IT人材不足に中小企業が対処する方法
エフィジェント
赤秀 有為
2005/6/28
■ポイント3:標準化の進むIT作業でアウトソース先確保
ポイント1では、上流工程に社員を配置し、下流工程はアウトソースで賄うべきことを述べた。具体的なアウトソースの使い方はビジネスプロセス・アウトソーシングの話に発展しかねないが、ここでは論点がブレないよう人材についてのみ言及する。
下流工程の中でもアウトソースを利用すべきなのが“標準化の進むIT作業”である。標準化の進むIT作業とは、Windowsサーバの運用など、IT業界内で作業内容・作業手順が確立されており、いわば“ルーティンワーク化”されているもののことだ。
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サーバ監視(死活、リソース、プロセス、イベントログなど) |
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バックアップ取得(システム領域、データ領域) |
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サーバパッチ適用(HotFix、セキュリティパッチ、サービスパックなど) |
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ユーザーサポート(電話対応、メール対応、オンサイト) |
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障害対応(ネットワーク、OS、アプリケーション) |
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…etc. |
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| 表3 Windowsサーバ運用作業内容例 |
標準化の進むIT作業の特色は下記のとおりである。
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あまり創造性を必要としない |
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→「作業成果に創造的付加価値を期待できない」アウトソース先可 |
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比較的ルーティンワーク |
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→外部人材の作業品質をある程度測れる(SLAを締結しやすい) |
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ITサービス提供者が複数存在し、市場を形成している |
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→市場競争が行われ、価格低下が期待できる |
標準化の進むIT作業は、アウトソース先を活用し、上記メリットを享受すべきである。今後、IT作業のアウトソース化が進み、市場に出回るITサービスベンダがさらに増加することで、費用もさらに下落することが予想される。
■ポイント4:アウトソース先の定期的モニタリング
「個人情報取扱事業者は、(中略)委託された個人データの安全管理が図られるよう、委託を受けた者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない」(個人情報保護法 第二十二条)
個人情報保護法では、作業を依頼したアウトソース先に対する監督責任を負っている。個人情報の漏えいを含め、アウトソース先の作業品質を定期的にモニタリングすることが不可欠だ。また、長期にわたって特定アウトソース先と契約している場合は、定期的に作業内容・品質に対する費用の妥当性を確認した方がよい。
モニタリングを実施するに当たって、アウトソース先の作業行為を定期的に確認するとともに、測定可能な評価指標を定めその結果をモニタリングすることが重要である。例えば、システム監視運用業務においては、1カ月間のシステム停止合計時間や停止回数、停止への対応合計時間等の評価指標がある。
費用の妥当性確認については、Webや書籍などから情報を入手したり、ほかのITサービスベンダに対して見積もりを取ったり(要するに相見積もりである)することも有効な手段である。
| index |
連載:中小企業に効くクスリ(1)
IT人材不足に中小企業が対処する方法 |
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Page
1
アウトソース先の“経験”“スキル”は自社に残らない
必要な人材の洗い出し |
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Page
2
大切なのは上流工程
−ポイント1:社員をコア・上流工程作業に配置
社内ITスタッフに求めるべきは、ITスキルではない
−ポイント2:社員を支援するコンサルタントの活用 |
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Page 3
外部業者との付き合い方
−ポイント3:標準化の進むIT作業でアウトソース先確保
−ポイント4:アウトソース先の定期的モニタリング |
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■要約
中小企業のIT化で課題になっているのが「IT人材不足」だ。IT人材を調達する方法としては、大別して社員(インソース)と外部業者(アウトソース)がある。社員には「作業経験・スキルは自社に残る」「作業成果に創造的付加価値を期待できる」が、アウトソースはそうではないという特徴がある。
IT化の作業には「企画→設計・開発→運用・保守」といった工程がある。一方、会社の業務機能には、販売やマーケティングなどがある。これを縦横にマッピングしたマトリクスで見ると、重要な人材が見えてくる。
IT化ライフサイクルで、上流工程が下流工程に大きな影響を及ぼす。こうした重要な作業を“作業経験・スキルは自社に残らない”アウトソースに任せるのは自殺行為といっても過言ではない。この領域は、社員が経験・スキルを会社の財産として蓄積していくべき領域である。
しかし、最近のIT技術の目覚しい進展もあり、社員にはITに関する詳細テクニカルスキルやそのほか、すべての要件を求めるべきでない。求めるべき必要最低限のスキルは「問題発見・認識スキル」と「論理的思考・問題解決スキル」である。 |
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| profile |
赤秀 有為(あかひで ゆうい)
エフィジェント有限会社 代表取締役社長。慶應義塾大学卒。ロータス社にてNotes/Dominoを用いたWebシステム開発に従事。その後、サン・マイクロシステムズ社にてオープン系システムのITテクニカルコンサルティング、ベリングポイント社にてIT投資対効果算定などのITビジネスコンサルティング活動に従事。現在、エフィジェント社にて社長業とともにビジネスとテクノロジ両面からのIT化最適解を追求するコンサルティング活動を行う。
ご意見、ご質問などは、yakahide@effigent.jpまで。 |
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