連載
|
![]() |
|
|
|
任意のタイミングで実行するアップデート(手動による更新処理)
ClickOnceでは、アプリケーションの起動時といったタイミングで実行される自動的なアップデート機能のみならず、任意のタイミングで実行できる手動によるアップデートも可能だ。
実はこれを実装するためのコードも、先ほど示したオンデマンド配置のコードと大した差はない。違うのは、オンデマンド配置ではIsFileGroupDownloadedメソッドを使って「すでにダウンロードされたかどうか」を判定したが、アップデートではCheckForUpdateメソッドによって「アップデートの必要があるかどうか」を判定する(アップデートが必要な場合はTrueを返し、そうでなければFalseを返す)点だ。
また、オンデマンド配置ではDownloadFileGroupメソッドを使って実際にファイル群のダウンロードを行ったが、アップデートではUpdateメソッドによりアップデート処理を行う。
このCheckForUpdateメソッドとUpdateメソッドはどちらも同期処理として実行される。ApplicationDeploymentクラスには非同期処理のためのCheckForUpdateAsyncメソッドやUpdateAsyncメソッドが用意されているが、DownloadFileGroupメソッドと同様にこれらのメソッドはユーザー・インターフェイスを持たない。そこで、これに関してもダウンロード・ダイアログを表示する機能を本稿のClickOnceAppDeploymentクラスでは提供している。
ClickOnceAppDeploymentクラスのCheckForUpdateメソッドは、[アプリケーション コンポーネントの確認中]というシンプルなダイアログを表示する。また、Updateメソッドはダウンロードの進ちょくを示すダウンロード・ダイアログを表示する。
さらに、ClickOnceAppDeploymentクラスのUpdateメソッドについては、bool値をパラメータに取るオーバーロードを追加している*3。このバージョンのメソッドのパラメータにTrueを渡すと、必須更新と見なして何も表示せずにアップデートを強制実行する。逆にFalseを指定すると、アップデートを行うかどうかをユーザーに質問する次のようなダイアログを表示する。
![]() |
| ユーザーにアップデートを行うかどうかを質問するダイアログ |
| [OK]ボタンをクリックするとアップデート処理が開始される。[スキップ]ボタンをクリックすると今回は処理がスキップされる。 |
| *3 パラメータなしのバージョンのUpdateメソッドは、単にダウンロード・ダイアログを表示しながらアップデートを行うだけである。 |
以下では、このようなダイアログを表示するClickOnceAppDeploymentクラスを使って、独自のアップデート処理を実現するコード例を示そう。なおこのコードは、冒頭のサンプル・アプリケーションで[アップデート]ボタンがクリックされたときのイベント・ハンドラである。
|
|
| ClickOnceAppDeploymentクラスを使ってアップデートを行うコード |
上記のコードでは、まず、[アップデート]ボタンがクリックされたときのイベント・ハンドラからMyUpdateメソッドが呼び出されている。MyUpdateメソッドの内部では、現在実行中のアプリケーションがClickOnceで配布されたものかを確認して、ClickOnceAppDeploymentオブジェクトを生成し、そのUpdateメソッドを呼び出している。
このUpdateメソッドの呼び出しでは、そのパラメータにIsUpdateRequiredプロパティを指定しているが、これは「必須更新か(=強制的にアップデートする必要があるか)、そうでないか(=ユーザーに確認してアップデートするか)をbool値で取得する」ためのものだ*4。つまりIsUpdateRequiredプロパティがFalseの場合、Updateメソッドの呼び出しの中で、先ほど示した「ユーザーにアップデートを行うかどうかを質問するダイアログ」が表示されるわけである。
| *4 必須更新の設定方法については「第3回 Visual Studio 2005でClickOnceを極めよう― ClickOnceの更新オプションの設定」を参照してほしい。 |
正常にアップデートが完了するとUpdateメソッドはTrueを返す(もちろんアップデートされていない場合はFalseを返す)。実際に戻り値がTrueだった場合は次のようなダイアログをユーザーに提示する。
![]() |
| ユーザーにアプリケーションの再起動の許可を求めるダイアログ |
| アプリケーションを再起動しなければ、実行中のアプリケーションは更新されない。このダイアログで[はい]がクリックされると、実際にアプリケーションを再起動して新しいバージョンのものが実行される。[いいえ]がクリックされた場合は何もしない。 |
このダイアログで[はい]が選択されたら、Applicationクラス(System.Windows.Forms名前空間)の静的メソッドRestartを呼び出す(このメソッドは.NET Framework 2.0で追加されたもので、基本的にはClickOnceでアップデートした後で再起動するために用意されている)。これによりアプリケーションが再起動する。
■
今回は、ClickOnceの機能を拡張して、配布や更新の動作をカスタマイズする方法を説明した。次回は、ClickOnceアプリを実行するために必要な前提条件をあらかじめインストールする機能である必須コンポーネント(=ブートストラッパ)を拡張する方法を説明する予定だ。お楽しみに。![]()
| INDEX | ||
| ClickOnceの真実 | ||
| 第4回 ClickOnceテクノロジを最大限に生かす開発 | ||
| 1.オンデマンド配置のためのダウンロード・グループの作成 | ||
| 2.オンデマンド配置するコードと進ちょくダイアログの表示 | ||
| 3.ダウンロードしたアセンブリのロードとそこに含まれる機能の実行 | ||
| 4.任意のタイミングで実行するアップデート(手動による更新処理) | ||
| 「ClickOnceの真実」 |
TechTargetジャパン
- Kinectが切り開く“夢の近未来” (2012/2/2)
日本を含めた世界中でKinect for Windowsセンサー商用版とSDK正式版がリリース。未来のコンピューティングはどう変化するのか? - 3つの視点でネイティブと.NETの適材適所を考察 (2012/1/31)
アプリ開発は「ネイティブ」と「.NET」、どちらが最良? その問いには「適材適所」と答えるしかない。では、“適所”は一体どこかを考察する - SQL Azure Data Sync入門 (2012/1/30)
SQL Azure/SQL Serverデータベース間のデータ同期を簡単に実現するサービスとは? その仕組みや使用手順を解説 - Windows Phoneアプリ市場の現状を分析する (2012/1/27)
Windows Phone のアプリ・ストアに日々登録されている多種多様なアプリ。カテゴリ別のアプリ数は? 市場の現状を明らかにする
|
|
キャリアアップ
は.NET開発者中心に生まれ変わりました
スポンサーからのお知らせ
.NET開発者中心コーナー
- - PR -
イベントカレンダー
- - PR -




