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SAP、インメモリデータプラットフォームの最新版「SAP HANA 2」をリリース無償版「express edition」も近日公開

SAPジャパンがインメモリデータベースの最新版「SAP HANA 2」を発表。可用性/データ分析、アプリケーション開発などの機能を強化した。また、無償版の「express edition」も、近日中の提供を予定する。

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 SAPジャパンは2016年12月8日、インメモリデータプラットフォームの最新版「SAP HANA 2」の提供を開始すると発表した。6年ぶりのメジャーバージョンアップとなる。今後は、これまでと同様に新機能をサポートパッケージとして年2回のペースで提供する。併せて、開発者向けの無償版「express edition」も、近日中に提供することを明らかにした。

 SAP HANA 2では、データベースの高可用性やデータ分析、アプリケーション開発などの機能を強化した。まず、データベースの高可用性に関しては、アクティブ/アクティブ構成を可能とした。従来は障害発生時のために待機させていたセカンダリーシステムを、読み込み処理に活用することで効率を高める仕組み。全体のワークロード軽減に寄与し、運用効率性が改善されるとしている。

 データ分析については、企業モデリングやデータ統合、データ品質、階層ストレージを拡張して、保管場所を問わずデータを利用できるようにした。分析インテリジェンス機能も強化し、テキストデータや地理空間情報データ、グラフデータ、ストリーミングデータの分析処理エンジンを拡張した。分類や相関性、時系列、回帰のためのアルゴリズムを予測分析ライブラリに追加しており、独自開発のアプリケーションに機械学習機能を組み込める。

 アプリケーション開発については、アプリケーションサーバや開発ツール、開発言語のための機能が拡張された。開発言語に関しては、サードパーティーのビルドパックやランタイムが活用できるようになり、それらをアプリケーションサーバ「SAP HANA extended application services, Advanced Model」で利用できる。ファイル処理API(Application Programming Interface)も新たに備え、テキストやメタデータを文書から高度に抽出する処理が可能となった。

 SAP HANAを利用したインメモリ型アプリケーション開発の理解促進やテスト環境の提供を目的とする開発者向けエディション「express edition」も用意する。express editionは、アプリケーションの使えるメモリ領域は32GBまでに制限されるが、無償で利用できる。SUSE Linux Enterprise Server、Red Hat Enterprise Linuxなどに対応し、オフライン環境でも稼働できる。express editionのバイナリインストーラ/仮想イメージは、SAP Developerサイトで公開される予定。

 クラウドに関するサービスも拡張される。SAP HANAを基盤とするクラウドベースのマイクロサービスを利用することで、分析インサイトを取り込みながらアプリケーションの拡張を図れるという。

 この他、以下のクラウド向けSAP HANAの新サービスも提供する。

 「Text Analysis Entity Extraction」「Text Analysis Fact Extraction」「Text Analysis Linguistic Analysis」は、クラウドでテキストデータ処理機能を利用できるようにするサービス。高度な自然言語処理が可能となる。

 「Earth Observation Analysis service」は、欧州宇宙機関(ESA)の衛星データにアクセスし、「SAP HANA, Spatial Edition」を使用してクラウドで空間処理を実行するサービス。ESAと共同開発し、Open Geospatial Consortium(OGC)のEO-WCS標準に基づくマイクロサービスとなっている。植生や水、土壌などの現在、過去、未来の情報をリアルタイムで提供するという。2016年12月現在、β版として提供している。

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