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NTTドコモ版iPhoneを格安SIMカードで利用するTech TIPS

スマートフォンが安価に利用可能とする格安SIMカード。Andorid OS搭載のスマートフォンだけでなく、iPhoneでも多くの格安SIMカードが利用できる。ただし注意点もあるので、iPhoneで格安SIMカードを利用する際に気を付けるべきことなどをまとめた。

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連載目次

対象ハードウェアとソフトウエア:iPhone+格安SIMカード


解説

 通信事業者やISP(インターネットサービスプロバイダー)だけでなく、量販店や流通業者などさまざまな業種から格安SIMカードが販売され(関連記事参照)、特に音声通話の比率が低いユーザーは、スマートフォン(以下、スマホ)を低額で使えるようになった。最近では、格安SIMカードとスマホがセットになったサービスも提供され、スマホ初心者であっても格安SIMカードを利用するハードルが低くなってきている。

 ただ、こうしたスマホはAndroid OSの場合がほとんどで、国内では非常に人気が高いiPhoneは見かけない。そのためか、iPhoneは格安SIMカードで利用できない、という誤解もあるようだ(auの通信回線を利用する格安SIMカードでは、iPhoneが利用できないことも一因と思われる。詳細は後述)。

 実は、アップルから販売されているSIMフリー版のiPhoneを購入して、NTTドコモ系の格安SIMカードを組み込んで使うことができる(アップルストアのiPhone 6購入ページ)。またSIMフリー版は若干価格が高いので、少しでも安く手に入れたければ、中古だがSIMロック版のiPhoneを購入するという手もある。SIMフリー版のiPhoneは、中古の流通量が少ないが、NTTドコモ版のSIMロックモデルならば、比較的入手が容易だし、価格もSIMフリー版に比べると安価だ。ここでは、NTTドコモ版のiPhoneを購入する際の注意点などをまとめる。

●NTTドコモのSIMロック版iPhoneで格安SIMカードが使える理由

 iPhoneには、海外を含む多くの通信キャリアのSIMカードが利用できるSIMフリー版(日本国内では、ソフトバンク、Y!mobile、au、NTTドコモのSIMカードが利用できる)と、ソフトバンク、au、NTTドコモのそれぞれの通信キャリアのみに対応したSIMロック版がある。

 このうちSIMフリー版とNTTドコモのSIMロック版(以下、NTTドコモ版)ならば、多くの格安SIMカードと組み合わせることが可能だ。これは、格安SIMカードの多くがNTTドコモの通信回線を利用しているからだ。

NTTドコモSIM ソフトバンクSIM au SIM NTTドコモ系格安SIM au系格安SIM
SIMフリー版iPhone ×
NTTドコモ版iPhone × × ×
ソフトバンク版iPhone × × × ×
au版iPhone × × × ×
SIMフリー版、SIMロック版と各通信キャリアSIMカードとの関係
○は対応しており動作可能、×は未対応で動作不可。SIMフリー版iPhoneでも、au系格安SIMカードが動作しないことに注意したい。

 なお格安SIMカードには、NTTドコモの通信回線を利用するものの他、auの通信回線を利用するケイ・オプティコムの「mineo(マイネオ)」とKDDIバリュ通信ーイネイブラーの「UQ mobile」もある。理由は明らかにされていないが、iOS 8.xのiPhoneではデータ通信は利用できないという(通話とSMSは利用可能)。iOS 7.1.2のiPhone 5sならば利用できるが、iOSをアップデートしてしまうと利用できなくなってしまうし、入手したiPhone 5sがiOS 8.xにバージョンアップ済みの可能性もあるので、auの回線を利用する格安SIMカードの場合、iPhoneが利用できないと考えた方がよいだろう。

 iPhoneの利用に限らないが、このように格安SIMカードによっては、利用できない端末があるので、事前に利用したい格安SIMカードで動作確認が済んでいる端末を確認しておくとよい。

  以下に主な格安SIMの動作確認済みデータ端末一覧へのリンク先を挙げておく。

会社名 ブランド名 動作確認済みデータ端末一覧ページ
NTTコミュニケーションズ OCNモバイルONE
IIJ IIJmio
日本通信 b-mobile
U-NEXT U-mobile
ケイ・オプティコム mineo
KDDIバリューイネイブラー UQ mobile
主な格安SIMカードの動作確認済みデータ端末一覧

 動作確認済みデータ端末一覧を見ると、NTTドコモの回線を利用する格安SIMカードでは、SIMフリー版に加え、NTTドコモ版のiPhoneも利用可能になっているはずだ。一部、データ専用SIMでは通信の確立に時間が掛かるなど、若干の不具合もあるようだが、利用には問題ない(この不具合は、SMSや音声通話対応のサービスを利用すれば改善される)。またAPNの設定に構成プロファイルのインストールが必要になるので、iPhone用の構成プロファイルが提供されていることも確認しておく。

●中古製品(白ロム製品)購入時の注意

 通称「白ロム」と呼ばれる、電話番号が書き込まれていない(SIMカードが付属しない)携帯電話/スマートフォンは、中古携帯電話販売店やオークションなどで入手できる。iPhoneの場合も、多くの販売店などが取り扱っているので比較的入手は容易だ。ただ前述の通り、SIMフリー版かNTTドコモ版しか格安SIMカードでは利用できないので、ソフトバンク版やau版を購入しないように注意しよう。

 価格は、販売店や端末の状態、時期などによって異なってくるので、未使用品でない中古を購入する際は、販売店に状態を確認した方がよい。以下にiPhone 6とiPhone 6 Plusの概算価格をまとめておくが(原稿執筆時点の価格情報)、NTTドコモ版はSIMフリー版に比べて2万円程度安価になっている。安価にiPhoneを利用したいのであれば、中古のNTTドコモ版を入手するのがよいだろう。

機種/モデル SIMフリー版価格 NTTドコモ 白ロム版価格
iPhone 6 16GBモデル 8万6800円 6万5000円
64GBモデル 9万8800円 7万1000円
128GBモデル 11万800円 8万1000円
iPhone 6 Plus 16GBモデル 9万8800円 7万3000円
64GBモデル 11万800円 7万7000円
128GBモデル 12万2800円 8万5000円
iPhone 6/6 Plusの価格
NTTドコモ版白ロムは、原稿執筆時点の中古価格の概算(原稿執筆時点の情報)。中古価格は、販売店や製品の状態などで大きく異なるので、あくまで目安としていただきたい。

 ただ新品と違い、中古製品の購入では、購入した製品が正しく動かないなど(故障があるなど)のリスクがあるので注意する。特にオークションの場合、販売店に比べて比較的安価に入手可能だが、端末代金が未払いの状態だったり、偽造書類などを利用して不正契約されたりした端末が紛れ込んでいるケースもある。このような場合、通信キャリアの利用が制限され、端末の通信できなくなることがある。利用制限が行われているかどうかは、下記のWebページで携帯電話機の固有番号(製造番号)を入力することで確認できるので、購入する前にチェックするとよい。

 NTTドコモによると、一度利用制限が行われた端末は、利用制限の解除を行わないということである。よって中古製品を購入する際は、利用制限に対する保証を行っている販売店などを利用すると、リスクを回避できる。

●構成プロファイルをインストールする

 格安SIMカードでiPhoneを利用する場合、構成プロファイルをインストールする必要がある。構成プロファイルとは、APNなどが書き込まれたXMLファイルで、これをインストールすることで初期設定を簡単に行えるというものだ。

 SIMフリー版、NTTドコモ版のいずれの場合も、iPhoneに格安SIMカード(nano-SIM)を差し、Wi-Fiを設定、インターネットに接続できるようにする。その後、iPhoneのSafariを使って、利用する格安SIMカードサービスの構成プロファイルをダウンロードし、指示に従ってインストールすればよい。これでAPNなどの設定が行われ、LTEでの接続が可能になる。

構成プロファイルのインストール画面
構成プロファイルのインストール画面
IIJmioの場合、構成プロファイルのダウンロードページをSafariで開き、[構成プロファイルをダウンロード]ボタンをクリックする。すると、上の画面が表示されるので、右上の「インストール」をクリックすると、構成プロファイルのインストールが行われ、APNなどの設定が完了する。
  (1)「インストール」をクリックすると、構成プロファイルのインストールが行われる。

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