.NET TIPS Visual Studio 2005でWebアプリケーション・プロジェクトを使うには?[VS 2005のみ]デジタルアドバンテージ 一色 政彦2007/04/26 |
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Visual Studio 2005(以降、VS 2005)では、ソリューションの配下に配置可能な項目単位として、Webサイトの構築に特化した「Webサイト」という単位(以降、Webサイト・プロジェクト)が追加されている。このWebサイト・プロジェクトは、従来のVisual Studio .NET 2002/2003(以降、VS.NET)にあった「Webアプリケーション」というプロジェクト項目(以降、Webアプリケーション・プロジェクト)の代わりとなるもので、ASP.NET WebアプリケーションやWebサービスを構築するときに使用するためのものである。
次の画面は、実際にVS 2005のIDEによって、そのWebサイト・プロジェクトを新規作成しているところだ。
VS 2005で追加されたWebサイト・プロジェクト |
VS 2005では、ソリューションの下位に配置可能なものに「プロジェクト」(=Webアプリケーション・プロジェクト)もしくは「Web サイト」(=Webサイト・プロジェクト)がある。Webサイト・プロジェクトとしては、「ASP.NET Web サイト」や「ASP.NET Web サービス」「空の Web サイト」などの項目を作成できる。 |
VS 2005では、Webサイト・プロジェクトが追加された際に、従来のWebアプリケーション・プロジェクトが削除されている。Webサイト・プロジェクトは開発者の要望に基づいてWebアプリケーション・プロジェクトを拡張したものであり、Webサイト・プロジェクトさえあればWebアプリケーション・プロジェクトはもう必要ないだろうと考えられたためだ。
しかし実際の現場では、特に従来のVS.NETのWebアプリケーション・プロジェクトをVS 2005に移行する場合に、多くの問題が発生した。例えば、ファイルに対する「ビルド・アクション」の設定(※プロパティ・ウィンドウにおける設定)がなくなってしまったために、ビルドでファイルにリソースを埋め込むような処理を行っていたWebアプリケーション・プロジェクトでは、VS 2005のWebサイト・プロジェクトに移行すると、従来のその処理の仕様を変更しなければならないという問題が発生してしまう。要するに、VS 2005の強化・拡張によってモデル・チェンジした部分で、従来のVS.NETとの互換性を保てなくなってしまったわけである。
このようなことから、「旧来のWebアプリケーション・プロジェクトと互換性のあるプロジェクト・モデルが欲しい」という要望が多くのユーザーから寄せられ、最終的に、VS 2005 SP1(Service Pack 1)でWebアプリケーション・プロジェクトが復活する結果となった。
従って、VS 2005でWebアプリケーション・プロジェクトを使うには、VS 2005 SP1をインストールすればよい。
次の画面は、VS 2005(SP1未適用時)とVS 2005(SP1適用時)のプロジェクト・テンプレートの内容の比較である。
VS 2005のプロジェクト・テンプレートの内容(上:SP1未適用時、下:SP1適用時) |
このように、VS 2005 SP1を適用すると、プロジェクトを新規作成する際に利用する[新しいプロジェクト]ダイアログに「Web」というプロジェクト・テンプレートの種類(カテゴリ)が追加され、テンプレートとして「ASP.NET Web アプリケーション」など、従来のVS.NETと同じプロジェクト・テンプレート項目が選択可能になる。
利用可能バージョン:.NET Framework 2.0のみ カテゴリ:Visual Studio 2005 処理対象:IDE |
「.NET TIPS」 |
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