
28歳から挑戦するITアーキテクト(4)
その設計はちゃんと動くのか?
株式会社 豆蔵
BS事業部 エンタープライズシステムグループ
岩崎浩文
2005/11/9
「プログラミング? そんなことやってんじゃないよ。お前は管理者、見積もって下請けの会社に投げるのが仕事だろ。プログラミングなんてお金にならない仕事やるな」。
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筆者のこれまでかかわってきた仕事においても、多くの若手「技術者」が、プログラミングコードではなく、WordやExcelなどを使った設計書作成ばかりに四苦八苦している状況を実に多く見てきた。こうした作業者の多くは、学校でC言語の基礎程度を学んだだけで、実務上のプログラミング経験がほとんどない、つまり実作業においては、厳しいいい方だが(しかし客観的事実だ)素人同然の技術力しか持ち合わせていない存在であったりする。
確かに、日本の技術者は、比較的収益の低い「実作業」ではなく、より「高収益」を得ることができる肩書を持たざるを得なくなってきたことは理解できることだし、そのためには管理される側ではなく、管理する側でなければならない、という点もそのとおりだろう。だから管理者としてコードばかり触っていてはダメだ、もっと仕様書を、もっとスケジュール管理を、もっと外注管理を、と求められる。
しかし、技術力が最も要求されるITアーキテクトとしての立場から見れば、こうした状況は悪夢でしかない。
◆ 技術を知らない技術者
そもそも言葉の定義として成立しないのだが、具体的な技術を知らない技術者という人は、いったいどういう存在なのだろうかと、心から不思議に思うことが筆者にはこれまで何度もある。
特に企業向けのシステムを設計・構築する場合、その作業の大前提は「動くものを作る」ことであることは誰も疑う余地はないだろう。これを念頭に置いた場合、設計作業者であるための最低限の資格は「その技術を知っていること」となるはずだ。
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| 図1 素人同然の技術力…… |
ところが意外にも、こうした条件を備えず抽象的な設計のみで後はサヨナラ、という「何となくSE」、最近ではSEという日本流のあいまいな言葉ははやらないため自称「何となくアーキテクト」と衣替えしている例が多いのではないか、と筆者は危惧している。過ぎ去った古い技術しか把握していなかったり、非常に偏った概念・製品・言語の知識を振りかざして設計を行ったりという例をこれまで多く目にし、また作業者としてそのとばっちりを食らったりしてきた。
こうした奇妙な現象が見られることは、そもそもIT業界の在り方として、将来にわたり禍根を残す可能性がある危うい状況であるといえよう。
◆ 言語を知っただけではまず動かせない
将来ITアーキテクトとしての活躍が期待される若手技術者への提言として、筆者がかねてから訴えたかったことがある。それは、独学や学校などで言語を理解し書けるようになっただけの状態で、ITアーキテクトとして活躍することは不可能だ、ということだ。
これはすでに企業内で働いているIT技術者にもいえることだが、お客に対してシステムを設計し、構築する重責を担ううえでは、実務上の経験、それも成功体験がまず欠かせない、ということを、まず現実として受け入れるべきだということだ。お客側の視点からすれば、作ってもらう側が全くその技術を知らない素人なのに、高額なお金を払って注文しなければならないということはまず納得できないはずだ。また、その技術またはそれに類似する方法で成功した経験がないと、お客側にしても不安に駆られるだけでなく、信頼を勝ち得ることは難しい。それ以上に、孤独に作業を行う自分自身も不安でしょうがないはずだ。
つまり、しゃれたIT技術やそれに付随する小難しい方法論をもっての仕事であっても、実際は製造業など他業種と同様、具体的な作業や製品の知識および技術に、常に精通しておく必要がある、ということになる。それらを駆使し、多くの作業員を納得させ、実際に動くものを提供するITアーキテクトならばなおさらだ。
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INDEX |
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| 28歳から挑戦するITアーキテクト(4) その設計はちゃんと動くのか? |
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| Page1 ◆ 技術を知らない技術者 |
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| Page2 ◆ 意外に知らない具体的な製品知識 |
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| IT Architect 連載記事一覧 |
28歳から挑戦するITアーキテクト
いまも現場でもがき続ける現役ITアーキテクトの1人として、悩ましい20代への「次のステップ」の手引となるものを残していきたい
- 第1回 ITアーキテクトへの“脱皮”の覚悟
- 第2回 アーキテクチャの採用理由を説明できるか?
- 第3回 その設計で運用は救われるのか
- 第4回 その設計はちゃんと動くのか?
- 第5回 誰のためにシステムをつくっているのか?
- 第6回 ITアーキテクトになった後の試練
- 第7回 ITアーキテクトを実践する
- 第8回 基盤技術にロック・オンされていないか?
- 第9回 システム全体を連続稼働に持ち込め!
- 第10回 アプリケーションサーバを自在に操れ!
- 第11回 最低10年使える業務アプリケーション(前編)
- 第12回 最低10年使える業務アプリケーション(後編)
ホワイトペーパー(TechTargetジャパン)
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