
続・いまのIT組織で
いつまでやっていきますか?
――何かがおかしいIT化の進め方 第16回(1/4ページ)
公江 義隆2005/5/24
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| 今回は前回に引き続き、IT組織体制を考える。前回は、多くの企業が現在抱えるIT組織の問題を俯瞰(ふかん)し、将来への組織体制を「立場が持つ競争力」と「人材開発投資の回収の可否」の2点から考えることの必要性について説明した。今回はIT部門の機能の将来を中心に考える。 (→記事要約<Page 4>へ) |
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| 集中と分散はなぜ繰り返すか |
組織機能の集中と分散はなぜ繰り返すのだろうか。
集中は集権、いわばトップダウン的、分散は分権、ボトムアップ的に運営される体制ともいえる。
集中にしろ分散にしろ、その形を採用した時点では必要性や狙いは明確であったはずである。しかし、1つの形態が長く続くと当初の問題意識や目的が忘れられてしまい、利点より欠点や弊害が蓄積されてくる。人間の持つ特性の弱い部分が顕著に表れてくるようになる。
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一方で適切な統括機能のない分散体制では、やがてそれぞれがバラバラな動きをしだし、全体的に見ると多大な矛盾や無駄が生じていたりする。かじのない船の状態になり、嵐の中では難破の危機に見舞われる。
このような弊害の蓄積が限界を超えると、これを取り除くために土台から入れ替えようという動きになる。
過去十数年において、日本企業の間に起こった集権化の動きの背景の多くには、大きな企業環境の変化という嵐の中で、もはや耐えられなくなった状況から、トップダウンで脱出しようというものがあった。IT部門も情報システムもこの動きから無縁ではいられなかった。
しかし、改革や組織の改編には企業として多大なエネルギーが必要になる。将来の組織体制を考えるうえで、このような変革が必要となる頻度や、変化の“振れ幅”が極力少なくて済むようにしておく必要がある。
この問題のキーポイントは適切な権限委譲(遠心力)と、これとバランスの取れる「求心力としての統括機能(*)」である。
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統括(ガバナンス)には、情報化の理念や基本方針などの概念的なものに加えて、必要な仕組みとして、“オーソライズされた”予算管理の基準や投資決裁手続き、投資評価手続き、IT化の役割の分担、機器・ソフトの標準・システム構成法の標準、データ体系・コード体系などのデータ標準、コスト把握の仕組みなどが必要であり、これが管理面と技術面のインフラのベースになる。 |
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“改革”の後には“改善”が必要になる――権限委譲・分散化と統括機能の整備をトップダウンで進めてきた“改革”は経営や業務の枠組みの入れ替えである。生まれたばかりの新しい枠組み上の業務はまだ穴だらけだ。この新しい枠組み上での日常業務に磨きを掛ける“改善”がこれから必要になる。改善はボトムアップが基本である。改革のめどの立った企業では、ボトムアップのための権限委譲・分散体制と全体統括の機能整備が必要になる。
| 注 |
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トップダウン組織ではよほど意識していないと、ミドルマネジメントやスタッフは、関心がトップの意向に集中し、現場の実態に疎くなる。そのつもりではなくても結果的に現場軽視が進み、やり過ぎや新たな問題を作り出してしまう。健康を取り戻すためにぜい肉を落とすダイエット(効率化、コストダウンなど)は必要である。しかし、必要な栄養も取らずにやせ細って体力をなくす組織、これが習慣になって拒食症に陥りかけている組織、そんな感じを受けるケースが最近増えた。 |
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| INDEX | |
| 何かがおかしいIT化の進め方(16) | |
| Page1 集中と分散はなぜ繰り返すか |
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| Page2 CIOは必要か |
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| Page3 IT部門の将来 (1)統括(ガバナンス)機能 (2)企画機能・企画支援―業務改革支援機能 |
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| Page4 (3)アウトソーシング業務の管理、システム管理と開発・保守 (4)情報子会社の役割と位置付け おわりに |
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