データベーススペシャリスト試験攻略のツボ(6)

「標準化」に関する問題


西沢直木
2008/10/31

 本連載では、テクニカルエンジニア(データベース)試験に対応できる知識を確認していきます。多岐にわたる知識が問われる試験ですので、受験する方はもちろん、日常業務ではあまり使うことのない技術知識の確認にも役立ててください。
目次
今回の出題範囲
19年-午前問題-問55/18年-午前問題-問55/18年-午前問題-問53








問6-1 CORBAの意味を説明する

 CORBAを説明したものはどれか。

ア 
ANSIが制定したオブジェクト指向プログラミング技術の仕様

イ 
ANSIが制定した分散オブジェクト技術の仕様

ウ 
OMGが制定したオブジェクト指向プログラミング技術の仕様

エ 
OMGが制定した分散オブジェクト技術の仕様

(19年-午前問題-問55)

答え

解説

 CORBA(Common Object Request Broker Architecture)は、OMG(Object Management Group)が制定した分散オブジェクト技術の仕様です。従って、「エ」が正解です。CORBAでは異なる環境で作成されたオブジェクト間でメッセージ交換を行うための仕様が定義されており、ネットワーク間に分散されたプログラムの相互連携を図ることができます。

 データベーススペシャリスト試験には、いうまでもなく、データベース技術以外の範囲からも出題されます。主にキーワードを問う問題ですが、標準化に関するキーワードのなかには、若干難しい問題もあります。

 CORBAは、数年に1度出題されるキーワードで、「CORBA=○○」という簡単な関連付けで覚えておけば解ける典型的なキーワード問題です。

 古くから存在する技術でもあり、最近はさほど頻繁に出題されていませんでしたが、19年度に出題されているので、今後も念のため注意が必要です。深いところまで問われるキーワードではありませんので、「分散環境でのメッセージ交換」や「オブジェクトが通信するための標準仕様」などのキーワードと結び付けて頭に入れておきましょう。

 

column:標準化問題の頻出キーワード「SLCP-JCF98」

 標準化に関する問題でしばしば出題されるキーワードに、「SLCP-JCF98」があります。これは、「日本国内のユーザー、ベンダ、学識経験者が共同で策定した国内版の共通フレーム」(14年-午前問題-問49)のことで、「共通フレーム98」とも呼ばれます。SLCPとはソフトウェアライフサイクルプロセスのことで、システム開発に含まれる各プロセスを定義して標準化したものです。

  策定された目的が「取得者(購入者)と供給者の二者間取引に共通の物差しを用いて取引を明確化すること」(17年-午前問題-問53)であることや、JIS X 0160に基づく3階層構成で定義されるシステム開発作業が「プロセス、アクティビティ、タスク」(19年-午前問題-問54)の3階層構成であることが問われたこともあります。

  また、「ISO 9001が共通フレーム98の基になっている」(18年-午前問題-問54)という間違い選択肢の中でも使われたことがあります。実際には共通フレーム98の基になっているわけではありません。

 

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Index
データベーススペシャリスト試験攻略のツボ(6)
「標準化」に関する問題
→ Page 1
問5-1 CORBAの意味を説明する
   コラム:標準化問題の頻出キーワード『SLCP-JCF98』
問6-2 文字コードを説明する
問6-3 JIS Q 9001(ISO 9001)とは

データベーススペシャリスト試験攻略のツボ


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