
オブジェクト指向の世界(12)
アリストテレス編(その2)
“what & why”4原因説をビジネスモデルに応用
(有)オブジェクトデザイン研究所
河合昭男
2005/10/21
前回「アリストテレス編−“what & why”4つの原因説」はアリストテレスの4原因説:形相(けいそう)因、質料因、始動因、目的因について考えました。まずオブジェクト指向の基本概念であるクラスとインスタンスは「クラス=形相」「インスタンス=形相+質料」と考えることができます。次に4原因説を “what & why” の視点で考えました。what:それは何か? why:それはなぜそこにあるのか? つまり「what=形相因+質料因」で「why=始動因+目的因」であるというとらえ方をしてみました。これを情報システムに適用すると次のようになります。
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情報システムの “what & why” |
| what: 形相因=設計 質料因=ソフトウェア+ハードウェア |
| why: 始動因=顧客(依頼主) 目的因=ビジネスの効率化 |
今回はアリストテレス編(その2)応用編としてもう少し考えてみたいと思います。
◆ 大阪城を作ったのは誰?
大阪城を作ったのは誰? 豊臣秀吉か大工さんか? これは始動因連鎖でとらえることができます。第1始動因は秀吉です。秀吉が誰かに命じ、最後は現場の大工さんです。
大阪城の始動因:豊臣秀吉→……→大工さん
ちなみに先に挙げた情報システムの始動因も同様です。第1始動因は顧客(依頼主)ですが、顧客がSIerに依頼し、最後は開発第一線にいるプログラマーです。
情報システムの始動因:顧客→SIer→……→プログラマー
では、秀吉はなぜ大阪城の築城を命じたのかというとその目的があったはずです。それは例えば天下統一のためという大目的があったでしょう。つまり、大阪城がある理由(why)をまとめると次のようになります。
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大阪城のwhy: |
次に大阪城とは何か(what)ですが、その形相因は城の形、城の設計です。この設計を基にして実際に築城するための石や材木、金属類などの素材が質料因です。
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大阪城のwhat: |
以上を図1にまとめます。
![]() |
| 図1 大阪城の4原因説による “what & why” |
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INDEX |
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| オブジェクト指向の世界(12) “what & why”4原因説をビジネスモデルに応用 |
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| Page1 ◆ 大阪城を作ったのは誰? |
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オブジェクト指向の世界
JavaやUMLといったソフトウェア開発の話題とは少し離れて、オブジェクト指向そのものの哲学的意味を考えてみたいと思います
- 第1回 流れ去るものと不変なもの
- 第2回 自然言語をUMLで表現してみる
- 第3回 UMLで新聞記事を読む
- 第4回 「ピカソ、113億円で落札」をUMLで表現する
- 第5回 全体最適とアーキテクチャ
- 第6回 名前のない品質とパターン言語
- 第7回 パターンとパターン言語入門
- 第8回 分析から設計へのモデル変換などについて
- 第9回 分析手法のキホン:「分解と分類」
- 第10回 プラトン編−イデア論とクラス/インスタンス
- 第11回 アリストテレス編−“what & why”4つの原因説
- 第12回 “what & why”4原因説をビジネスモデルに応用
- 第13回 モノとコトによるモデリング
- 第14回 分かりやすいモノ・コト方式のモデリング
- 第15回 モノ・コト分析の段階的モデリング
- 第16回 モノ・コト分析をパターン言語で表現
- 第17回 パレートの法則 vs. ロングテール現象
- 第18回 ネットコミュニティのQWAN(無名の質)
- 第19回 RUPをパターン言語として考える
- 第20回 RUP7で開発の「苦」から解放される
- 第21回 オブジェクト指向のソクラテス式対話編
- 第22回 ソフトウェアは知識の結晶
- 第23回 UML2メタモデルを読む−知識とは何か?
- 第24回 UML2メタモデルを読む − 知識とは何か?(2)
- 第25回 オブジェクト指向を考える──普遍の知識
- 第26回 世界はらせん的に進化する
- 第27回 クラウドの潮流を考える――らせん的進化・その2
- 第28回 パターン言語事例 − 慶應SFCの『学習パターン』
- 第29回 フラクタル - 自己相似形とべき乗則
- 第30回 SFC学習パターンを新人研修に適用する
- 第31回 情報を媒体に転写する? 形相と質料
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