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ある朝、Windows 10が起動しなくなった場合の対処方法Tech TIPS(1/2 ページ)

まれなことだが、Windows Updateによる更新プログラムの適用によってWindows 10が起動しなくなることがある。更新プログラムの適用は夜間に自動で行われることが多いため、朝、Windows 10を起動しようとして初めて起動しないことに気が付くことになる。こうした場合の対処方法を紹介しよう。

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対象:Windows 10


Windows Update後、Windows 10が起動しなくなる?

 ある朝、Windows 10が起動しなくなったら、そんな困った状況に陥ってしまったらどうすればよいのだろうか。実際、更新プログラムが適用される毎月第2水曜日には、こうしたトラブルがしばしば報告される。

 筆者が自宅で使っているノートPCも、2018年5月の更新プログラム適用後、メーカーロゴが表示されたのち、画面がブラックアウトして(真っ黒になって)マウスカーソル(「待ち状態」を示す「○」状態)が表示されたままで、Windows 10が起動しなくなってしまった。原因は不明だが、更新プログラムの適用で何らかの問題が発生し、ディスクが認識されなくなってしまったようだ。

起動しないWindows 10
起動しないWindows 10
更新プログラム適用後に起動すると、メーカーロゴが表示されたのち、マウスカーソルが「待ち状態」のまま、Windows 10が起動しない障害が発生することがある。このような場合、慌てず本TIPSで紹介する方法で復元しよう。

 さて、こうした場合、どうすればよいのだろうか。

  1. 「システムの復元」を実行して、更新プログラム適用前にシステムを戻す
  2. 以前のバージョンに戻す
  3. Windows 10を再インストールする

 このあたりが考えられる作業だ。「1.」「2.」はPCに保存されていたデータを維持できるが、「3.」はディスクが完全にフォーマットされてしまうため、データが失われてしまうので注意したい。

 それぞれの作業手順を紹介していこう。

1. 「システムの復元」を実行して、更新プログラム適用前にシステムを戻す

 通常、「システムの復元」は起動しているWindows 10の[コントロールパネル]の[システム]からたどっていって、[システムのプロパティ]ダイアログの[システムの保護]タブを開いて行う([システムの保護]タブを素早く開く方法は、Tech TIPS「Windows 10で復元ポイントを素早く有効化・作成する」参照のこと)。

 ただ、Windows 10自体が起動しない状態では、[システムのプロパティ]ダイアログを開けないため、「システムの復元」は実行できない。

 この場合はWindows 10のインストール用USBメモリを作成し、これで起動して「システムの復元」を実行する。

 別のPCで、以下のWebページを開き、[ツールを今すぐダウンロード]ボタンをクリックして、「メディア作成ツール」をダウンロードする。このツールを実行すれば、簡単にWindows 10のインストールUSBメモリを作成できる。詳細は、Tech TIPS「『メディア作成ツール』をダウンロードしてWindows 10インストール用のUSBメモリを作る」を参照してほしい。

「メディア作成ツール」をダウンロードする
「メディア作成ツール」をダウンロードする

 ここで作成されるWindows 10は最新の大型アップデート(原稿執筆時点では、Windows 10 April 2018 Update)が適用済みのインストールイメージとなる。ただ実際にインストールするわけではないので、PCにインストールされているバージョンと異なっていても構わない。なお、インストールUSBメモリの作成時に、64bit版/32bit版/両方のいずれかのイメージを作成するかをたずねる画面が表示されるが、今後、汎用的に利用できるように「両方」を選択しておくとよい(USBメモリは8GB以上のものが必要となる)。

メディア作成ツールでインストールUSBメモリを作成する(1)
メディア作成ツールでインストールUSBメモリを作成する(1)
ここで「別のPCの……」の方を選択する。
メディア作成ツールでインストールUSBメモリを作成する(2)
メディア作成ツールでインストールUSBメモリを作成する(2)
ここで「両方」を選んでおくと、今後も汎用的に作成するインストールUSBメモリが利用できるようになる。

 インストールUSBメモリが作成できたら、これを起動しなくなったPCに差して、ここから起動する。

 インストールUSBメモリから起動するには、BIOS/UEFIで起動デバイスの順番を設定して、USBメモリを先頭に持っていくようにすればよい([Del]キーや[F1]キー、[F2]キーなどを押しながら電源を入れると、BIOS/UEFI画面が呼び出せるケースが多い。また[F12]キーを押しながら起動することで、起動先の選択画面が表示されるPCもある。各PCによって異なるので、マニュアルなどを調べてほしい)。

 Windows 10のインストールウィザードが起動し、[Windowsセットアップ]画面が表示されたら、[次へ]ボタンをクリックする。「今すぐインストール」画面になったら、左下の「コンピューターを修復する」をクリックする。

 [オプションの選択]画面(回復オプションと同じ画面)が表示されたら、[トラブルシューティング]をクリックする。[詳細オプション]画面が表示されるので、[システムの復元]を選択する([システムの復元]を実行する前に[スタートアップ修復]を試してみてもよいだろう)。次の[システムの復元]で目的のオペレーティングシステム(OS)として[Windows 10]を選ぶと、[システムの復元]ウィザードが起動する。

[システムの復元]を実行する(1)
[システムの復元]を実行する(1)
インストールUSBメモリから起動し、インストールウィザードを進めていく。
[システムの復元]を実行する(2)
[システムの復元]を実行する(2)
この画面が表示されたら、[今すぐインストール]ではなく、左下の[コンピューターを修復する]をクリックする。
[システムの復元]を実行する(3)
[システムの復元]を実行する(3)
ここで[トラブルシューティング]をクリックする。
[システムの復元]を実行する(4)
[システムの復元]を実行する(4)
[システムの復元]をクリックする。
[システムの復元]を実行する(5)
[システムの復元]を実行する(5)
複数のWindows OSがインストールされていなければ、このように[Windows 10]だけが表示されるので、これをクリックする。

 あとは[システムの復元]ウィザードに従えばよい。ただ、Windows 10 April 2018 Updateなどの大型アップデートを適用すると、その前に作成した復元ポイントは削除されてしまうことがある。また、大型アップデートを適用すると、復元ポイントの作成が無効化されてしまうこともあるようだ。

 残念ながら、[システムの復元]ウィザードで以下の画面が表示されたら、システムの復元で戻すことはできないので、別の方法を試すこと。

[システムの復元]の実行ができない場合
[システムの復元]の実行ができない場合
復元ポイントが作成されていない場合、このような警告画面が表示される。

 [システムの復元]ウィザードで「システムファイルと設定の復元」画面が表示されたら、[次へ]ボタンをクリックし、更新プログラム適用前の復元ポイントを選択すれば、その時点までシステムを戻すことができる。結果、更新プログラムに起因する障害(Windows 10が起動しないなど)は解消されるはずだ。

[システムの復元]を実行する(6)
[システムの復元]を実行する(6)
復元ポイントがある場合は、この画面が表示されるので、[次へ]ボタンで先に進める。
[システムの復元]を実行する(7)
[システムの復元]を実行する(7)
複数の復元ポイントがある場合は、障害が発生したと思われる時期より前の日付のものを選択すればよい。大型アップデート適用後に障害が発生している場合は、それ以前に戻しておくのが安全だ。
[システムの復元]を実行する(8)
[システムの復元]を実行する(8)
ここで復元ポイントの確認を行い、[完了]ボタンをクリックすると、システムの復元が実行され、起動していた状態のシステムに戻るはずだ。

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