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IBM Watson Summit 2017:

AI/コグニティブでビジネスを変革する開発者となるためには何が必要なのか (1/2)

日本IBMは2017年4月27、28日、「IBM Watson Summit 2017」を開催。27日のセッション「コグニティブ・ビジネスの先駆者たる次世代のデベロッパー」では、最新のIBM クラウドやWatsonを活用したビジネス開発、スキル開発、スキルエリアの変化などを、実例を交えて紹介した。

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 昨今のAI(人工知能)の流行に伴い、「AIを活用して何かをしたい」という案件に直面している開発者も少なくないだろう。では、AIを活用したビジネス開発とは具体的にどのようなものか。AIを使った開発において必要になるスキルとは、どのようなものか。どのように身に付けていけばいいのだろうか。

 本稿では、日本アイ・ビー・エム(日本IBM)が「IBM Watson Summit 2017」内で27日に行ったセッション「【Keynote】コグニティブ・ビジネスの先駆者たる次世代のデベロッパー」の内容から、これらのヒントを探る。

 このセッションでは、IBM Chief Developer Advocacyのウィリー・テハダ氏がナビゲーターとなり、「コグニティブ時代をリードする次世代デベロッパー」として、メトロエンジン、ジェナ、MHI情報システムズの3社を迎え、最新のIBM クラウドやWatsonを活用した、スキル開発、スキルエリアの変化などを、実例を交えて紹介した。


IBM Chief Developer Advocacy ウィリー・テハダ氏

AI/コグニティブ時代の開発者に求められる3つのスキルセット

 テハダ氏は、まず、コグニティブコンピューティングの必要性が高まっている背景について、「爆発的な情報量の増大」を挙げ、次のように指摘した。「2015年の時点で、既に2.5E(エクサ)Bもの情報が毎日作り出されていた。これは、『ハリーポッター』の6500億冊分に相当する情報量だ。しかも、この情報のほとんどが、イメージやメディアなどの非構造化データで占められている。こうした情報から知見を得るためには、コグニティブなシステムが必要不可欠になる」

 コグニティブ時代は、既存のITシステムに加え、「意志決定支援システム」という新たなビジネスチャンスをもたらす。テハダ氏は「膨大なデータを収集、分析し、経営層の意志決定を支援するコグニティブコンピューティングへの投資は、従来のITシステムへの投資を上回るものになる」と予測。これは業種・業界にかかわらず、スタートアップからSIer、ISV(独立系ソフトウェアベンダー)まで、あらゆるIT関連企業にとって大きなビジネスチャンスになるという。

 テハダ氏は、このビジネスチャンスをつかむために開発者に求められるスキルセットとして、「クラウドネイティブ」「データサイエンティスト」「専門知識」の3つを挙げる。「コグニティブの時代に向けては、まず、クラウドネイティブの開発スキルを身に付けることが必要になる。そして、「データをAIの燃料にする」ために、データサイエンティストとしての要素を兼ね備えることも重要だ。さらに、「各事業ドメインにおける専門知識を持つことで、次世代のコグニティブディベロッパーとして、新たな時代を切り開いていけるだろう」と提言した。

AIで、ホテルや旅館の最適な客室単価設定


メトロエンジン 代表取締役社長の田中良介氏

 そして、コグニティブ時代をリードする次世代デベロッパーとして、テハダ氏が最初に紹介したのが、メトロエンジン 代表取締役社長の田中良介氏だ。

 メトロエンジンは、Watsonを活用し、ホテル・旅館の最適な客室単価設定を行うレベニューマネジメントツールを提供している。

 「従来のレベニューマネジメントツールは、過去の実績や競合状況に基づいて客室単価を設定するものがほとんどで、その客室単価が最適な価格であったかどうかを検証するのは不可能だった。また、こうしたツールを使っていないホテル・旅館では、推測や勘を頼りに客室単価を設定するしかなく、機会損失につながっているのが実情だ」(田中氏)

 これに対してメトロエンジンでは、宿泊客の「予約行動」を徹底的に分析し、リアルタイムのビッグデータから機械学習技術を用いて客室単価の設定を行うという。具体的には、宿泊客の「予約行動」に関わる情報として、「競合宿泊施設の客室単価」「レビュー数」「部屋の写真」「民泊の物件情報」の4つのデータを毎日収集。これらのリアルタイムデータに基づき、Watsonによる分析を行い、適切な客室単価を算出する。さらに、これで終わりではなく、「その客室単価でどのくらい予約が入ったのか」をチェックし、算出した客室単価が適正か否かを機械学習により繰り返し検証していくことで、収益の最大化までをサポートする。


メトロエンジンの価格算出方法

 Watsonを用いた客室単価の分析手法はどうなっているのだろうか。レビューデータに関しては、Watson Discovery APIを活用し、レビューがどんな内容なのかを判断する。写真については、Watson Visual Recognitionを活用し、写真の画像解析を行う。そして、レビュー情報と写真分析を掛け合わせることで、客室単価の設定に新たな付加価値を提供する。「例えば、レビューで清潔感が高いと評価された上位50施設について、部屋の写真を分析したところ、『写真の中にあるベッドシーツの色が白いと清潔感が高い』という相関性が明らかになった」(田中氏)

 テハダ氏から、Watsonを活用したメリットについて問われると、田中氏は次のように回答した。「レベニューマネジメントツールにAIを採用するに当たり、難しい点もあったが、Watsonではサポートシステムを使って24時間以内に問い合わせへの回答をもらうことができた。こうしたサポートの支えもあって、AIを活用したレベニューマネジメントツールを実現できた」

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