Database Watch 2月版 Page 2/2

XQueryの分かるDBエンジニアは高給取り?


加山恵美
2007/2/13

好景気だとXMLデータベースがブレイク

 XMLデータベースとRDBMSをうまく使い分けると効果的であることは分かっていても、人材確保の観点からXMLデータベース採用に足踏みしてしまうのであれば、まだまだXMLデータベースのエンジニアは不足しているということになります。

 ということは、エンジニアはXMLデータベースのスキルも蓄えれば活躍の場が増えるはずです。RDBMSとXMLデータベースの両方のスキルがあり、乗り換えも自由自在にできるとなれば、エンジニアとして貴重な存在になれるかもしれません。

 とはいえ「XMLデータベースエンジニアの需要が高くなるかは分からない」と懐疑的に考える人もいるでしょう。確かにXMLデータベースが今後どれだけブレイクするかは不透明です。しかし冒頭で述べたようにXQueryが勧告となり、技術的には一歩前進しました。加えてXMLコンソーシアムXMLDB勉強会リーダーの加藤氏によれば「XMLデータベースは好景気に繁栄するという傾向がある」そうです。

 これはなぜか。先に述べたようにXMLデータベースはシステムが可変的な状況で強みを発揮します。こういう状況は新規開発が行われたり、現場の裁量権が大きくなるときであり、景気が向上している証拠です。逆にいえば不景気でコスト管理が厳しくなると、XMLデータベースのような非定型なデータ形式はなかなか出る幕がなくなってしまうということです。それで「近年まではXMLデータベース市場は冷や飯を食わされていた」と冗談めかして話す人もいます。

 いろいろな見方がありますが、概して景気は良くなっているようです。経済の先行き次第では景気がXMLデータベースの必要性を後押しすることもあるかもしれません。

XMLデータベースの資格試験が登場

 資格試験はもう先を見越しています。今後はXMLデータベースエンジニアの必要性が高まるということで、XMLマスターの上位資格に「XMLマスター:プロフェッショナル(データベース)」が新設されました。

 これまでXMLマスターは基礎的な「ベーシック」と高度な「プロフェッショナル」の2レベルで構成されていました。これからは上位のプロフェッショナル試験が2つに分かれます。新試験の追加により従来の「プロフェッショナル」は「プロフェッショナル(アプリケーション開発)」となり、これに横並びになる形で「プロフェッショナル(データベース)」が新設されます。

 新設の試験はXMLデータベースのスキルに主軸を置くので、以下の4分野で試験問題が編成されることになります。なお下位の「ベーシック」試験に合格していることが必須要件です。

  1. XMLデータのデータベース化に関する概要
  2. XQuery、XPath式
  3. XMLデータベースの操作
  4. XMLデータ構造の設計

 なお「XMLマスター:プロフェッショナル(データベース)」試験は現段階ではまだ開発中で、受験可能となるのは2007年12月を予定しているそうです。まだ時間は十分ありますのでじっくり準備できますね。

PostgreSQL技術セミナー開催

 2月はPostgreSQL関連のイベントが集中的に予定されています。コミュニティは活気づいて連携が強まりそうです。1つは秋田の温泉ホテルで合宿です。1泊コースと2泊コースとがあり、温泉とPostgreSQLにどっぷり浸る週末になりそうです。

 翌週は技術セミナーです。合宿で研究した成果が発表になるのでしょうか。今回は.NETなどWindows環境を念頭に置いた解説が多く用意されているようです。

 ではまた来月、お会いしましょう。

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 Index
連載 Database Watch 2月版
XQueryの分かるDBエンジニアは高給取り?
  Page 1
・祝・XQuery 1.0勧告
・XQueryの基本はFLWOR式
・XMLデータベースとRDBMSの使い分け
Page 2
・好景気だとXMLデータベースがブレイク
・XMLデータベースの資格試験が登場
・PostgreSQL技術セミナー開催


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