解説

ASP.NETで学ぶVisual Studio .NETの魅力

第2回 Visual Studio.NETでプログラム・レス開発を学ぶ(前編)

山田 祥寛
2003/05/13


検証コントロールを使用した入力データのチェック

 基本的な開発の流れが分かったところで、今度はもう少し実用的なサンプルを見てみよう。

 ここで紹介する「検証コントロール」は、ASP.NETで用意されたコントロールの中にあっていささか特殊でもあり、また、特徴的でもあるコントロールのひとつである。

 検証コントロール自体は、前出のLabelやTextBoxのようなフォーム系のコントロールのように目に見えるものではない。文字通り、これらWebフォーム・コントロールと連携し、その内容を検証する「機能」を提供するためのコントロールなのである。

 従来のWebプログラミングにおいては、テキスト・ボックスに値が入力されているかどうかという点を1つとっても、JavaScriptやらサーバ・サイドのVBScriptを記述しなければならず、その作業は単調でこそあれ、決して容易なものではなかった。しかし、この検証コントロールを利用することで、まさにプログラム・レスで検証処理を実現することができ、しかも、その検証はクライアント/サーバ双方をカバーするため、きわめて堅牢な処理を実現できる。

検証コントロール
RequiredFieldValidator 必須チェック。値が未入力時にエラー
CompareValidator 比較チェック。2つのコントロールの値の等価・大小関係を比較
RangeValidator 値範囲チェック。数値・文字列・日付における有効範囲を検証(データ型検証にも使用可能)
RegularExpressionValidator 正規表現チェック。E-MailやURLなど一定の規則を持つ文字列パターンに合致しているかを検証
CustomValidator 上記にあてはまらない独自の検証ロジックを実装
ASP.NETで用意された主な検証コントロール

 以下のサンプルでは、テキスト・ボックスに入力された内容について、入力値の検証を行い、エラー発生時にはエラー・メッセージを表示してみることにする。

わざと不適当なデータを入力し、[登録]ボタンをクリック
 
検証結果が各コントロールの下部にダイナミックに表示される
この画面では、すでに4つの検証コントロールを配置しているが(赤いエラー・メッセージ部分)、これについては次の(2)で触れている。

 それでは、以下に構築までの手順を紹介してみよう。

(1)Webフォーム・コントロールを配置する
 ソリューション・エクスプローラで新しいWebフォームを追加し、これをvalidate.aspxという名前にする。これに対し、以下の図のように、フォーム系のサーバ・コントロールを配置してみよう。配置するコントロールと最初に設定しておくべきプロパティの組み合わせは、以下の通りである。

コントロール プロパティ
TextBox (ID) txtNam
TextBox (ID) txtOld
TextBox (ID) txtMail1
TextBox (ID) txtMail2
Button (ID) btnSbm
Text 登録
validate.aspx上のフォーム・コントロール
 
validate.aspxのフォーム・デザイン
 

 INDEX
  ASP.NETで学ぶVisual Studio .NETの魅力
  第2回 Visual Studio.NETでプログラム・レス開発を学ぶ(前編)
    1.最初のサンプルはインタラクティブな「Hello, World!!」
    2.サーバ・コントロールの配置とプロパティの設定/コードの追加
    3.サンプル・Webアプリケーションの実行
  4.「検証コントロール」で入力データをチェックする
    5.各種、検証コントロールの使い方
 
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