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狭義の「PaaS」を超えようとするレッドハットのOpenShiftユーザーは「PaaS」「IaaS」を求めているわけではない

レッドハットは、PaaS製品/サービスの「OpenShift」で、アプリケーションデリバリメカニズムの一部になる一方、IaaSとの融合を目指している。米レッドハットのOpenShift責任者に聞いた。

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 レッドハットは、PaaS製品/サービス「OpenShift」の製品版である「OpenShift Enterprise」を、日本国内で展開すべく準備を進めている。では、他のPaaS製品/サービスに対してどう差別化していくのか。米レッドハットが4月第3週にサンフランシスコで開催したRed Hat Summit 2014で、同社クラウド事業部門のOpenShift PaaS責任者を務めるアシェシュ・バダニ(Ashesh Badani)氏に聞いた。

 OpenShiftには、米レッドハットが提供するサービスである「OpenShift Online」と、サービスプロバイダや一般組織が導入・運用する製品である「OpenShift Enterprise」がある。これらは、オープンソースプロジェクト「OpenShift Origin」が基になっている。こうした構成は、例えばCloud Foundryと同じだ。だが、今回のRed Hat SummitにおけるDockerサポート強化の発表で、明確な差別化要素が加わった。

 「OpenShiftはこれまでもコンテナ技術を用い(「Gear」と呼んでいる)、集約度の高いPaaSを提供してきた。今回の発表により、OpenShiftはDocker形式でつくられた多くのアプリケーションコンテンツにアクセスできるようになった。NoSQLから管理・モニタリングツールまで、すでに数十万ものソフトウェアがDocker形式で公開されている。ユーザーは、これらをOpenShiftにデプロイして活用できる」(バダニ氏)。

Docker形式を含めたコンテナによるアプリケーションの構築を可能にする

 バダニ氏は、OpenShift Enterpriseの優位性として、「オープンな技術の上に独自のアドオンを付け加えたりしない。また、サービス、製品ともに豊富な実績がある。シスコやデルなど、OpenShiftを共同で推進するパートナーも増えている」と話す。

 サービスプロバイダが自社のPaaSサービスの基盤としてOpenShiftを採用すべき理由については、次のように主張する。

 まず、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)との親和性が大きいという。「世界中で多数のサービスプロバイダがRHELを採用している。RHELのインストール・運用ができるなら、OpenShiftのインストールや運用は容易だ。例えばセキュリティアップデートは、同一のメカニズムを通じてRHELとOpenShiftに適用できる。従って導入障壁は低い。また、SELinuxを採用しているため、コンテナ間で高いセキュリティを維持できる」。

 JBossミドルウェア製品群を、OpenShiftの上で容易に提供できる点も、事業者にとって大きな付加価値になると強調する。「JBoss Enterprise Application Platformkから始め、将来に向けてJBoss Fuse、JBoss RPMなどを展開していける」。

 もう1つは拡張性が実証されていることだという。「レッドハット自身がこの製品を使い、パブリックPaaSを3年間にわたって提供しており、1600万のアプリケーションが動いている。およそ1カ月に1回はサービスを安定的にアップデートしている。この経験からくるノウハウを、サービスプロバイダに直接提供できる」(バダニ氏)。

OpenShiftとOpenStackは、もっと強く結び付くようになる

 マイクロソフト、グーグルは、PaaSからクラウドサービスをスタートしたものの、最近ではIaaSに力を入れるようになっている。これをどう見るか。

 「ベンダは技術を何らかの『箱』に入れて提供してきた。しかし、ユーザー組織は自社のIT課題を、より全体的な観点でとらえている。DevOpsは、ソフトウェア開発を工業化する取り組みといえる。これを成功させるには、エンド・ツー・エンドで考えなければならない。『OS』『ミドルウェア』『アプリケーション』の間の境界はあいまいにならざるを得ない。だから、グーグルなどは、サービスに境があってはならないということを正しく認識したのだと思う」(バダニ氏)。


米レッドハットで、クラウド事業部門のOpenShift PaaS責任者を務めるアシェシュ・バダニ氏

 バダニ氏は、レッドハット自身がOpenShiftとOoenStackの連携を強化していることを説明した。

 「OpenStackのHeatプロジェクトとの関係では、OpenShiftをOpenStack上で展開するためのHeatテンプレートをつくった。今後、OpenStackではさらに、OpenShiftのモニタリングやオーケストレーションのためのAPIが提供されていくことになる」(バダニ氏)。

 OpenShiftをOpenStack上で動かしたいという顧客が増えつつある、一方でレッドハットはOSからOpenStack、OpenShift、ミドルウェアを統合的に提供できることが、今後に向けた最大の強みだという。

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