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教えて! キラキラお兄さん「インターンで実績は作れますか?」プロエンジニアインタビュー(6)(2/4 ページ)

インターンはエンジニアの「虎の穴」なのか――「Gunosy」の共同創業者 関喜史さんに聞いてみた。

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夏休みに同級生3人で作ったサービスで起業

 グノシーの原型を作ったのは2011年の夏のことだ。修士1年の夏休みの最中だった。「何か面白いものを作ろう」と思ったからだ。同級生の中で、コードを書くメンバーが集まった。中心人物は福島良典氏(現、代表取締役 最高経営責任者 CEO)、そこに関さん、吉田宏司氏(現、執行役員 開発本部 開発本部長)が加わった。

 グノシーを発想した時点で念頭にあったのは、RSSリーダーだった。当時は「1日300件のRSSフィードを効率よく見るにはこのツールを使おう」といったライフハックが一部で流行していた。しかし3人は「それは非人間的だ」と思った。「読みたいニュースを機械に選んでもらったらどうか」と考え、RSSリーダーより便利なニュース収集のツールを作ろうと思った。

 3人が作った初期のグノシーは、TwitterやFacebookのようなソーシャルメディアの内容を見て「そのユーザーにとって興味がありそうなニュース」をカスタマイズして推薦してくれるサービスだった。大学院での研究テーマだった自然言語処理、Webサイエンス、機械学習の要素が入っていた。

 この時期、学生が起業することを称揚するようなムードがあった。だが、関さんたちは学生ベンチャーや起業ブームに対して、斜に構えているところがあったそうだ。

 「僕らはひねくれ者で。サービスもないのに起業するのはナンセンスだと思っていた」

 Gunosyは、会社設立の前に既に「もの」(プロダクト)があった。自腹でサーバ代を出し、大学の研究室や教室でコードを書いていた。

 今でも「プロダクトがない段階での学生起業は、あまりよくない」と関さんは考えている。プロダクトを作るスキルがなければ、まずインターンで腕を磨く手もある。学生であれば自由時間が作りやすく、友人を見つけやすく、大学の設備も使える。学生ならではの特権的な立場を生かしてプロダクトを作ることに集中した方がいいという考え方だ。

 とはいえ、自分たちが選んだプロダクトファースト(まずプロダクトありき)の考え方には「つらい部分がある」とも話す。ビジネスとして成立させていくプロセスでは、当初の考え方を否定しないといけない局面が出てくるからだ。

 グノシーも初期はニュースを推薦してカスタマイズするサービスだったが、閲覧しやすい情報キュレーションサービスへと大きく方向転換した時期がある。「自分がやっていること、自分が本当に作りたかったものを否定されるプロセスは本当につらい」と関さんは話す。

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