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VS 2005で自動バックアップ/修復機能を活用するには?[VS 2005のみ]

デジタルアドバンテージ 一色 政彦
2007/01/12

 Visual Studio 2005(以降、VS 2005)の統合開発環境(IDE)の新機能の1つに「自動バックアップ(&修復)」がある。自動バックアップ機能とは、VS 2005のソリューションやプロジェクトの変更内容(=自動修復情報)を一定時間ごとに保存(バックアップ)しておき、IDEが予期せずハングアップしてしまった場合に、失われた内容をその保存しておいた情報から復元させる機能のことである。

■自動バックアップ機能の設定

 自動バックアップ機能はデフォルトで「有効」になっており、バックアップ実行の時間間隔は「5分ごと」で、自動バックアップ機能が生成した情報の保存期間は「7日間」になっている。これらの指定は、次の画面のように、IDEのオプション設定で変更できる。

自動バックアップ機能の設定変更
VS 2005のIDEのメニュー・バーから[ツール]−[オプション]を選択して[オプション]ダイアログを表示したところ。
  [環境]−[自動バックアップ]を選択する。なおVS 2005 Express Editionでは、この項目が表示されていないことがあるが、その場合、ツリー・コントロールの下に[すべての設定を表示]チェック・ボックスがあるので、これにチェックを入れると表示される。
  [自動バックアップの実行間隔]チェック・ボックスにチェックを入れると、自動バックアップ機能が有効になる。デフォルトでチェックが入っているはずだ。
  実行間隔を分単位で入力する。デフォルトは「5」分ごとである。
  自動バックアップ機能が生成するファイルを保存する期間を入力する。デフォルトは「7」日間である。
  [OK]ボタンをクリックして設定内容を保存する。

■自動バックアップ機能の実行

 次の画面は実際に自動バックアップ機能が働いているところである。

VS 2005 IDEでの自動バックアップ機能の動作例
自動バックアップが行われると、IDEのステータスバーに「自動修復情報の保存」と表示される。

 自動バックアップされた情報(自動修復情報)は「マイ ドキュメント\\Visual Studio 2005\Backup Files\<プロジェクト名>」(以降、自動修復情報フォルダ)の配下に保存される。次の画面はその例だ。

自動バックアップされた情報(自動修復情報)の保存例
筆者の環境では「C:\Documents and Settings\masa-i.D-ADVANTAGE\My Documents\Visual Studio 2005\Backup Files\WindowsApplication1」という場所に、変更されたファイルが「~AutoRecover.」というプレフィックスが付けられた名前で保存される。

■修復機能の実行

 実際にIDEがハングアップしてしまった場合、次回にIDEを起動する際に、次のような[Microsoft Visual Studio の修復されたファイル]ダイアログが表示される。

[Microsoft Visual Studio の修復されたファイル]ダイアログ
IDEがハングアップしてしまった場合、次回にIDEを起動する際に、自動バックアップからファイルを復元するための[Microsoft Visual Studio の修復されたファイル]ダイアログが自動的に起動する。このダイアログで、修復したいファイル項目にチェックを入れ(自動的にすべてのファイル項目にチェックが入っている)、[選択されたファイルを修復する]ボタンをクリックすればよい。[修復しない]ボタンをクリックすれば、何も修復せずにIDEが起動されるが、その際、自動バックアップされた情報(自動修復情報)も消去されるので注意してほしい。

 このダイアログの[選択されたファイルを修復する]ボタンをクリックするだけで、失われた内容を簡単に復活させられる。修復した後の自動修復情報フォルダの内容は次のようになる。

修復した後の自動修復情報フォルダの内容
もともとのオリジナル・ファイルの名前には「Original-<月>-<日>-<年>-<時間>」というプレフィックスが付く。また修復された後のファイルの名前には「Recovered-<月>-<日>-<年>-<時間>」というプレフィックスが付く。

 万が一、誤って修復してしまった場合は、自動修復情報フォルダに生成されたファイルから手動で修復前の状態に戻すこともできる。なおこれらの生成されたファイルは、前述の設定画面の [自動バックアップした情報の保存期間]の日数が経過すると自動的に削除されてしまうので注意してほしい。End of Article

カテゴリ:Visual Studio 2005 処理対象:IDE

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