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デジタルトランスフォーメーションを加速する新しいモバイル向けシステム開発への挑戦みずほ銀行、日本マイクロソフト、クリナップ、アイセイ薬局、鉄道

デジタルトランスフォーメーションへの流れが加速する中、多くの企業がモバイルデバイスの業務活用に本格的に取り組み始めている。しかしモバイル向けシステム開発には、従来のPC向けシステム開発とは異なるアプローチが必要であり、開発にかかる工数・コストの増大、現場のニーズとのミスマッチングなど、頭を悩ませている企業は少なくない。そこで本稿では、モバイル向けシステム開発で100社700超のプロジェクト実績を持ち、幅広い業種・業界のモバイル活用を支援してきたJMASに、モバイル向けシステム開発成功の秘訣(ひけつ)を聞いた。

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【編集長】内野の視点

スマートフォンやタブレットなど、モバイルが企業に深く浸透し、業務効率化や働き方改革に生かす動きが最近高まっています。ただ、真に役立つモバイル向けシステムを開発する上では、いかに現場のビジネスニーズに寄り添えるかが大きなポイントになります。そのためには、現場のビジネスニーズを深く理解することはもちろんですが、日々移り変わるニーズの変化に対応する開発のスピードや柔軟性が不可欠となります。

しかし周知の通り、モバイル向けシステム開発にはマルチデバイス、マルチプラットフォームにいかに効率良く対応するか、という課題があります。ましてや、自社内に内製組織を持たず、外部のSIerなどにモバイル向けシステム開発を発注している場合、ビジネス理解と開発効率の課題はそのままコストとなって跳ね返ってきます。働き方改革などを目指す多くの企業が頭を悩ませがちなこの課題について、ジェーエムエーシステムズ(以下、JMAS)はどのような解を提示してくれるのでしょうか。インタビューを通じて、多くの企業や開発現場に役立つ普遍的なポイントを探ります。

 デジタルトランスフォーメーション()への流れが加速する中、多くの企業がモバイルデバイスの業務活用に本格的に取り組み始めている。今や、業務効率化のためにモバイルデバイスを利用するのは当たり前。そこから一歩進んで、働き方改革や競争力向上、そしてビジネス成長へとつながる新たな価値を生み出すことが求められているのである。

デジタルトランスフォーメーション:企業が、クラウド、ビッグデータ、モバイルなどを活用し、ビジネス/サービスをデジタル化して、新たな価値を創出し、競争上の優位性を確立すること。IoT(Internet of Things)や、FinTechに代表されるX-Techも含まれる。

 しかし、ここで課題になってくるのがモバイル向けのシステム開発だ。従来のPC向けシステム開発とは異なるアプローチが必要であり、開発にかかる工数・コストの増大、現場のニーズとのミスマッチングなど、モバイル向けシステム開発に頭を悩ませている企業は少なくない。そこで今回、モバイル向けシステム開発で100社700超のプロジェクト実績を持ち、幅広い業種・業界のモバイル活用を支援してきたJMASに、モバイル向けシステム開発成功の秘訣(ひけつ)を聞いた。

「紙の置き換え」から「業務改革」「働き方改革」へと変わってきたモバイル活用


ジェーエムエーシステムズ モバイルソリューション部 テクニカルグループ 統括マネジャー 吉川利彦氏

 JMASは、企業でのモバイル活用が始まった2010年から、いち早くモバイル向けのシステム開発事業を手掛けてきた。その当時は、「今まで紙で行っていた業務を、モバイルデバイスを使って効率化したい」というニーズがほとんどだったという。「しかし、ここ数年で企業の意識は大きく変わりつつあり、モバイル活用によって業務改革や働き方改革を目指すニーズが高まってきている」と指摘するのは、JMAS モバイルソリューション部 テクニカルグループ 統括マネジャーの吉川利彦氏。

 こうした企業におけるモバイル活用ニーズの変化に対応するべく、同社では、一歩先のエンタープライズモバイル活用を実現する開発アプローチとして“Fail fast - Success fast(早期の失敗が、早期の成功につながる)”を提唱。2016年12月にはホワイトペーパーを公開している。

 このアプローチは、モバイルデバイスやモバイルアプリそのものを、ある種の“思考ツール”として捉え、速いサイクルで試行錯誤を繰り返すことで、各企業のニーズに最適なモバイル活用の在り方を検討していくというもの。

 従来の開発手法では、今作っているモバイルアプリが本当にビジネス価値を生むものになるのか、確証がないまま開発を進めていくことになる。そのため、アプリが完成した後に、思っていたものとは違っていたり、現場とのミスマッチが発生したりするなど、大きな失敗につながるリスクがあった。

 「そこで当社では、いきなり完成品を目指すのではなく、まずは必要最低限の機能で素早くアプリを作り、実際にユーザーに使ってもらい、その有効性を検証しながらアプリを改修していく。このサイクルを繰り返すことで、業務改革につながるアプリを確実かつ早期に開発できる」(JMAS 事業企画部 部長代理の中居郁氏)

 同社による実践例では、モバイル向けシステム開発の要件をヒアリングしてから、約1カ月というスピードでモバイルアプリをリリース。そして、現場のユーザーが実際にアプリを使いながら、さまざまな意見や要望を反映してブラッシュアップしていった結果、業務改善効果の高いモバイル向けシステム開発に成功したという。

モバイル向けシステム開発はクラウドの活用が不可欠

 モバイル向けシステム開発では、フロントエンドのモバイルアプリに注目が集まりがちだが、モバイルアプリはあくまでもユーザーインタフェースであり、連携するバックエンドシステムも同じスピードで構築することは必要不可欠だ。それには、既存の業務システムの早期理解と柔軟なクラウド活用が必要となる。

 この点、JMASでは、フロントエンドのアプリ開発からバックエンド連携、さらにはクラウド環境の構築まで、モバイル向けシステム開発のプロセスをオールインワンでカバーできるという。

 JMASは、もともと金融系のシステム開発をしてきた会社だ。バックエンドに関しては高い技術力とノウハウを持っている。そして、この実績をベースに、早い時期からモバイル向けシステム開発に着手。フロントエンドのアプリ開発においても、さまざまなノウハウを蓄積してきた。企業の業務システムを理解した上で、現場のニーズに最適なモバイル向けシステム開発を提案できるのが、JMASの大きな強みとなっている。


ジェーエムエーシステムズ 事業企画部 部長代理 中居郁氏

 クラウドの活用についても、JMASでは、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、IBM Bluemixなどマルチベンダーで対応できる。顧客企業のニーズに応じて柔軟に対応可能で、各ベンダーとのパートナーシップにより最新機能に基づいた提案が行える体制を整えているという。

 「各社のクラウドプラットフォームには、それぞれ特徴があるため、顧客のシステム環境や要望に合わせて、最適なものを使い分けている。最近では、これらのクラウドプラットフォームを複数組み合わせて、1つのモバイル向けシステムを構築するケースも出てきている」(中居氏)。

クロスプラットフォーム開発の長所・短所を踏まえて提案できる開発力

 また同社は、モバイル向けシステム開発において、ネイティブ言語による開発だけではなく、XamarinやMonacaによるクロスプラットフォーム開発に対応しているのも見逃せない。

 クロスプラットフォーム開発のメリットについて、JMAS 事業企画部 事業企画グループ プロダクトスペシャリスト 川合俊介氏は次のように述べる。


ジェーエムエーシステムズ 事業企画部 事業企画グループ プロダクトスペシャリスト 川合俊介氏

 「従来のモバイル向けシステム開発では、iOS、Android、Windowsとプラットフォームが異なるモバイルデバイスに向けて、個別にソースコードを作る必要があり、多大な開発工数がかかっていた。これに対して、クロスプラットフォーム開発では、あらかじめ共通部分のソースコードをワンソースで作っておき、ニーズに応じて各プラットフォームに合わせてカスタマイズしてアプリを開発する。これによって、開発スピードを大幅に向上し、開発コストを削減できる」

 また、「クロスプラットフォーム開発は、ワンソースで対応できる部分に限りがあり、アプリ開発後の保守対応やデバッグに結局工数がかかるのではないか」という不安の声もある。川合氏は、その不安を払拭する。

 「現在は、クロスプラットフォーム開発の方が保守対応の工数を抑えられるといえるだろう。開発ツール側の成熟も進んでおり、ワンソース化の精度もかなり上がっており、共通部分の保守時のソースコード改修が最小限で済むからだ。それに加え、クロスプラットフォーム開発ツール側が、各OSのバージョンアップにもすぐに対応するので、保守コストを抑えることができる」

みずほ銀行、クリナップ、アイセイ薬局、日本マイクロソフト――JMASのモバイル向けシステム開発事例

 ここで、JMASがこれまで手掛けてきた100社700超のモバイル向けシステム開発実績の中から、代表的な事例を紹介しよう。

 クロスプラットフォーム開発の事例では、日本マイクロソフトが2016年9月に開催した「Microsoft Foresight」で使われたイベントアプリを開発。「開発環境としてXamarin.Formsを利用し、8〜9割のソースコードをプラットフォーム間で共通化することで、従来に比べて、約半分の開発期間でクロスプラットフォーム対応のモバイルアプリをリリースした。このアプリは、2016年11月と2017年5月に行われた日本マイクロソフトのイベントでも利用されている。アプリの機能は、要望に応じて順次拡張しており、最近のイベントでは、ビーコンを活用したスタンプラリー機能を新たに提供している」(川合氏)

 また、金融系の大規模開発事例として、みずほ銀行のケースが挙げられる。みずほ銀行では、2016年に、1人1台約2万3000台のiPadを導入し、全行展開を実施している。このプロジェクトにおいてJMASでは、タブレットポータルとペーパーレス会議システムの開発を手掛けたという。

 この他にも、クリナップのiPad用営業支援アプリや、アイセイ薬局による5万人以上の顧客の服薬を管理するアプリ、鉄道会社が利用する地下鉄の線路点検アプリなどの開発事例があり、業種・業界を問わず多くの企業のモバイル向けシステム開発を成功へと導いている。

JMASが提供する、次なるモバイル向けシステム開発サービス

 こうしたモバイル開発の豊富な実績とノウハウを生かし、JMASでは今後、デジタルトランスフォーメーションに向けたモバイルアプリ開発を支援する「Lay Apps」「Growth with Apps」の2つのサービスを提供していく。これは、“Fail fast - Success fast”の考え方を効果的にモバイルアプリ開発に適用するために、「デザイン思考」「リーンスタートアップ」「アジャイル開発」のプラクティスを取り入れたサービスとなる。

 この新たなサービスについて、中居氏は次のように述べる。

 「モバイルアプリの開発には、既存のシステム開発にはないスピード感が求められる。取り巻くテクノロジーの進化のスピードが速く、利用する時間や場所、使い方、デバイスに多くのバリエーションがあるため、ユーザーエクスペリエンスが多岐にわたる。そのため、なるべく早くユーザーにアプリを提供し、その後も継続的にアプリをエンハンスしていく必要がある」

モバイルアプリのグランドデザイン作成を支援する「Lay Apps」

「Lay Apps」は、モバイルアプリとモバイルアプリにより実現するビジネスのグランドデザインを描くためのサービスだ。デザイン思考やビジュアルファシリテーションを活用し、まだ“柔らかい”ビジネスやモバイルアプリのアイデアをブラッシュアップして、具体的なビジョンに落とし込むまでをサポートする。具体的なプロセスは、下記の通りだ。

  • ステップ1:ユーザーの課題やニーズを知る
    ターゲットユーザーへのインタビューやロールプレイング、さまざまな考察などを通して、課題の深掘りや真のニーズを洗い出し、モバイルアプリにより解決するべきことが何かを定義する
  • ステップ2:課題解決やニーズ実現のためのアイデアを出す
    ブレインストーミングやさまざまな発想法を活用し、アイデアの発散と集約を繰り返すことで、課題解決のための仮説を導き出し、モバイルアプリで実現するユーザーエクスペリエンスを作り出す
  • ステップ3:アイデアを検証する
    手書きなどの簡易なプロトタイプによりアイデアを形にし、実際に動かしてみたり、ユーザーの立場を疑似体験してみたりすることで、改善点の洗い出しや仮説検証、課題そのものに誤りがないかなどの検証を行う

 これらの3つのステップを必要なだけ繰り返し、実際に開発を行うためのモバイルアプリの明確なイメージを導き出す。

モバイルアプリとビジネスの成長を支援する「Growth with Apps」

「Growth with Apps」は、モバイルアプリを顧客とJMASのプロジェクトメンバーが1つのチームとなって開発、リリースし、育てていくサービスだ。

 顧客向けのサービスであっても社内業務であっても、ビジネスを成長させるにはイノベーションが必要だ。そのために重要なのはビジネスとITが一緒になって次のアイデアを形にしていくことだ。そのためには早い意思決定も必要であり、外部のベンダーに都度見積もりを依頼し、稟議(りんぎ)決裁を得て、発注するようなやり方では時間のロスが大きく、非効率である。非効率であるだけではなく、せっかくのアイデアを他社が先に実現するなど少しの遅れが致命傷になる可能性もある。

 顧客企業側のIT部門だけでモバイルアプリの開発が完結するのであればより簡単だが、日本ではそのような体制を整えている企業は少なく、外部ベンダーのサポートが必要である。そこで「Growth with Apps」は、モバイルアプリのスペシャリスト(コンサルタント、デザイナー、エンジニア)が、顧客側の立場で考えながらアプリ開発を提供する。

1.ビジョンデザイン・セッション

 プロジェクトを成功させるには、顧客とプロジェクトに参加するメンバーがそれぞれの立場を超えて、同じ価値を共有する必要がある。「Growth with Apps」では、プロジェクト開始前に1〜2日間の“ビジョンデザイン・セッション”をワークショップ形式で実施する。

 本セッションには、顧客のステークホルダーとプロジェクトメンバー全員が出席し、ディスカッションやロールプレイングなどを行うことで、アプリを通してユーザーが得る価値やプロジェクトの目標を再定義し、チームの共通理解とする。また、本ワークショップを通して、顧客およびJMASのプロジェクトメンバー全員が、プロジェクトの進め方と各自が果たす役割を理解し、プロジェクトへの参加意欲を高める。

2.モバイルアプリ開発のベストプラクティス

 開発に当たっては、これまでJMASが培ってきたクロスプラットフォームやマルチクラウドなどからベストな方法を選択していく。またこれから出てくる新しい技術も活用していく。ドキュメントよりも、動くアプリケーションを優先し、変化に対応しやすいアジャイル開発を積極的に取り入れていく。

3.モバイルアプリのPDCAを支える仕組み

 アプリを育てるためには速いPDCAサイクルが重要になる。アジャイルの手法を活用し、短いサイクルでの開発、リリース、評価、分析を繰り返す。

 単に開発するだけではなく、継続的な品質強化、機能向上をしていくためのテストやデプロイ自動化の仕組み、利用状況の解析ツールの導入、利用率向上のためのコンサルティングなども提供する。また、本サービスと併せて新しい契約モデルも用意し、顧客の多様なニーズに応える。

 「この開発サービスでは、従来までの顧客企業との関係から一歩踏み込み、お客さまのビジネスアイデア創出から当社の開発チームが関わっていくことになる。これによって、顧客企業の事業部門と情報システム部門、そして当社の開発チームの3者が常に同じ方向を向いて開発を進め、市場の変化や技術革新にも柔軟に対応できるようになる。さらに、このサービスを通して、デジタルトランスフォーメーションに向けた企業文化の変革も促していきたい」と、吉川氏は意欲を見せた。

【編集長】内野の視点

IoTやX-Techなどデジタルトランスフォーメーションの進展に伴い、業種を問わず、モバイルを対象にしたITサービスが重要な顧客接点になっています。これを受けて、デザイン思考などの考え方をアプリのデザインに適用するケースも増えているようですが、ともすると、見栄えの良いUI(ユーザーインタフェース)を重視するあまり、最も重要なUXがなおざりにされがちな傾向も一部にはあるようです。

本当に使い勝手が良く、利便性が高いアプリケーションを作る上では、フロントだけではなく、バックエンドとのインテグレーションノウハウの有無が大きなポイントになります。その点、フロントのアプリ開発からバックエンド連携、またアジャイルなITサービス開発には欠かせない、クラウド活用ノウハウまで一貫して高度な技術を有しているJMASは企業にとって心強い存在なるのではないでしょうか。XamarinやMonacaを使ったクロスプラットフォーム開発体制も顧客企業にとって大きなコストメリットにつながっていると思われます。

また、IoTやX-Techなどデジタルビジネスは何が当たるか分からないため、必然的にトライアンドエラーを高速で回すことが開発成功の秘訣となります。この点でも“Fail fast - Success fast”というJMASのアプローチは、支持されるITサービスを共に企画、開発する上で、有効に機能するはずです。特に、JMASの開発チームと企業の事業部門、情報システム部門の3者が一体となってモバイル向けシステム開発プロジェクトを進めるというスタンス、またそのコンサルサービスは、一般企業が自社内でデジタルビジネスを推進していく上での格好のペースメーカーになるのではないでしょうか。

そして何より注目されるのは、みずほ銀行、クリナップなど、いわゆる従来型の大企業がこうしたJMASのサービスを利用していることでしょう。ITの力を使った働き方改革、業務効率化、ビジネスの戦いは、一部のスタートアップ、Web系企業だけのものではなく、一般的な企業にこそ強く迫られているのです。本稿を1つの参考にして、自社における「デジタル時代のIT活用の在り方」を見直してみてはいかがでしょうか。


提供:株式会社ジェーエムエーシステムズ
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2017年9月30日

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