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「Fintech night in 泉岳寺」イベントレポート:

“試食会”に“旅人制度”――選ばれる金融サービスになるために、マネーフォワードが重視していること

選ばれるサービスになるために、選ばれるエンジニアになるために、必要なことは何だろうか?――「マネーフォワード」「SPIKEペイメント」(スパイクペイメント)の中の人が、チームマネジメントや開発の極意を伝えてくれた。

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 フリーランスエンジニアを支援する「PE-BANK」は、IT業界で話題を集めている“Fintech”について学ぶイベント「Fintech night in 泉岳寺」を、9月16日に開催した。

 今回のイベントでは、マネーフォワード取締役兼Fintech研究所長である瀧俊雄氏が、新しい金融サービスの世界観や「マネーフォワードでは、どのような開発が行われているのか」について語った。また、メタップスグループで手数料無料の決済サービスを提供する「SPIKEペイメント」(スパイクペイメント)のリードエンジニアである松倉友樹氏が、新規事業の立ち上げやFintech関連事業である「SPIKE」におけるチームマネジメントについて技術者目線で紹介した。

“試食会”で、リリース前に問題点を洗い出す

 瀧氏は、Fintechが注目される背景や、それを取り巻く状況を踏まえた上で、「キャッシュレス社会が進んでいく中で、金融機関が選ばれる基準も大きく変わりつつあります。今までのように『ATM・店舗の近さ』ではなく、これからはアプリの便利さや提携サービス、外部サービスが充実していることが、金融機関の重要な選択基準になってきます」と指摘する。


マネーフォワード 取締役兼Fintech研究所長 瀧俊雄氏

 そして、新しい金融サービスに求められる要素として、「顧客との接点の再構築」「UXデザイン」「内製か外製か」の3つを挙げた。

 「顧客との接点の再構築」では、従来のリアルチャネルを見直して、自社アプリや提携アプリ、APIを活用したアプリを顧客接点にして、若年層だけでなく、高齢者も扱える金融サービスを提供する必要があるという。「UXデザイン」では、誰をターゲットに何を提供したいのかを考え、カスタマージャーニーと提供手段を整理することが大切になる。「内製か外製か」については、内製にこだわるのではなく、オープン環境にあるいろいろなアイデアをうまく活用するのがポイントだとしている。

 実際の開発手順については、「Fintechだからといって、開発サイクルが大きく変わるわけではありません。企画・開発・テスト・検証・改善のサイクルを回しています」とのこと。

 「ただ、その中で、Fintechサービスのビジネス成功率を高めるべく、『Customer Development』を重視して開発を進めています。例えば、テストフェーズでは“試食会”として、カスタマーサポート部門がサービスの問題点や不満点を忌憚(きたん)なくぶつける場を提供します。検証フェーズでは、“旅人制度”として、エンジニア部門のスタッフに週に1回カスタマーサポートで働いてもらいます。これによって、市場と顧客を定義し、必要とされるFintechサービスの開発を目指しています」と、マネーフォワードならではの開発へのこだわりを語った。

 この他にも、同社はエンジニアのコミュニケーション促進にも力を注いでおり、ChatWorkやSlack、ESA、Googleドライブなどを積極的に活用し、情報発信や情報共有を行っているという。「エンジニアブログも定期的に書いてもらうようにしています。エンジニアが自ら情報発信することは、開発チームの一体感を高めることができ、外部からの評価にもつながります」との考えを示した。

急成長するサービスを支えるのは、少数精鋭のエンジニア

 続いて松倉氏が、「SPIKEのエンジニアチームマネジメント」をテーマにセッションを行った。「SPIKE」は、決済手数料無料で始められるオンライン販売&支払ツールで、サービス開始から20カ月で登録アカウント20万件を達成し、2016年の年間取扱額は1240億円、登録アカウントは25万件を突破しているという、Fintech界で注目されているサービスだ。


SPIKEペイメント リードエンジニア 松倉友樹氏

 「急成長を続けている『SPIKE』ですが、実は開発を手掛けているのは少人数のエンジニアチームです。マネジメントには攻めと守りがあります。少人数でも効率的に開発を回せるように、『攻めのマネジメント』を意識しています。具体的には、同じスキルセットを持ったエンジニアメンバーが集まって、“メンバー数の累乗”のパフォーマンスを発揮できる体制を整えています」と、マネジメントの定義を説明する。

 新規事業のエンジニアチームにおけるマネジメントの対象としては「ビジネスゴール」「プロダクト」「ヒューマンリソース」の3つを設定。

 「「ビジネスゴール」については、ビジネス側の人間とエンジニアが話し合い、ビジネスゴールの共通意識を確認。それをホワイトボードやドキュメントツールで文字に起こして、目に見えるようにしておくという。「これによって、ビジネス側とエンジニア側の双方で意志決定の土台を固め、チーム全体に浸透させることができます」としている。

 「プロダクト」のマネジメントについては、「現在、『SPIKE』では、弊社エンジニア数名とスポットのデザイナー兼コーダーで構成する開発体制をとっており、スクラムのプラクティスを半分ぐらい導入しています。その中で、少人数であることを生かして、失敗を恐れない開発を進めています。Fintechサービスなのでセキュリティは非常に重要であり、ユニットテストはもちろん、静的解析ソフトウェアを5つぐらい利用したレビューの自動化を行うことで、セキュリティ品質の向上を図っています」と説明する。

 なお、開発ツールとしては、コード系で「GitHub」「Ruby on Rails 4.2」「Ruby 2.3」、インフラ系で「AWS」「Docker」、管理系で「Slack」「Pivotal Tracker」「Confluence」「Zendesk」などを活用していることを初めて明かした。

 「ヒューマンリソース」のマネジメントでは、自律して動けるエンジニアの育成に力を注いでいるとのこと。

 「具体的には、ビジネスの要望定義を基にリリース、運用まで行えるようになることです。例えば、スキルレーダーチャートでいえば、全ての平均点が3点以上あり、技術力とコミットメントを兼ね備えているエンジニアが基本です。1人で何でもこなせることによって、他のメンバーのリソースを確保し、仕事を依頼、検収するコストをできるだけなくします。エンジニア個人の成長はチームの成長につながり、チームの成長は会社自体の成長につながると考えています」

 エンジニア個人のパフォーマンスを上げるためのマネジメント手法としては、「どんな人になりたいか、1年に1回、人生の目的を明確化しています。エンジニアに、価値観やミッション、役割、具体的な目標を示し、そのためのステップと実施期限を紙に書いてもらうことで、目標達成に向けたパフォーマンス向上を図っています」としている。

 「エンジニアには、自分のパフォーマンスを高め、人生の目標を達成するために、どんどん本を読んでほしい。本への投資は、すぐに回収できるので、惜しまないでほしい」とアドバイスしていた。

次回イベント


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提供:株式会社PE-BANK
アイティメディア営業企画/制作:@IT自分戦略研究所 編集部/掲載内容有効期限:2016年11月6日

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