特集
マルチデバイス対応アプリの可能性(前編)

Live Meshアプリケーションとは何か?

デジタルアドバンテージ 一色 政彦
2009/02/24
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Meshアプリの利用方法

2種類のLive Mesh

 ここまでLive Meshという1つのテクノロジを説明してきたのだが、実は(執筆時点では)Live Meshには次の2種類が存在している。

一般コンシューマ向けLive Mesh(ベータ版)
こちらは後述する開発者機能が提供されていない。
開発者向けLive Mesh(CTP版)
開発者向けLive Meshでは、フォルダの同期機能が利用できない。一般コンシューマ向けLive Meshでは、Live Desktopのフォルダと各種デバイス上のフォルダが自動的に同期される。

 今回は開発者向けLive Meshを利用する。以降、単に「Live Mesh」と記述した場合はこちらのLive Meshを示す。なお、このLive Meshはまだ技術プレビュー(CTP)版であり、将来、大きな改変もあり得ることをご了承いただきたい。

【コラム】一般向けLive Meshと開発者向けLive Meshの併用

 一般向けLive Meshと開発者向けLive Meshは併用することもできる。これには、どちらもインストールされていないクリーンな環境で、以下の手順を実行する。

(1)一般向けLive Meshのクライアントをインストールする
(2)レジストリ・エディタで「HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Live Framework Client」キーにDWORD値として「AllowSxS」を作成し「1」を設定する
(3)開発者向けLive Meshをインストールする


【コラム】Live Remote Desktopについて

 上記の機能の中では紹介しなかったが、「Live Remote Desktop」という機能もある。これはWebブラウザ上で、ほかのコンピュータにリモート・デスクトップ接続するためのものである。

  ただし、開発者向けLive Mesh(CTP版):developer.mesh-ctp.comでは利用できないので注意してほしい。実際、Live Meshクライアントのアイコンにマウスを乗せると、次の画面のように「Live Remote is not currently enabled in the Live Framework sandbox.」(現在CTP版ではLive Remote Desktopは利用不可)と表示される。

現在のLive Mesh(CTP版)ではLive Remote Desktopが利用できない

 それではLive Meshを利用してみよう。

Live Meshを利用するには?

 上記のサイトにアクセスして、右上の[Sign in]からログインする(ログインするには事前に登録が必要となるが、これについては後編で紹介する)。ログインすると、(上部バーの[Devices]タブによる)デバイス一覧が表示される。

Live Meshの[Devices](デバイス)の表示
Live Meshログイン後のページ

Live MeshにMeshアプリを追加するには?

 ここで上部バーの[Apps](アプリ)タブをクリックすると、次の画面が表示される。

Meshアプリの追加(1):Meshアプリ表示

 左側の[Applications]欄には、次の2種類のアプリ一覧がある。

  • [Mesh-Enabled Web Applications]:Meshアプリ。
  • [Websites]:Live Frameworkを利用した外部のWebサイト。

 右側の[Add Applications](アプリケーションの追加)欄の[Browse more applications](アプリケーションのブラウズ)ボタンから、既存のMeshアプリをLive Desktopに追加できる。実際にボタンをクリックすると、次のような画面が表示される。

Meshアプリの追加(2):アプリケーション・カタログからの選択

 上の画面の[Application Catalog](アプリケーション・カタログ)の中から任意のMeshアプリを選択して[Add To Mesh](Meshに追加)ボタンをクリックする。ここでは[Collaborative Crossword]を選択してみる。

 下のような[Access Permission](アクセス許可)画面が表示されるので、[Allow access](アクセスの許可)ボタンをクリック。

Meshアプリの追加(3):アクセスの許可

 これにより、次の画面のようにMeshアプリが追加される。

Meshアプリの追加(4):Meshアプリの追加完了

Meshアプリを実行するには?

 しかしこれだけではまだMeshアプリは実行できない。実行するには、Meshアプリのインスタンスを作成する必要がある。

 これには、(上部バーの[Apps](アプリ)タブをクリックして)各Meshアプリ項目の右側にある[Create New](新規作成)リンクをクリックする。次の画面は実際にクリックした例だが、このようにアプリの名前を入力して[OK]ボタンをクリックすると、インスタンスが1つ作成される。

Meshアプリのインスタンス名を入力して[OK]ボタンをクリック
Meshアプリ項目の下に(入力した名前の)インスタンスが表示される
Meshアプリのインスタンス作成

 作成されたインスタンスは、Live Meshに登録されたデバイスに自動展開される。例えば、上部のメニューバーから[Desktop]タブを選択してLive Desktopを開くと、次の画面のように、Live Desktop上にそのMeshアプリのインスタンスのアイコンが表示される。なお、そのほかの登録済みのデバイス(Windows OSのPCなど)のデスクトップ上にも同様のショートカット・アイコンが表示される。

Meshアプリのインスタンスのデスクトップ・アイコン

 このアイコンをダブルクリックすると、次の画面のように、そのMeshアプリが起動する。

Meshアプリの起動

【コラム】[News]タブについて

 上部バーには、[Desktop][Devices][News][Apps]というタブがあるが、このうち[News]タブについてのみ説明していないので、これについて簡単に紹介しておこう。

 [News]タブには各種情報が表示される。例えば、次の画面ではLive Desktop上でどのような操作が行われたのかという履歴が表示されている。

[News]タブの内容

 以上、今回は利用者の視点でLive Meshを紹介したが、後編では開発者の視点で開発/展開の方法を紹介する。End of Article


 INDEX
  [特集] マルチデバイス対応アプリの可能性(前編)
  Live Meshアプリケーションとは何か?
    1.Live Services/Live Mesh/Meshアプリとは?
  2.Meshアプリの利用方法
 
  [特集] マルチデバイス対応アプリの可能性(後編)
  Live Meshアプリケーションを開発しよう
    1.Meshアプリの開発方法
    2.Azureポータル上でのMeshプロジェクトの作成
    3.Meshアプリのデバッグ/実行
    4.Meshアプリ開発環境の構築
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