Database WatchDatabase Watch 2009年1月版

「そこにORA-600が見える……?」

あなたのオラクル人間度をチェック

加山恵美
2009/1/16
あけましておめでとうございます。今月は最近のニュースと昨年のダイジェストでデータベース業界を観測してみます。

さらなる高速化、インメモリデータベースsolidDB

 2008年12月19日、IBMは「solidDB V.6.3」の提供を開始しました。solidDBはインメモリデータベース管理ソフトウェアで、メインメモリにデータを格納するので高速処理が特徴です(参考:Database Watch 2008年7月版)。

 近年では大容量のメモリが続々と登場していますから、メモリ上だけでも処理が可能となり、またsolidDBのように複数のsolid CacheインスタンスをRDBMSと組み合わせて使えば大きなデータベースでも扱えるようになっています。

 今回の「solidDB V.6.3」は処理速度がさらに高速化したところがアピールポイントとなっています。IBMのプレスリリースには「従来のインメモリー・データベース管理製品に比べ、50%以上処理能力を向上させ、一般的なディスク型データベース管理製品に比べると15倍以上の処理能力が見込まれます」とあります。

 高速化が可能になった理由について、IBMはトランザクションを1つずつ順番に処理していたところをスレッドの単位で複数のトランザクションを同時に並列処理するよう設計を改良するなどしたためと説明しています。

 またIBM製品なので組み合わせられるRDBMSはIBM DB2やInformix Dynamic Server(IDS)だけかと思いきや、そうとは限りません。オラクル、サイベース、マイクロソフトなど各社のRDBMS製品と組み合わせることが可能となっています。

来年リリース予定のKilimanjaroはBI機能とOffice連携を強化

 ところで、「BI機能、Office 14との連携も実現 次期SQL Server『Kilimanjaro』の詳細が明らかに」(@IT News)という記事はご覧になりましたか?

 マイクロソフトのサーバ&ツール部門 エンタープライズ アプリケーション プラットフォーム マーケティング ゼネラルマネージャであるダン・ノールト(Dan Neault)氏が来日し、次期SQL Server「Kilimanjaro」(開発コード名)について語りました。次期バージョンの特徴はBI機能とOfficeとの連携の強化となりそうです。リリースは2010年前半の予定、つまり来年です。年内はKilimanjaroの姿が少しずつ明らかになることを期待しましょう。

 Kilimanjaroにはキーテクノロジーごとに開発コード名が割り当てられており、主要なものが3つ紹介されています。「Gemini」「Fabric」「Madison」です。代表的なのがGeminiでしょう。これは次期版Office(Office 14)との連携が可能なBI機能です。2010年は新版のSQL ServerとOfficeがマイクロソフトの新しい顔になるのでしょうか。

 それからFabricとMadison。前者はサーバノードリソースやアプリケーションを管理する機構で、後者はユーティリティコンピューティング環境を提供するアドオンです。より大規模な環境を狙って進化しているようです。

オラクル人間が恐れる数字は?

 すでに応募期間は過ぎてしまいましたが、2008年末には「オラクル人間チェック」という企画がありました。オラクルユーザーがどのくらいの「オラクル度」かを診断するもので、抽選で100人に商品が当たるそうです。1月中旬には診断結果が応募者に送られることになっていますので、そろそろ診断結果を受け取った方もいるのではないでしょうか。全体でどんな結果になったのか気になります。

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 OTN Japan TechBlogのエントリ「[年末特別企画] 〜ザ・オラクル人間チェック!!〜」によると、質問項目には「不吉な数字といえば……?」「Oracleのテーマソングができました。歌って欲しいのは……?」などがあったようです。

 オラクルで不吉な数字といえば、「ORA-600」の600でしょうか。内部エラーのコードとしておなじみですね。オラクル人間が見たら固まってしまうかもしれません。名古屋ならデラ怖い、北海道ならナマラ怖い、オラクルならオラ怖い……というのは冗談ですが、オラクル人間に背後から「そこに600が見える……」なんてつぶやいて脅さないようにしましょうね。

 テーマソングの質問の答えはどんなものだったのでしょうか。古い話ですが、かつてオラクルがテレビCMを出したことがあります。そのときのBGMがレニー・クラヴィッツの「Are You Gonna Go My Way(自由への疾走)」でした。激しいギターのイントロとともに、オラクルを導入した企業名とロゴが次々と画面に登場するものです。筆者はオラクルというと、この曲を連想することが多いのですが、はたして正解だったのか、気になるところです。

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