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SAPジャパン、インメモリDBの最新版「SAP HANA SPS12」を発表データセンタークラスに対応する多様な新機能を追加

SAPジャパンは、「ITのシンプル化」「インサイトの獲得」「イノベーションの実現」を推し進めたSAP HANAプラットフォームの最新版「SAP HANA SPS12」を発表した。

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 SAPジャパンは2016年5月31日、SAP HANAの最新版「SAP HANA SPS12(Support Package Stack 12)」を発表した。

photo 「SAP HANA」について

 HANA SPS12では、同SPS11で掲げた3つのテーマ「ITのシンプル化」「インサイトの獲得」「イノベーションの実現」をさらに拡張。エンタープライズレベルの信頼性とデータセンタークラスに対応する多様な新機能が追加される。ユーザー企業は、クラウドの俊敏性を自社のオンプレミスデータ管理環境で生かし、ミッションクリティカルな業務を安定して処理できるようになり、中小企業(SMB)のデジタル変革も容易になると、SAPは述べている。

 SPS12における3つのテーマと主な新機能は以下の通り。

基幹系システムのための「ITのシンプル化」

 IT部門が実際のワークロードを取得して、ターゲットシステム上で再生できる「キャプチャー&リプレイ」機能が導入される。この機能により、運用中の本番システムに変更を加える前に新しい機能を評価し、アップグレードオプションとその影響を検討できる。

 クラウド対応も拡張され、「Amazon Web Services(AWS)」の新しい「x1」インスタンスを利用して、2TBまでの大規模インメモリシステムの本番運用をサポートする。「Microsoft Azure」では、448GBまでのインスタンスで本番運用をサポートする。

 さらに、最新仮想環境として「VMware vSphere 6.0」をサポートし、128 vCPU、4TBまでのインスタンスでの利用に対応する。

差別化システム「インサイトの獲得」

 オープンソース製品との連携が強化され、ビッグデータインメモリ分散基盤「Apache Spark」の管理ツール「Apache Ambari」との機能統合がさらに進むとともに、SAP HANAのストリーム分析機能「Smart Data Streaming」において、オープンソース分散メッセージ基盤「Apache Kafka」との統合が可能になる。

イノベーションのためのシステム「イノベーションの実現」

 グラフデータの処理が向上し、データ接続の可視化によって、人と場所とモノの間の複雑な関係が把握しやすくなる。これは不正行為の検出など、問題の解決に取り組む場合に役立つ他、市場インテリジェンスを高めて新しいビジネスチャンスの発見につなげることもできるようになるという。

 この他、SAP HANA SPS12では保守ライフサイクルプログラムも拡張され、IT部門は既存のSAP HANA環境を最大3年間継続して利用するか、最新版を年に2回導入するかを選択できる。

 またSAPは、クラウド上のハイブリッドデータ管理機能に直接アクセスし、クラウドをオンプレミス環境の一部のように扱えるサービスも発表した。これは一部の顧客に限定されるβプログラムとされており、まず「キャプチャー&リプレイ」が利用可能になるという。さらに、SAP HANAに分析ソフトウェア「SAP Predictive Analytics」を追加した「Edge Edition」を中堅企業向けに提供開始することも発表した。

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