければ、使い方を覚える必要もないというのは大きなメリットだ。

8インチWindowsタブレットの正しい選び方

 前述の通り、8インチWindowsタブレットの機種ごとの違いはそれほど大きくない。上表を見ても分かるように大きな仕様の違いがないので、価格を重視した選択を行いがちだ。それでも細かい部分では違いがあるので、後悔しないためにも価格だけでなく、各機種の特徴を見比べて選びたい。以降、失敗しないための選択ポイントを紹介しよう。

■ストレージは64Gbytesモデルを

 ストレージサイズは多くの8インチWindowsタブレットで、32Gbytesモデルと64Gbbytesモデルが用意されている。実売価格で3000円から5000円(付属のOfficeのエディションによっても異なる)の違いがあるようだ。価格の安さにつられて、32Gbytesモデルを選びたくなってしまいそうだが、32Gbytesモデルではストレージの空き容量が10Gbytes程度しかなく、ツールやアプリケーションなどを追加していくと、すぐにストレージが足りなくなってしまう(64Gbytesモデルでは35Gbytes程度の空き容量がある)。microSDやオンラインストレージなどを活用して、32Gbytesでもやりくりできる人ならばいいが、できれば64Gbytesモデルを選んでおいた方が無難だ。それでもストレージ容量は十分とはいえないので、こまめに無駄なデータを削除するなどの工夫は必要となる(リカバリ領域を削除してストレージ容量を増やす方法は、Windows TIPS「Windowsタブレットの回復パーティションを削減してディスクの空き領域を増やす」を参照のこと)。

■プロセッサーには違いがない

 デルのVenue 8 ProのみAtom Z3740D(動作周波数1.33GHz/バースト周波数1.83GHz)、ほかの機種はAtom Z3740(動作周波数1.33GHz/バースト周波数1.86GHz)である。Atom Z3740Dは、メモリがシングルチャネルまでなど、若干、Atom Z3740に対してスペックダウンした部分もあるが、両者の違いはそれほど大きくなく、8インチWindowsタブレットに搭載している分には性能もほとんど変わらない。

Atom Z3740D/Atom Z3740の「Windowsエクスペリエンス インデックス」値(デルのVenue 8 Pro)Atom Z3740D/Atom Z3740の「Windowsエクスペリエンス インデックス」値(レノボ・ジャパンのMiix 2 8)

Atom Z3740D/Atom Z3740の「Windowsエクスペリエンス インデックス」値
デルのVenue 8 Pro(画面左)とレノボ・ジャパンのMiix 2 8(画面右)の「Windowsエクスペリエンス インデックス」値。コードリウムが無償で提供している「WIN SCORE SHARE」で計測した(Windows 8.1での「Windowsエクスペリエンス インデックス」値を計測方法やWIN SCORE SHAREについてはWindows TIPS「Windows 8.1で「Windowsエクスペリエンス インデックス」値を計測する」を参照のこと)。Miix 2 8の方が若干性能が高いようだが、その差は小さい。


■OfficeのエディションはPowerPointの必要性で

 レノボ・ジャパンのMiix 2.8や東芝のdynabook Tab VT484の場合、64Gbytesモデルを選択すると、付属のOfficeのエディションがOffice Home & Business 2013に限定されてしまうが、他機種ではOfficeのエディションが選択可能だ。Office Personal 2013はWord/Excel/Outlook、Office Home & Business 2013はWord/Excel/PowerPoint/OneNote/Outlookという構成なので、大きな違いはPowerPointの有無ということになる(OneNoteは個人利用に限って無償化されたので、Personalでも後から追加可能)。選択が可能な機種では、Office Personal 2013とOffice Home & Business 2013の価格差が3000円程度である。PowerPointを単体パッケージで後から購入するとなると1万円以上もするので、用途にもよるがPowerPointが必要になりそうならば、Office Home & Business 2013を選択しておいた方がよいだろう。

■搭載センサーはGPSの有無がポイント

 8インチWindowsタブレットには、ジャイロ、照度、加速度、電子コンパスといったさまざまなセンサーが搭載されている。これらのセンサーは、いずれの機種もサポートされているが、GPSについては搭載していない機種もあるので注意したい。営業などで地図アプリを活用したいのならば、GPSを搭載している機種の方が位置情報が取得しやすく便利だ。レノボ・ジャパンのMiix 2 8、東芝のdynabook Tab VT484、ASUSのVivoTab Note 8の3機種がGPSを標準で搭載しており、デルのVenue 8 Proが3Gデータ通信モデムのオプションを選択すると、GPSが搭載となる。

デルのVenue 8 Proのデバイスマネージャーの画面
デルのVenue 8 Proのデバイスマネージャーの画面
デルのVenue 8 Proは、3Gデータ通信モデムのオプションを搭載するとGPSも搭載される。
  (1)この「Sierra Wireless Location Sensor」がGPS。

■ネットワーク機能の違いは3Gデータ通信にある

 外出先でインターネットアクセスの必要性が高いのであれば、3Gデータ通信が利用できる機種を選ぶと、格安SIMカードを使ったシームレスなインターネットアクセスが可能になる。もちろん、モバイルルーターやスマートフォンのテザリングを利用するという手もあるが、別にモバイルルーターを持ち歩いたり、テザリングをオン/オフしたりしなくても済むのは3Gデータ通信モデム内蔵のメリットだ。ただ3Gデータ通信をサポート可能なのは、現在のところデルのVenue 8 Proしかなく、選択の余地がないのが残念なところ(3Gデータ通信のオプションは約7000円)。

デルのVenue 8 ProのSIMスロット
デルのVenue 8 ProのSIMスロット
デルのVenue 8 ProのSIMスロット(写真の右側)は、microSDスロット(写真の左側)と並んで側面に実装されている。microSDスロットと同じフタを利用するため、microSDを抜き差しする度にSIMカードが抜けてしまうので注意が必要だ。

■サイズはほぼ同じ、重量に違いが

 8インチのタブレットという形状から、本体サイズは大きな差がない。重量に関しては、意外と違いがあり、最も軽いレノボ・ジャパンのMiix 2 8が約350g、重いのが東芝のdynabook Tab VT484が約445gと、ほぼ100gの違いがある。他の機種は400g前後なので、携帯性を重視するのであればMiix 2 8が軽く望ましいことになる。

■その他の付加価値機能も

 上表には記載していないが、ASUSのVivoTab Note 8はワコム製デジタイザーペンを搭載、dynabook Tab VT484/26K(64Gbytesモデル)はCorelのフォトレタッチソフト「PaintShop Pro for TOSHIBA」とビデオ編集ソフト「VideoStudio X6 VE for TOSHIBA」をプリインストール、Iconia W4-820とdynabook Tab VT484はMicro HDMIコネクタを装備、といった違いもある。用途によって、必要性を考慮するとよいだろう。

■ThinkPad 8は高性能/高解像度が欲しい人向け?

 ThinkPad 8についても触れておきたい。ThinkPad 8は、機種名に「ThinkPad」が付くように主に企業向けとして販売されている機種となる。8インチディスプレイながら、1920×1200ドットという高い解像度を実現しているのが特徴だ。ストレージ容量も64Gbytesもしくは128Gbytesと、他の8インチWindowsタブレットの32Gbytesもしくは64Gbytesに比べ大容量を誇っている。プロセッサーも、多くがAtom Z3740なのに対し、高性能なAtom Z3770(動作周波数1.46GHz/バースト周波数2.39GHz)を搭載している。その分、価格は高く、5万7750円〜となっている。


 このように同じようで違う8インチWindowsタブレット。小さな違いながら、それぞれ特徴があるので、価格だけでなく用途を考えた上で最適な一台を選ぶとよいだろう。

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