Database WatchDatabase Watch 2009年5月版

Oracle OpenWorld Tokyoはやっぱり熱かった

加山恵美
2009/5/25

オープンソースRDBMSに新しいベータ版が登場

 オープンソースのRDBMSの両雄といえば、PostgreSQLとMySQLです。数年前までは何かと動向がシンクロすることがありましたが、2008年にSunがMySQLを買収して以来、違う道を歩むようになったように見えました。ところが、やはりいまでもどこかシンクロしているような気がしてしまいます。どちらも最近新しいベータ版を発表しました。

 PostgreSQLは8.4のベータ版を発表しました。PostgreSQLでベータ版が登場するということは、正式版のリリースはかなり近づいたといえます。ベータ版のテスト期間は通常6週間とあるので、順調にいけば数カ月以内には正式版が登場するかもしれません。

 8.4の新機能としては、応用SQL、特に再帰SQLやWindow関数への対応があります。また大規模環境を想定した新機能では、パーティショニングに関する改良、ディスク先読み、論理リストアの高速化が効果を見込めます。運用管理でいえば、スロークエリー解析手段の追加、デッドロック・ログの改善点などがあります。

 一方、MySQLも新しいベータ版となる5.4.0-betaを発表しました。ちょっと驚きです。というのも、MySQLは2008年12月にMySQL 5.1.30 GA(正式版)を公開して間もないからです。それに2007年から6.0.x-alphaが5.1と平行して開発されていますが、ここにきて5.4がアルファ版を通り越してベータ版で初登場というのは意外でした。

 肝心の中身ですが、基本的にはMySQL 5.1をベースにスケーラビリティやパフォーマンスに関する改良を加えたものになるようです。なおMySQLにおけるベータ版は、正式版とはかなり離れた扱いのビルドとなります。

 MySQLはサンに買収され、さらにオラクルによるサン買収が発表されたばかりです。多少の影響を受けることは必至でしょう。今後の行方は流動的かもしれません。

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Oracle OpenWorld Tokyoはやっぱり熱かった

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・Oracle Exadata、速さの秘密は3つ
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・オープンソースRDBMSに新しいベータ版が登場

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