
|
IT化のカギを握る上級シスアドとは?
岩崎史絵
2005/2/18
ユーザー系の資格として認知されてきた上級アドミニストレータ。実際に社内でどのような仕事を担当し、IT化においてどのような役割を担っているのだろうか(→3ページ目記事要約へ)
企業のIT化を成功させるポイントは“人”にあるといわれている。いくら最新技術や製品を導入しても、業務や経営に何らかのプラスにならなければ意味がない。「どうすればITが経営に貢献できるか」――こうしたことを考えるのは、現場の業務に精通し、また経営的な角度で物事をふかんできる人材が必要になる。さらにいえば、事前の企画立案や技術の選定のほか、実際のプロジェクトの推進、そして運用に至るまで全般を率いることが望ましい。
- - PR -
この試験に合格するのは決してたやすくはない。これまでの受験者総数3万9203名のうち、合格したのはその7.6%に当たる2992名だ。出題範囲も、シスアドとしての基本知識を問うものから、最新の経営手法やITキーワードについて、または業務改革プロジェクトの意義を問う論述問題など、非常に幅広いものになっている。逆にいえば、これだけ幅広い知識や経験を持っていないと上級シスアドと認められないのだ。
とはいえ、企業の中で上級シスアドがどのような役割を担っているかはあまり知られていない。実際の上級シスアドは企業の中でどのような位置付けにあり、IT化に当たってどのような役割を果たしているのか。
| 上級シスアドとはどのような人物像なのか? |
そもそも上級シスアドとはどのような職種に従事しているのか。
全国の上級シスアドの交流を支援し、研修や勉強会を主催している「上級システムアドミニストレータ連絡会」会長の大日本スクリーン製造株式会社 半導体カンパニー システム部担当課長の吉野彰一氏は次のように語る。「私自身、もともとITに興味があり、入社時に情報システム部門への配属を希望していました。ところが実際に配属されたのは設計部だったのです。社のIT化をつかさどる情報システム部門は、IT化の大枠は決めますが、実際の運用についてはおのおのの部署に任せるという方策を取っていました」。
![]() |
| (左)KDDI
情報システム本部 システム企画部 管理グループ 課長 島本栄光氏 (右)大日本スクリーン製造株式会社 半導体カンパニー システム部担当課長 吉野彰一氏 |
荏原製作所 装置事業部 計画室 副参事 飯尾泰洋氏が上級シスアド取得を目指したのも同じ理由だ。1999年に設計部門のIT化プロジェクトに参画したことをきっかけに、2001年に資格を取得。現在、3次元CADやPDM/PLMの企画・開発に従事している。
同じく鹿島建設 企画本部 経営戦略室 守屋美恵子氏も、6〜7年前に企画本部内に立ち上がったクライアント/サーバシステム導入プロジェクトに参画した経験が契機になった。「本当に下っ端で、途中から上の方々も異動になってしまったのですが、『昔、古いネットワークを組んだことがある』という上司と2人でプロジェクトを乗り切り、運用フェイズまで持っていくことができました。その後、現場の建築部に異動になったのですが、この経験を何らかの形に残しておきたいと思い、上級シスアドを取得。現在はまた企画本部に戻り、ITを含む各種企画業務を担当しています」(守屋氏)。
もともと上級シスアドの試験内容が下記の表にあるとおり、経営課題からIT化立案・運営までをカバーする内容になっており、業務部門や経営企画系の知識が要求される。この下位層に位置付けられる初級シスアド試験はSQLの構文など、むしろ技術的な知識が必要なことに比べ、上級シスアドの場合、技術に寄るのではなく経営とIT全体を見る“目”が必要になるわけだ。
| (1) | 経営、マネジメント、情報技術に関する全般的な知識をもち、ビジネスの動向、情報技術の動向を正しく捉えられる |
| (2) | 電子商取引などの情報技術を活用した最新経営技術動向、情報技術動向を理解し、業務モデル変革の企画立案に参画できる |
| (3) | 業務モデルの策定、理解に当って、幅広い視点、視野をもち、全体として最適ソリューションを考えられる |
| (4) | 情報システムの提供者側との検討の場において、ビジネス、業務、システムを抽象化し、適切な機能モデルを作成できる |
| (5) | 自企業・組織の現状や業務を、他社状況、市場状況などを踏まえて正しく分析し、問題点を明確にできる |
| (6) | 問題点を整理し、優先順位を考慮した解決策を策定できる |
| (7) | 解決策に関する費用対効果分析、リスク分析を行い、その結果を経営層に説明できる。 |
| (8) | 解決策に基づく業務、組織、システムの設計を行い、実現させる |
| (9) | 解決策に対する効果目標及び評価基準を設定し、達成度を評価できる |
| (10) | 計画に対する管理、必要に応じての適切な対応策をとることができる |
| (11) | システムの活用においては、イントラネットの活用した情報発信の促進、情報の質的向上を図るなど、情報技術を活用した業務の改革・改善を考えられる |
| 第9回(「IP電話」)へ | 1/3 |
|
||||||
|
||||||
ホワイトペーパー(TechTargetジャパン)
|
|


