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大分編:東京のゲーム会社が「別府」で歓迎された理由――温泉Tシャツで知事と握手!ITエンジニア U&Iターンの理想と現実(37)(1/3 ページ)

大阪、福岡、札幌のようなメジャーな都市ではなく、名刺交換した相手が「どうしてそんなところに支社を?」と、つい聞いてしまうような地域に支社を作りたかった――ご当地ライターがリアルな情報をつづる「UIターンの理想と現実」、大分編スタートです。

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 初めまして。「fuzz」の對馬です。国民的RPGで有名な某大手ゲーム会社で15年間エンジニアとして働いた後、6年前に独立してfuzz東京本社を、2年前に別府支社を設立しました。

 fuzzは、ゲーム開発を主軸としつつ、ゲームの枠にとらわれないアプリ開発や技術開発を行っている会社です。今回は「U&Iターンの理想と現実:大分編」の前座として、別府支社設立に至った経緯をつづります。


fuzz別府支社のある大分県別府市。町のそこかしこで湯煙が昇っています

エンジニアによるエンジニアのための会社を作ろう

 私の知る限り、優秀なエンジニアほど理屈っぽくてワガママです。

 でも、それでいいんです。理屈っぽいのは論理的であることの裏返しで、エンジニアにとって最も重要な素養の1つですし、ワガママでいられるということは、ワガママを許してでも必要不可欠なエンジニアであることの証左です。

 であれば、論理性を重視しつつ個人の都合を優先できる会社を作れば、優秀なエンジニアが集まってくるのではないか、何より自分にとって居心地のよい会社になるのではないでしょうか。

 私は過去に2回、シアトルとサンフランシスコのITベンチャーへ出向した経験があります。両社に共通していた日本企業との大きな違いは、「全社員が常に仕事よりもプライベートを優先すること」と「そのためのリモートワークの環境が整っていること」です。

 息子の誕生日にチームのミーティングに出席するために出社して、「どうしてそんな大事な日に出社してるいんだ! もう二度とこんなことはしないで!」と同僚に叱られたこともありました。数カ月後、その同僚は家庭の事情でオーストラリアに帰ったのですが、帰国後もまるで隣の席にいるかのようにリモートで働き続けていました。

 これは、今から10年以上も前の話です。このエンジニア天国を日本で実現するために設立したのが、fuzzという会社です。創業以来6年間ずっと、取締役も社員も半数以上がエンジニア。優秀なエンジニアが働きやすい会社を目指しています。


「海地獄」温泉
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