『Understanding .NET:A Tutorial and Analysis』の邦訳書。ソフトウェア開発者を対象として、.NET登場の背景から、.NETを構成する各要素技術を解説した書。 本書のゴールは.NET開発者になるための第一歩を踏み出すことだが、開発者向けといっても、プログラム・コードの例示は最低限にとどめられており、教科書的な解説書として読み進むことができる。 まずは、.NETやその中心的な技術であるWebサービスが開発された背景を説明し、Webサービスとして活用されるXMLやSOAPの概要、.NET FrameworkやCLRの概要を解説して.NETを位置付け、そのうえで、次からこれら個別の要素技術、開発環境、開発言語、.NET Framework、ASP.NET、ADO.NETの概要と機能などを章別に解説するというスタイルだ。各要素技術を1つずつ積み上げながら解説していくという教科書的なアプローチといってよいだろう。ただしこの過程では、欄外に「one point」という枠を設けて、本文解説の要点を改めて表記したり、読者の気になるポイントや周辺の話題をコラムとして説明したりと、退屈しない作りになっている。 .NETの技術背景を基礎から学びたいと思っている開発者の方に適した解説書である。 |
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古山一夫 著
技術評論者 発行 A5版 192ページ ISBN4-7741-1349-2 1580円 |
最先端技術を、分かりやすく丁寧に解説するシリーズとして好評の「まるごと図解」シリーズのMicrosoft .NET版である。
他の2冊は、基本的にプログラマを対象としたMicrosoft .NET入門書であるが、本書の読者ターゲットはプログラマだけでなく、プログラム・コードの読解を必ずしも得意としないマネージャ・クラスも読者ターゲットとして強く意識している点が特徴的だ。
事実、コード・サンプルなどはほとんど掲載されておらず、概念を説明するイラストと本文により解説を進めている。「技術を詳しく説明する」のではなく、「その技術が生まれた背景は何で、その技術によって何がもたらされるのか」という、技術が持つ意味を噛み砕いて解説するというシリーズの真骨頂が本書でもみごとに再現されている。
2部構成のうちの第1部では、本書の約半分のページ数を費やして、分散コンピューティング技術である.NETがなぜ生まれたのか、.NETによって何が変わるのかといった背景説明をじっくり行い、.NETの導入までを説明している。やや冗長にも思えるかもしれないが、これまで.NETの解説を読んでもいまひとつピンとこなかった読者は、こうした.NETの背景を十分に理解していない可能性がある。
そして第2部では、XMLやSOAP、Webサービス、UDDIといった基本プロトコルを始め、開発プラットフォームである.NET FrameworkやC#言語などをテンポよく解説している。
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