Database Watch 1月版 Page 1/2

目指せ、データベース技術者の国家資格


加山恵美
2005/1/14

 あけましておめでとうございます。本年もどうぞお付き合いくださいませ。今月はそろそろ迫ってきた情報処理技術者試験のテクニカルエンジニアに焦点を当ててみます。情報処理技術者試験といえば、私は新人の年の秋に「二種」を取りました。しかしいまでは「基本情報技術者試験」と試験名が変わってしまい、二種なんていうと古い響きがして切ないです。

情報処理技術者試験はそろそろ本番

 先月のベンダ試験に続き、今月はまず情報処理技術者試験に焦点を当ててみます。@IT自分戦略研究所が実施したエンジニアのスキルアップや資格動向についての読者調査によると、情報処理技術者試験の「テクニカルエンジニア:データベース」がデータベースに関連する分野では最も取得希望者数が多い25%を占めていました。やはり国家資格なだけに「いつかは取りたい」目標の試験として君臨しているようです。

 念のため補足しておくと、情報処理技術者試験は経済産業省が実施する国家試験です。合格すると経済産業大臣(いまなら中川昭一氏)署名の合格証書が交付されます。受験手数料はどの試験も税込みで5100円です。ベンダ試験よりは安いですね。

 試験は年に2回実施されます。そのうち、初級システムアドミニストレータ試験など3試験は春と秋の両方で実施されますが、それ以外は年に1度きりです。中には春と秋で異なる試験に挑戦する積極的な人もいるようです。

 さて「テクニカルエンジニア:データベース」の試験は春に実施なので、もうすぐ願書受け付けが開始されます。春期試験の案内書と願書を入手するなら書店や事業所、またはサイトからPDFで入手します。今年受験するかどうか、そろそろ覚悟を決めなくてはなりません。

 これから約1カ月間の願書受付期間を経て、本番は4月17日(日)です。願書の締め切りは郵便局窓口とインターネット受け付けでは1週間ほど違いがあるので注意してください。また同じ春開催でも、試験によりスケジュールに違いがあるので注意してください。下記に「テクニカルエンジニア:データベース」の試験スケジュールをまとめます。

日程 事項
1月17日 願書受け付け開始(インターネットは午前10時から)
2月14日 郵便局窓口受け付け締め切り(当日消印有効)
2月22日 インターネット受け付け締め切り(午後8時まで)
3月30日 受験票発送予定
4月17日 試験当日
4月下旬 多肢選択式問題の正答公表
5月下旬 記述式、論述式問題の回答例など公表
6月下旬 合格発表、合格証書の交付
9月末まで 合格発表後から成績照会(本人のみ)
表1 情報処理技術者試験(テクニカルエンジニア:データベース)のスケジュール
公表は情報処理推進機構のWebページにて

 試験は朝から夕方まで続きます。ただでさえ試験は気力と体力が要るのに、3ラウンドもあるとかなり消耗しそうです。精神力と頭の回転を維持できるように、休憩時間に気分を切り替えて頭と肩のコリをほぐさなくてはなりません。

試験区分 試験開始〜終了 試験時間 試験内容 解答形式
午前 9:30〜11:10 100分 多肢選択式(四肢択一) 55問出題して55問解答
午後I 12:10〜13:40 90分 記述式 4問出題して3問解答
午後II 14:10〜16:10 120分 論述式(事例解析) 2問出題して1問解答
表2 テクニカルエンジニア:データベースの試験当日スケジュール

 試験終了後は段階的に正答や解答例が情報処理推進機構のサイトで公表されます。合格者の発表や成績照会は先述のサイトに加え、iモード専用サイト(http://i.jitec.jp/)や音声&FAX情報サービスからもできます。ただし当然ながら結果照会は受験者本人に限定されます。また合格者は後日官報にも公示されることになっています。

 受験経験者なら痛いほど分かるとは思いますが、テクニカルエンジニア試験は高い専門技術を問うので難易度はかなり高いと覚悟しなくてはなりません。ベンダ試験と比べても、それぞれ実技試験のない最難関試験に匹敵すると思います。

 情報処理推進機構が公表している統計資料によると、毎年約2万人が応募するのに実際に受験するのはその半分強です。あまりの業務の忙しさと受験勉強の難しさに断念してしまうのか、またはやむを得ず緊急の仕事が入ってしまったのか……。会場に足を運べるようになるまでにも壁があるようです。

 さらに無事に受験会場に足を運べたとしても、合格者は受験者の8%台にとどまっています。合格者数にすると、毎年1000人程度です。ほかのテクニカルエンジニア試験でも受験者総数は違いますが、合格率はほぼ7〜8%台でどれも難関です(エンベデッドのみ約10%でやや高め)。

 図1 テクニカルエンジニア:データベース受験者の推移

 試験問題は当然ながらデータベース技術が中心となります。午前の問題は選択式で約半分がデータベース技術、そのほかはIT技術全般から網羅的にかつ新しいキーワードも織り交ぜて出題されます。データベース分野以外も広く、最新の動向も踏まえておかなくてはなりません。

 午後は記述式と論述式です。記述式はいわゆる定番の問題や数年前に出題された問題が出るので、過去の問題傾向をしっかり押さえておくと有利でしょう。論述式の方は事例解析です。問題は二者択一ですが、1つの問題に大量の問題文と複数の設問があります。最初にどちらの問題(事例)を選ぶか素早く見当をつけて、後はその問題をじっくり腰を据えて解くことになります。試験問題の詳細や傾向は各対策本を参考にしてください。

 今年チャレンジする方は最後まであきらめず、頑張ってください。応援しています。(次ページへ続く)

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 Index
連載 Database Watch 1月版
目指せ、データベース技術者の国家資格
Page 1
・情報処理技術者試験はそろそろ本番
  Page 2
・PostgreSQL CE認定試験に受験対策講座が誕生
・ORACLE MASTER Silver DBA 10gが解禁
・検索を強化したXMLストレージサーバ


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