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「次世代の戦略情報基盤として.NETを評価する」の感想

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投稿者投稿内容
chikura
会議室デビュー日: 2001/09/25
投稿数: 18
お住まい・勤務地: 福井県武生市
投稿日時: 2002-01-07 15:14
 .NETというより、既存システムのWeb化という記事として
興味深く読ませて頂きました。

 特に、UMLを使ったオブジェクト指向開発というのは、そ
こらじゅうのSEが直面している問題だと思います。

 この記事で一番興味深かったのは、「クラス設計は順調に
進みましたか?」という質問に対する回答です。「機能単位、
処理画面単位で作業を分担して進めた」というのがかなりひ
っかかりました。

 これはおそらく、ユースケース単位に作業を進めるという
のに近いものなのだとは思いますが、最初から「機能」や
「画面」を意識すると、動詞ばっかりのクラスが出来てしま
ってオブジェクト指向にはならないような気がします。

 「コンサルタントの方に意見していただいて」の部分でか
なりのやりとりがあったかと思うのですが、このへんのとこ
ろがもう少し聞きたいところです。
 あと、最終的に出来上がったクラス図とか・・・さすがに
これは出せないと思いますが。(^^;

 私も以前、大規模システムのWeb化作業に設計段階から携わ
った事があるのですが、私以外の全メンバーがオブジェクト
指向開発経験が全く無かった為、かなりの衝突がありました。

 みんなこれまでの方法論で進めようとする為、どうしても
画面中心、機能中心になってしまっていました。私が一ヶ月か
けて作った概念モデルは、「UMLの見方がわからない」という
ことで破棄されてしまいました。みんな、最後まで「結局、
クラスって、共通モジュールのことなんでしょ?」と言ってい
ました・・。

 結局、プロジェクトは、基本設計段階で破綻をきたし、分析
からやりなおしになってしまいました。私はおそろしくなって、
なんとかプロジェクトから抜け出してきましたが・・。

 こんなやりとりが日本全国各地で行われているとすれば、恐
ろしいことです。.NETの成功の如何は、オブジェクト指向教育
の成否にかかっていると言っても過言ではないと思います。
小川誉久
@ITエディタ
会議室デビュー日: 2001/07/27
投稿数: 111
お住まい・勤務地: 東京都小平市
投稿日時: 2002-01-07 23:40
 chikuraさん、はじめまして。
 熱のこもったご意見をありがとうございます。

 chikuraさんのご指摘、ごもっともと思います。
 本当に効率的な3階層モデルのシステムを構築するには、オブジェクト指向プログラミングのアプローチは不可欠ですね。

 特に、Windows環境をベースとするシステム開発では、Visual Basicを使ったクライアント/サーバ型システムが主流であり、Ver.6までのVBでは、オブジェクト指向などほとんど意識しないでもソフトウェア開発が可能でした。むしろ「オブジェクト指向など勉強しなくても、これまでのアプローチで開発ができる手軽な環境」として、VBが支持されてきた背景があると思います。

 今回取材させていただいた明治生命さんも、まさにこのケースで、プログラマが新しいプログラミング・モデルを実際に体感すること半分、.NETの可能性を知ること半分という目標でパイロット・プロジェクトを展開したようです。画面単位に担当を分担したということも、システム全体での最適なクラス設計を目指すのではなく、複数のプログラマがクラス設計を実際に体験し、メンバ同士で議論し、学習することを第一に考えたからだと思います。

 Java SolutionフォーラムではUMLの解説などを積極的に行っていますが、わがInsider.NETでも、Visioを使ったお手軽なUMLの入門企画が必要だなぁと感じています。
 
chikura
会議室デビュー日: 2001/09/25
投稿数: 18
お住まい・勤務地: 福井県武生市
投稿日時: 2002-01-08 11:18
 小川さんはじめまして(^^) レスありがとうございます。

 私もずっとVBを使ってシステム開発をしていたのですが、Visual Basic マガジンとか日経ソフトウェアとかで次から次へと「クラスを使ってみる」とか「オブジェクト指向入門」とかの特集をやっているにも関わらず、未だに「クラスって、便利そうだけど難しそう」と敬遠する人が多いようです。

 小川さんのおっしゃるように、「VBではクラスを使わなくても開発できるんだから、わざわざ難しいことしなくてもいいじゃないか」という雰囲気を確かに感じます。

 VB.NETになって、本当に既存のVBプログラマがついてこれるのか、疑問です・・。

> 画面単位に担当を分担したということも、システム全体での最適な
> クラス設計を目指すのではなく、複数のプログラマがクラス設計を
> 実際に体験し、メンバ同士で議論し、学習することを第一に考えた
> からだと思います。

 なるほど、そういうのも良いかもしれませんね。
 私の考えでは、クラス設計(というか概念モデリング)の段階では、あまり作業を分担せず、全員で集まってあれやこれやとその場でモデルを考えた方が良いものが出来るような気がしています。もちろん、総まとめをする責任者は必要ですが・・。

 Visioのお手軽UML入門、いいですね!
 私も、UMLの設計書作成はVisioでやっています。ただ、どうしてもフォーマットがExcelで指定されているので、わざわざWindows Metafile形式で保存してExcelに貼り付けてますけど。
 でも、Visio2000だと、何かと不便なことも多いです。
 例えば、シーケンス図を書くときに、クラス図でメソッド定義しないとメッセージが表示できないというのはカナリ面倒です。引数なしの単純なメッセージなら、直接記述できますが。

 UMLは、書き方も大切ですが、やはりモデリングの方法を先に学ばないと意味はないかな、という気もしています。
小川誉久
@ITエディタ
会議室デビュー日: 2001/07/27
投稿数: 111
お住まい・勤務地: 東京都小平市
投稿日時: 2002-01-09 00:09
chikuraさん、こんにちは。

> Visioのお手軽UML入門、いいですね!
> 私も、UMLの設計書作成はVisioでやっています。ただ、どうしても
>フォーマットがExcelで指定されているので、わざわざWindows Metaf
>ile形式で保存してExcelに貼り付けてますけど。

 残念ながら、現実にはこういう不条理なケースが少なくないようです。管理上、データフォーマットが統一されていた方がよいというのはよく分かるのですが……。Webサービス時代になれば、特定のデータフォーマットにとらわれることなく、ネットの向こうにあるサービスをうまく使って、必要な情報を適当な形式で取得できるようになるかもしれませんね。

> でも、Visio2000だと、何かと不便なことも多いです。
> 例えば、シーケンス図を書くときに、クラス図でメソッド定義しな
>いとメッセージが表示できないというのはカナリ面倒です。引数なし
>の単純なメッセージなら、直接記述できますが。

> UMLは、書き方も大切ですが、やはりモデリングの方法を先に学ばな
>いと意味はないかな、という気もしています。

 chikuraさんはかなり本格的にモデリング・ツールを使いこなしていらっしゃるようですね。

 ただchikuraさんもご指摘のとおり、まずはその前段階として、ツールの機能はさておき、モデリングをきちんと学んで、それをビジュアライズすることのメリットを理解する必要があると思います。ですので最初のうちは、身近なVisioなどを使ってこれをクリアした後、ツールに不満を感じるなら、より高機能な(だけれど高価な)本格的なモデリング・ツールの入手を検討するとよいのではないでしょうか?

 あまり詳しくはいえませんが、このへんに関連する.NETの事例研究記事が1つ最終調整段階に入っています。まもなくInsider.NETにて公開できる予定です。ご期待ください。
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