Oracle SE RACで手軽に高可用性システム

第3回

RAC構築で失敗しない重要ポイントとは?


株式会社コーソル
松下 雅
2007/7/13


データベース構築

 いよいよデータベース構築です。ここでは、Oracle10g RAC特有のASM(Automatic Storage Management)の作り方と使い方について特記します。なお、データベース構築もOracle Netの設定同様、GUIのDBCA(Database Configuration Assistant)を使用します。DBCAでは、もろもろの選択肢が表示されますので、それを選択するだけでデータベースを作成できます。

 その項目ですが、まず[ASMインスタンスの作成]の画面で、[初期化パラメータ・ファイル(IFILE)を作成]するか、[サーバ・パラメータ・ファイル(SPFILE)を作成]するか、を聞かれます(図8)。仮に共有ディスク上のRaw DeviceにSPFILEを作成し、全ノードで共有できるのであれば、SPFILEがよいと思います。しかしDBCAのデフォルトは、Raw DeviceではなくFile Systemのため、IFILEで問題ありません。

図8 [ASMインスタンスの作成]の画面

 続いて[ディスク・グループの作成]の画面です(図9)。[新規作成]ボタンを押下すると、使用可能なRaw Deviceや、冗長性について聞かれます。冗長性とは「ディスク・グループを何重化するか?」の設定であり、[高]は3重化、[通常]は2重化、[外部]は1重化(冗長化しない)です。共有ディスクの機能でRAIDを構成していたり、バックアップ運用との兼ね合いもありますので、適した設定を行います。冗長性に加え、ディスク・グループ名とRaw Deviceを設定したら[OK]ボタンを押下します。

図9 [ディスク・グループの作成]の画面

 以上の手順で、ASMディスク・グループは作成できます。後は、作成したディスク・グループを使って、データベースを作成します。DBCAでは、使用したいディスク・グループ名を指定することで、当該ディスク・グループにファイルを作成できます。

 またDBCAではあまり意識しませんが、ディスク・グループ上のファイルを扱うには、ディスク・グループ名の頭に「+」を付けます。例えば、「DATA」というディスク・グループにUSERS表領域を作成する場合、リスト1のようなSQL文となります。

CREATE TABLESPACE users
   datafile '+DATA/users_01.dbf' size 10M;
リスト1 ディスク・グループのファイルに表領域を作成するSQL文

 制御ファイルやデータファイル、REDOログ・ファイルなどの作成場所を設定したら、通常どおりデータベースを作成します。作成が終了したら「crs_stat -t」コマンドでOracle Clusterwareのリソースを確認してみましょう。すべてのリソースに「ONLINE」と表示されれば、正常に構築完了です(リスト2)。

$ crs_stat -t

名前           型             ター...ト 状態      ホスト
------------------------------------------------------------
ora....SM1.asm application    ONLINE    ONLINE    racsrv1
ora....V1.lsnr application    ONLINE    ONLINE    racsrv1
ora....rv1.gsd application    ONLINE    ONLINE    racsrv1
ora....rv1.ons application    ONLINE    ONLINE    racsrv1
ora....rv1.vip application    ONLINE    ONLINE    racsrv1
ora....SM2.asm application    ONLINE    ONLINE    racsrv2
ora....V2.lsnr application    ONLINE    ONLINE    racsrv2
ora....rv2.gsd application    ONLINE    ONLINE    racsrv2
ora....rv2.ons application    ONLINE    ONLINE    racsrv2
ora....rv2.vip application    ONLINE    ONLINE    racsrv2
ora.atmark.db  application    ONLINE    ONLINE    racsrv1
ora....k1.inst application    ONLINE    ONLINE    racsrv1
ora....k2.inst application    ONLINE    ONLINE    racsrv2
リスト2 Oracle Clusterwareのリソースを確認

 今回は3回にわたりOracle Standard Edition RACについて連載しました。Standard EditionでもRACが構築可能となったことで、RACを導入する際の敷居は大分低くなったと思います。しかし、ただ構築すればよいということではありません。RACは、あくまでアーキテクチャの1つです。そのアーキテクチャを生かし、どのような環境と組み合わせてシステムを構築するかは、エンジニアの手腕にかかっています。OSやデータベースに限らず、より多くのパーツを組み合わせ、よりよい環境ができればと思います。今回の連載が、少しでもそのきっかけにつながれば幸いです。3カ月間、ご高覧いただき誠にありがとうございました。(連載完)

3/3  

 Index
Oracle SE RACで手軽に高可用性システム(3)
 RAC構築で失敗しない重要ポイントとは?
  Page 1
・Oracle Clusterwareの導入
  Page 2
・Oracleデータベースの導入
・Oracle Netの設定
Page 3
・データベース構築


Oracle SE RACで手軽に高可用性システム

TechTargetジャパン

Database Expert フォーラム 新着記事

@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)

RSSフィード

キャリアアップ

- PR -
@IT Sepcial

イベントカレンダー

PickUpイベント

- PR -
もっと見る
- PR -

お勧め求人情報

ホワイトペーパーTechTargetジャパン

@IT Sepcial
ソリューションFLASH