ODP.NETでOracle固有の機能を活用するODP.NETファーストステップ(1)(1/4 ページ)

Windowsプラットフォームにおけるアプリケーション開発は、.NETが主流となりつつある。本連載はVisualBasicから.NETへの移行を考えているOracleアプリケーション開発者に向けて、「Oracle Data Provider for .NET」を使うメリットや独自機能、新しいプログラミング・スタイルなどを解説する。(編集局)

» 2004年11月27日 00時00分 公開
[大田浩日本オラクル]

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ODP.NETを使うメリットとは?

主な内容

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▼ODP.NETを使うメリットとは?

▼ODP.NETのインストールと設定

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Oracleへの接続

tnsnames.oraファイルの設定

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OracleConnection固有の機能

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SQLステートメントの実行


 Oracle Data Provider for .NET(以下、ODP.NET)は、Microsoft .NET環境からOracleデータベースへネイティブに接続可能なミドルウェアです。.NET環境からOracleへ接続するためには、ODP.NET以外にも以下のようなミドルウェアがあります。

  • OLE DB .NETデータプロバイダ
  • ODBC .NETデータプロバイダ
  • Oracle Objects for OLE(OO4O)

 OLE DB .NET、もしくはODBC.NETデータプロバイダはオープンな規格であるため、OracleやほかのRDBMSに接続可能であり、共通インターフェイスで接続できるという特徴を持っています。しかし、仕様的に実装できないRDBMS独自機能が存在する場合もあります。また、データソースへの接続にブリッジが入るために、その分だけパフォーマンスが落ちてしまいます。

図1 OLE DB.NET、ODBC.NET使用時のデータアクセス 図1 OLE DB.NET、ODBC.NET使用時のデータアクセス

 VB.NETでもOO4Oを選択してOracleへ接続することは可能です。OO4OはCOMベースのコンポーネントです。VB.NETではCOMコンポーネントを呼び出す際に、RCW(Runtime Callable Wrapper:ランタイム呼び出し可能ラッパー)と呼ばれる中間層を通して、呼び出し側の.NETクライアントと呼び出されるCOMコンポーネントのやりとりを随時翻訳しながら動作するため、オーバーヘッドが発生しパフォーマンスが落ちます。

図2 OO4O使用時のデータアクセス 図2 OO4O使用時のデータアクセス

 これに対して、ODP.NETはOracleへ接続する際にブリッジが入らないため、高速にアクセスできます。

図3 ODP.NET使用時のデータアクセス 図3 ODP.NET使用時のデータアクセス

 また、ODP.NETはOracleに特化しているデータプロバイダであり、以下の固有の機能を実装しています。

  • PL/SQLの完全なサポート
  • ネイティブなOracleデータ型のサポート
  • LOB型、REF CURSOR、DATE型など
  • 接続プーリング
  • 配列バインド
  • グローバリゼーション
  • Unicodeの完全サポート
  • トランザクション
  • Microsoft Transaction Serverとの連携
  • XML DBのサポート
  • 透過的アプリケーション・フェイルオーバー(TAF)

ODP.NETのインストールと設定

 ODP.NETはオラクル社の技術サイトであるOTN(Oracle Technology Network)から無償でダウンロードできます。

 OTNのホームページの「ダウンロード」タブを選択し、「テクノロジ、ユーティリティ、ドライバ」の欄から、「Oracle Data Provider for .NET(ODP.NET)」のリンクをクリックしてください。

図4 OTNのODP.NETダウンロードページ 図4 OTNのODP.NETダウンロードページ

 このページに記載されている動作環境、対応OS、利用可能なOracleデータベースなどを確認してからダウンロードを行ってください。インストール方法の詳細については、OTNの「意外と簡単!?.NETでOracle」にて詳細な手順を説明していますので、そちらを参照してください。(次ページへ続く)

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