.NET開発者中心 読者調査レポート

第1回 「.NET開発者中心」コーナー開設アンケート結果(2009年9月実施)

デジタルアドバンテージ 一色 政彦
2009/11/24
Page1 Page2 Page3

 「.NET開発者中心」は、2009年9月10日(木曜日)よりオープンした、@IT/Insider.NETのサブコーナーである。前身であるVB研(VB業務アプリケーション開発研究室)のコンテンツを踏襲しつつ、新たにC#言語などのほかの言語も取り入れた、より実践や実務に根差した実用的な記事展開を目指している。さらに、業務アプリケーション開発者同士が相互扶助して高めあっていける場(=Hub)となることを目標にしている。

 その新コーナー開設を記念して、2009年9月10日(木)〜9月24日(木)の期間、Windows/.NET ベースの業務アプリケーション開発に携る@IT読者を対象に、Web上での自記式アンケートによる読者調査を行った(調査実施機関はアイティメディア株式会社。有効回答数は387件)。

 本稿は、その調査結果をグラフ化し、簡単な考察を付記したものである。なお、以降の本文中で引用しているパーセント値は、小数点以下を四捨五入した値である。

回答者プロフィール

勤務先業種

Q. お勤め先の主な業種に当てはまるものを、1つだけお選びください。

回答者プロフィール:勤務先業種

 回答者全体のうち、33%が「ソフトウェア受託開発業」、20%が「SI(システム・インテグレータ)」に勤務しており、大半の読者が業務システムなどの開発に従事していると考えられる。

アプリケーション開発にかかわる立場

Q. あなたは業務アプリケーションの開発に、主にどのような立場でかかわっていますか?

回答者プロフィール:アプリケーション開発にかかわる立場

 回答者全体のうち、29%が「プログラミング/テスト」、18%が「プロジェクトリーダー」、16%が「システム設計/分析」の業務に携わっており、読者の大半は現場で実際に設計・開発・テスト作業を行うデベロッパーやアーキテクトであることが分かる。

アプリケーション開発の現状

開発中のアプリケーション種別

Q. あなたが現在開発にかかわっているアプリケーションの種類を、1つだけお選びください(複数ある場合は、最もリソースを投じているものをお選びください)。

開発中のアプリケーション種別

 回答者全体のうち、36%が「業務用Webアプリケーション(イントラネットなどの社内向け)」、33%が「クライアント/サーバ(C/S)システム用アプリケーション」の開発にかかわっている。

開発中のアプリケーション種別(使用言語別)

Q. あなたが現在開発にかかわっているアプリケーションの種類を、1つだけお選びください(複数ある場合は、最もリソースを投じているものをお選びください)。

開発中のアプリケーション種別(使用言語別)

 VB6以前を使用している開発者は「C/S(クライアント/サーバ型システム)」の開発が54%である。それに対し、VB.NET(=.NET環境におけるVisual Basic言語)を使用する開発者は42%、C#のそれは38%と、最新の.NET環境や比較的新しいC#言語を使う開発者ほど、「C/S」開発の割合が少なくなる傾向にある。逆に.NET環境では、「業務用Webアプリケーション」の開発を行う割合が増えている。

 Java言語を使用する開発者は、65%が「業務用Webアプリケーション」を開発しており、「Webに強いJava」を表す結果となっている。

開発言語の使用状況

Q. そのアプリケーション開発で現在使用している言語を、いくつでもお選びください。

開発言語の使用状況

 「Visual Basic(.NET)」言語の使用率が42%でトップとなり、次いで「C#」言語が36%、「JavaScript」言語が33%という結果となった。

開発言語の使用状況(「VB研調査」との比較)

Q. そのアプリケーション開発で現在使用している言語を、いくつでもお選びください。

開発言語の使用状況(「VB研調査」との比較)

 黄色の「VB研調査:2009年3月」は、前身のVB研で約半年前に実施した、今回と同様のアンケート調査の結果である。これと比較すると、「.NET開発者中心」にリニューアルしたことによって、「C#」言語の利用率は17ポイントほど飛躍的に向上している。その半面、「Visual Basic(6.0以前のバージョン)」言語の利用率は10ポイントほど下がる結果となった。

開発ツールの使用状況

Q. 上記アプリケーション開発で現在使用している開発ツールを、いくつでもお選びください。

開発ツールの使用状況

 「Visual Studio 2005」と「Visual Studio 2008」の使用率が37%でともにトップとなった。 予想以上にVisual Studio 2005にとどまっている開発者は多い。。

開発ツールの使用状況(使用言語別)

Q. 上記アプリケーション開発で現在使用している開発ツールを、いくつでもお選びください。

開発ツールの使用状況(使用言語別)

 C#開発者はVisual Studio 2008という最新開発環境を使用するのに対し、VB.NET開発者は枯れて安定しているが機能性は十分なVisual Studio 2005を使用しているという興味深い結果になっている。


 INDEX
  .NET開発者中心 読者調査レポート
  第1回  「.NET開発者中心」コーナー開設アンケート結果(2009年9月実施)
  1.アプリケーション開発の現状(開発言語&ツール)
    2.アプリケーション開発の現状(OS&テクノロジ活用)
    3.「.NET開発者中心」コーナーへのフィードバック

インデックス・ページヘ  「.NET開発者中心 読者調査レポート」


Insider.NET フォーラム 新着記事
  • 第2回 簡潔なコーディングのために (2017/7/26)
     ラムダ式で記述できるメンバの増加、throw式、out変数、タプルなど、C# 7には以前よりもコードを簡潔に記述できるような機能が導入されている
  • 第1回 Visual Studio Codeデバッグの基礎知識 (2017/7/21)
     Node.jsプログラムをデバッグしながら、Visual Studio Codeに統合されているデバッグ機能の基本の「キ」をマスターしよう
  • 第1回 明瞭なコーディングのために (2017/7/19)
     C# 7で追加された新機能の中から、「数値リテラル構文の改善」と「ローカル関数」を紹介する。これらは分かりやすいコードを記述するのに使える
  • Presentation Translator (2017/7/18)
     Presentation TranslatorはPowerPoint用のアドイン。プレゼンテーション時の字幕の付加や、多言語での質疑応答、スライドの翻訳を行える
@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)
- PR -

注目のテーマ

業務アプリInsider 記事ランキング

本日 月間
ソリューションFLASH