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推論や表現の意味解析で「人間的」な会話を実現――電通が日本語AIチャットbot「Kiku-Hana」発表 会話に欠けた言葉をAIが補足

電通は、AIを応用した自然対話サービス「Kiku-Hana」を発表した。会話中の言葉を補ったり、推論したりする機能などによって、従来のAIチャットbotサービスよりも精度の高いコミュニケーションを実現するという。

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 電通は2018年3月22日、企業の質疑応答型の顧客対応を自動化する自然対話サービス「Kiku-Hana」を発表し、サービスの提供を開始した。AI(人工知能)の活用を推進する同社の統括プロジェクト「AI MIRAI」の活動の一環となる。

 Kiku-Hanaは、古くからAIや自然言語解析、推論などの論理処理に活用されてきたプログラミング言語「AZ-Prolog」を採用し、「日本語の意味を解析することで、ユーザーが求める人間的な会話や情報提供を可能にし、従来のAIチャットbotサービスよりも、精度の高いコミュニケーションを実現する」という。

 具体的には、少ないルールでも多くの表現を把握したり、連続した質問では、質問文に欠けている言葉を補って返答したりできる。例えば「エジプトの人口は?」との質問に続けて「インドネシアは?」との質問を受けた場合、「インドネシアの人口を尋ねられている」と判断する。また、「東京タワーの最寄り駅は?」の次に「おすすめは?」と質問を受けると、東京タワーでのおすすめの見どころを聞かれているものと見なす。

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「Kiku-Hana」による言語処理の例(提供:電通)

 他にも、「渋谷で飲んだ」の「渋谷」を地名として解析する一方、「渋谷と飲んだ」の「渋谷」を人名と認識するように、動詞と助詞の組み合わせから意味を解析する機能や、「新橋は有楽町の隣」と「会社は新橋にある」の2文から「会社は有楽町の近くにある」と判断するように複数の文から意味を推論する機能も備える。

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(提供:電通)

 電通は、こうした機能により、Kiku-Hanaが「学習用の質問文例数が少なくても、多様な日本語の言い回しに対応できる」としている。チャットbotに不可欠なユーザーの話を「聞く」要素には、同社独自の言語処理システムを適用することでユーザーの真意を把握し、「話す」要素には、同社の適切な会話フローの設計力と、コミュニケーションデザインやコピーライティングなどの表現力を生かすことで、洗練された会話を可能にするという。

 Kiku-Hanaは、企業のデータベースや外部情報との連携も可能だ。電通では、チャットbotの他、コールセンターやAIスピーカー、コネクテッドカー、家庭用ロボットなど、自動対応によるコミュニケーションが必要な機器への導入も可能としている

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