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IT部門が2010年ごろからコスト削減策とした「サーバ仮想化」。その導入後の課題とは? 解決のための現実解とは?

運用管理者がサーバ仮想化の課題を解決し、デジタル変革を支えるITインフラを構築するにはどうすればいいのだろうか――本稿では、@ITが2017年初頭に行った読者調査「Techno Graphics 2017 システム運用編」のデータを基に、真に運用管理者の悩みを解決するITインフラの要件を探る。

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 デジタル変革のトレンドが国内でも進展し、社外向け/社内向け問わず、ITサービスを開発、改善するスピードがビジネスにおける差別化の一大要件となりつつある。これに伴い、ITインフラの運用管理者には、開発者や事業部門を支援すべく、ITサービスを安定運用したり、要望に応じて仮想サーバやストレージなどのITリソースを迅速に配備したりするサービスブローカーとしての役割が求められている。

 だが現実には、運用効率化やコスト削減を狙ってサーバ仮想化を導入しているものの、「障害原因の特定に時間がかかる」「求めるパフォーマンスを担保できない」など、いまだに運用管理に手間取っているケースが多い。その他、運用管理ノウハウの属人化、人的リソース・スキル不足など、「リクエストに迅速に応える」以前に、多くの課題を抱えている状況だ。

 こうした中、さまざまなサーバ仮想化の課題を解決し、デジタル変革を支えるITインフラを構築するにはどうすればいいのだろうか――本稿では、@ITが2017年初頭に行った読者調査「Techno Graphics 2017 システム運用編」のデータを基に、真に運用管理者の悩みを解決するITインフラの要件を探る。

情シス部門、保守/運用部門が、2010年ごろから「コスト削減」策としたサーバ仮想化導入後の課題

 「Techno Graphics 2017 システム運用編」に回答いただいた方の属性は、情シス部門、保守/運用部門併せて50%を超える。いわゆるIT部門が大半だ。

 IT部門が最も強く求められているのは「コスト削減」で26.5%。その他、運用プロセス標準化、セキュリティなど、守りの施策が過半数となっている。一方で、「事業部門への利益貢献度」という攻めの施策は14.4%というのが現状だ。


【Q1】あなたが所属する部門で、現在最も重視しているアクションは何ですか?(単一回答・必須)

 コスト削減策として、2010年ごろから仮想化によるサーバ統合が進んだが、それもうまくいっていない企業は少なくない。しかも「仮想化は当たり前」などといわれているが、実は導入企業はまだ6割。現実には「当たり前」ではない。


【Q2】あなたの関わっているシステムにおける、サーバ仮想化の導入状況をお教えください。(単一回答・必須)

 サーバ仮想化導入後の課題は、障害時の原因特定、パフォーマンス、バックアップと続く。この傾向も2010年以降さほど変わらない。


【Q3】サーバ仮想化導入後の課題を、いくつでもお選びください(必須・複数回答可)

 この主な原因は、スタッフのスキル・リソース不足といえるだろう。読者調査では、「あなたがシステム運用業務で悩んでいる課題がありましたら具体的にお聞かせください」という質問を行っており、例えば、下記のような自由回答を得ている。

【Q4】「あなたがシステム運用業務で悩んでいる課題がありましたら具体的にお聞かせください(自由回答)」から抜粋

  • そもそも予算が少ない
  • ITサービスを使用した経営企画がそもそも十分でない
  • 運用作業者のコスト(人件費)
  • 上層部からはコスト削減要望ばかりで、最低限必要な経費として認識してもらえないため、新しいシステムや既存システムの更新に費用がかけられない
  • 全社レベルでのコスト削減・効率化
  • 無知な人間がやみくもに予算をカットする
  • 要求の高度化と比較して低予算
  • 人が足りない
  • 作業が属人化している
  • 業務に精通した技術者不足
  • 知識不足
  • もう運用しなくていいシステムを作りたい

 目先のコストをどう減らすか、目の前の業務をどうこなすかで精いっぱいという現状だ。しかもライセンスコストや運用コストは減らせないので、どうしても人件費にしわ寄せが来てしまう。結果、人不足になりやすい。人も知識・スキルも、予算も足りない、という余裕がない現場の実態がよく分かる。

“攻め”にも注目しつつも、オンプレミス(物理)のシステムを担当しているIT部門のジレンマ

 一方で、パブリッククラウドなどの導入を検討し“攻め”に転じようとしているが、オンプレミス(物理)のシステムのコスト削減という“守り”の施策に追われて「変われない」実態がある。

 【Q5】のように、現在、オンプレミス(物理)のシステムを担当しているという回答が約8割の中で、


【Q5】あなたが担当するシステムはどこにありますか?(必須・複数回答可)

【Q6】のようにハイブリッドクラウド(オンプレミス+パブリッククラウド)、パブリッククラウドに注目/導入検討をしているのが3割弱。プライベートクラウドは約2割、HCI(ハイパーコンバージドインフラ)は13.2%とあり、“攻め”に転じようとしている兆候だといえるだろう。


【Q6】システム運用管理に関するトピックス/キーワードの中で、現在あなたが注目しているもの/今後導入を予定・検討しているものがあれば、幾つでもお選びください(必須・複数回答可)

“攻め”に転じるには、バプリッククラウドライクなインフラをオンプレで実現することが鍵

 “攻め”に転じるためには、定型作業に忙殺されない、スキルやリソースの制約に縛られないように、運用を極力、シンプルにすることを考える必要がある。各種運用作業が自動化されているITリソースを簡単にリクエストでき、求めたリソースは自動的に、迅速に提供されるパブリッククラウドのようなサービス提供が理想だ。

 では、パブリッククラウドに全面的に頼れば、解決するのかといえば、そうとも限らない。「クラウドサービス事業者による情報漏えいなどセキュリティの不安」が5割を超え、「ランニングコストが高い」「サービスの可用性への不安」「トラブルに自社で対応できない不安」という課題が続く。


【Q7】パブリッククラウドサービスを利用するに当たっての課題を、幾つでもお選びください(必須・複数回答可)

 他にも「ネットワーク回線の増強が必要」「カスタマイズの自由度が低い」「既存システムとクラウドを合わせた統合管理が難しい」などの課題もあり、【Q5】のようにオンプレミス(物理)が8割という現状もうなずける。

 では、パブリッククラウドの利便性を、オンプレミスで実現するにはどうすればよいのだろうか?

バプリッククラウドライクなインフラをオンプレミスで実現するのがHCI

 その現実解といえるのがHCI(ハイパーコンバージドインフラ)だ。HCIは「低予算でスモールスタートして必要に応じて拡張できる」「単一の管理ツールでインフラをシンプルに管理できる」「仮想サーバなどITリソースを迅速に配備できる」など、“パブリッククラウドライクなインフラ”をコスト効率良く導入できるという特長を持つ。

 つまり、ここまで紹介してきたサーバ仮想化導入後の課題【Q3】やパブリッククラウドの課題【Q7】を大幅に解決できる可能性を備えている。【Q6】にあった「仮想デスクトップ」や拠点ごとのシステム統合にも役立つ。実際、うまくいかなかったサーバ仮想化環境のシステム更改時期に合わせて、入れ変えるというケースも多い。

多くのHCIが持つ課題

 一方で、HCIならサーバ仮想化導入後の課題【Q3】を全て解決できるというわけではない。

  • 【多くのHCIが持つ課題1】ネットワークの設定や性能

 例えば、【Q3】に「仮想環境のネットワーク管理」という課題が挙げられているが、多くのHCIでは、ネットワークについては別途設定が必要となるため、初期設定にコストがかかる。

 そもそもHCIでは、ストレージI/Oトラフィックがノード間をまたがるため、ネットワーク性能が重要になる。多くのHCIでは、【Q3】の課題「システムのパフォーマンス」を解決するのは難しいといえるだろう。

  • 【多くのHCIが持つ課題2】ソフトウェアストレージの機能

 多くのHCIでは、専用ストレージの機能には、まだ一歩及ばない場合もある。専用ストレージ装置の代わりに、サーバ内蔵のSSDやHDDを記憶媒体として用い、ストレージソフトウェアを動かすためだ。

 重複排除/データ圧縮、スナップショット、リモートコピーなど各種データ管理機能の有無が、HCI全体のコスト効率および用途を左右することになるだろう。例えば【Q3】の「仮想環境のバックアップ」という課題を解決するには、難しい部分も残るはずだ。

多くのHCIが持つ課題を解決するHyperFlex

 Cisco Systemsが提供するHCI、インテル® Xeon®プロセッサを搭載した「Cisco HyperFlex」(以下、HyperFlex)は上記【多くのHCIが持つ課題1、2】を解決するための現実解といえるだろう。

 HyperFlexは、同じくインテル® Xeon®プロセッサを搭載した「Cisco Unified Computing System」(以下、Cisco UCS)のプラットフォームをベースにしてシステムが構築されている。サーバ製品の「Cisco UCSサーバ」に加えて「ファブリックインターコネクト」によるソフトウェア定義型ネットワーキング(SDN)、Cisco HyperFlex HX Data Platform(以下、HXデータプラットフォーム)による、ソフトウェア定義型ストレージ(SDS)により、柔軟な構成を取ることができるのが大きな特長だ。HXデータプラットフォームは、ハイパーバイザーとしては「VMware vSphere」環境で動作する。


Cisco HyperFlexの構成

 VMware環境で統一的、集約的に管理した場合、VMware vCenterのプラグインを利用して、VMware vCenterから統合的に管理することも可能だ。一方で、HyperFlexはハイパーバイザーに依存せず、従来の製品を研究して操作性を高めた無償の運用管理ツール「Cisco HyperFlex Connect」が2017年7月中旬から提供される予定である。

【多くのHCIが持つ課題1】→ネットワークを統合済みのCisco UCSがベース

 ネットワークの設定に関して言うと、まずCisco UCSではネットワークを統合済みだ。単一の接続を論理的に分割できるため、ネットワークケーブル配線はシンプル。ネットワーク関連設定はサーバ設定と同一の仕組みで一括して行え、設定変更も柔軟に行える。というより、大部分のネットワーク関連設定が済んだ状態で届くので、ラッキング、ケーブリング、起動というレベルで個別設定は必要なく、初期導入作業でやらなければならないことは少ない。

 ネットワークを含む、サーバ、ストレージの全ての構成要素に関する設定は、Cisco UCSの「サービスプロファイル」という集中設定の仕組みにより、各サーバのハードウェア設定を一括して設定ファイルで行える。HyperFlexでは、事前設定されたサービスプロファイルを適用しさえすれば、後は仮想化クラスタやデータストアの設定を済ませるだけで、仮想化環境を運用開始できる。

 またCisco UCS Managerによって、ファブリックインターコネクトに接続されるCisco UCSサーバのリソースや稼働状況を最大160台まで一元管理できる。各サーバのネットワーク接続を最大256まで論理的に分割し、制御できる「バーチャルインターフェースカード」とサービスプロファイルにより、サーバとネットワークの運用を根本的に変革したといえるだろう。サーバを追加する場合も、人手はほとんどかからず、最適なネットワークを瞬時に構成できる。

 次にネットワークの性能だ。HyperFlexはネットワークのセグメント化やトラフィックシェーピングで安定した低遅延を実現している。加えて2017年3月には、40Gbpsイーサネットインタフェースに対応し、より大規模な環境にも対応しやすくなったのも見逃せない。加えて、仮想マシンのライブマイグレーション(vMotion)時にもデータは移動しないため、ネットワーク負荷を大幅に低減できる。

 【Q3】のネットワークに関する課題の解決に加えて、【Q6】にあったソリューションは全て、ネットワークが全体的な性能を左右するので、HyperFlexが有効なのはいうまでもない。

【多くのHCIが持つ課題2】→HXデータプラットフォーム、オールフラッシュノード

 ソフトウェアストレージの機能については、まずHXデータプラットフォームに触れておきたい。

 HXデータプラットフォームは、ユニークな完全分散型アーキテクチャを備えていて、HyperFlexを構成する全サーバのHDD/SSDにデータを分散配置して、安定した高い性能を発揮する。データの書き込み時にデータをストライプ(分割)し、全てのHyperFlexノードに分散して書き込みする。その上で、SSDによるキャッシュを実行する。リソース消費を平準化することにより、パフォーマンス管理を非常に楽なものにしている。

 また、インラインの重複排除/データ圧縮機能、高速なクローン、シンプロビジョニング、スナップショットといったエンタープライズクラスのニーズにも十分対応できる高度なストレージ機能を備えている。

 データの可用性や復元性にも優れている。サーバの障害が発生しても他のサーバで即座に代替し、復旧できる自動化機能が提供されているため、運用担当者が複雑な作業を行う必要性は皆無だ。

 ノードの追加によるクラスタの拡張時や、障害ノードを新しいノードと交換する際には、Cisco UCS Managerのサービスプロファイル機能を活用することで、抽象化されたハードウェア設定情報をそのまま引き継いでノード交換を行える。障害ノードを交換した後は、リバランス機能によって自動的にデータが再配置される。

 加えて2017年3月には、「オールフラッシュノード」が提供開始された。オールフラッシュノードでは、SSD/HDDのハイブリッドノードに比べ、IOPSで6倍、レイテンシで5分の1の向上が見られているという。HyperFlexにおける重複排除およびデータ圧縮の機能は、オールフラッシュでも可能だ。HyperFlexのストレージ機能はもともとオールフラッシュ構成を念頭に置いたアーキテクチャであり、分散書き込みや重複排除、データ圧縮などは、フラッシュの利用寿命を延ばす効果もある。

 このように、HyperFlexなら、ネットワークを含めたシステム全体の管理課題の多くを解決できるだろう。

デジタル変革に向けて考え方を変えるきっかけにHyperFlex。小規模向けの構成もある

 デジタルビジネスが進展していくと、「パブリッククラウド上でサービスを試験的にスモールスタートして、軌道に乗ってきたらオンプレミスに移して本格展開する」など目的に応じたインフラの使い分けが今後ますます重要になっていく。つまりハイブリッド環境や、複数のパブリッククラウドを使い分けるマルチクラウド環境が、効率的・合理的なビジネス展開の上で必須になってくる。

 そうなれば、オンプレミスもパブリッククラウドと同等の機能性を持つインフラであることが、スムーズな連携の条件になる。インフラを移行するためにはアプリに改修が必要とか、運用の仕方や手間が変わる、といったことは避けなければならない。

 パブリッククラウドライクなインフラを簡単に用意できるHyperFlexは、そうした今後のステップアップを考えても有効だろう。

 HyperFlexを導入するきっかけは何でも良い。しかし、今後生き残っていくのは、確実に「攻めの観点」を持っている企業だ。これまでと同じことをしていれば、ディスラプターに脅かされる潮流にあることは間違いない。“攻め”に転じようとしているIT部門の方は「進化したHCIであるHyperFlexを、考え方を切り変えるきっかけにしてみては」と経営層にも伝えてみてほしい。

 なおHyperFlexには、リモートオフィス/ブランチオフィス(ROBO)環境およびエッジ環境に導入しやすい「HyperFlex Edge」もある。通常のHyperFlexと異なり、ファブリックインターコネクトの代わりに従来のスイッチ製品(Nexus 9000、7000、5000シリーズや、Catalystシリーズ、他社ベンダーのスイッチなど)による既存のネットワークを利用しつつも、1Gbpsのネットワーク内でHCIの自動化の利点を得ることが可能だ。大企業でも全拠点の運用標準化に挑戦してみてはいかがだろうか。

 最新の詳しい情報は、下記、シスコシステムズのサイトにアクセスして確認いただきたい。


提供:シスコシステムズ合同会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2017年8月6日

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