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[Silverlight 2]HTML要素のstyle属性のCSSプロパティを取得/設定するには?[C#、VB]

デジタルアドバンテージ 一色 政彦
2009/10/08

 Silverlightでは、基になるWebページのHTML DOM(Document Object Model:Webブラウザが提供するオブジェクト指向のプログラミング・インターフェイスで、HTMLドキュメントを構造的に表現し、それを操作できるようにする)にアクセスして、任意のHTML要素(=DOMオブジェクト)が持つ任意の属性(Attribute)に値を設定したり、そこから値を取得したりできる。その手法について、「TIPS:[Silverlight 2]HTML要素の属性を設定/取得するには?」で説明したが、Silverlightではstyle属性(=CSSプロパティによるスタイル指定)を取得/設定するためのメソッドが用意されている。本稿ではそのメソッドについて説明する。

 次のサンプルでは、Silverlightアプリケーション上のボタンをクリックすると、HTMLのテーブル要素(=<table>要素)のstyle属性に設定されているheightプロパティの値を取得して、そのheightプロパティに「100px」という値を設定し直す。

ここの高さが変更されます
HTML要素のstyle属性を設定するサンプル

■任意のHTML要素が持つstyle属性のCSSプロパティを取得/設定する方法

 本稿では例として、次のようなHTML要素をあらかじめHTMLページ内に記述しているものとする。

<table id="targetID" style="height: 50px; width: 400px;">
<tr><td>ここの高さが変更されます</td><tr/>
</table>
属性を書き換える対象となるHTML要素のHTMLコード例

 ここでは、この<table>要素のstyle属性のheightプロパティを取得/設定する。

 これには、HTML要素を表すHtmlElementクラス(System.Windows.Browser名前空間)のオブジェクトのGetStyleAttributeメソッド/SetStyleAttributeメソッドを呼び出す。

 HtmlElementオブジェクトを取得するには、ブラウザに表示されているHTMLドキュメントを表すHtmlDocumentクラス(System.Windows.Browser名前空間)のオブジェクトのGetElementByIdメソッドを呼び出せばよい。GetElementByIdメソッドは、引数としてHTML要素のid値(=id属性の値。この例では「targetID」)を(文字列で)受け取り、戻り値として該当HTML要素を表すHtmlElementオブジェクトを返す。

 この際に必要となるHtmlDocumentオブジェクトは、次のプロパティから取得できる。

HtmlPage.Document

 このように、ブラウザのHTML DOMにアクセスするためのHtmlPageクラス(System.Windows.Browser名前空間)には、HTMLドキュメント(=HtmlDocumentオブジェクト)を取得するための静的プロパティDocumentがある。

 先ほど示したGetStyleAttributeメソッドは、引数としてCSSプロパティ名を(文字列で)受け取り、戻り値としてそのCSSプロパティの値を(文字列で)返す。

 またSetStyleAttributeメソッドは、第1引数としてCSSプロパティ名を、第2引数としてそのCSSプロパティの値を(いずれも文字列で)受け取る。戻り値はない。

 次のコードは、GetStyleAttributeメソッド/SetStyleAttributeメソッドを利用する例だ。「textBlockInfo」はTextBlockコントロールを参照している。

private void Button_Click(object sender, RoutedEventArgs e)
{
  HtmlElement htmlTextBox =
    HtmlPage.Document.GetElementById("targetID");

  string textValue = htmlTextBox.GetStyleAttribute("height");
  textBlockInfo.Text = textValue + "から100pxに変更しました";

  htmlTextBox.SetStyleAttribute("height", "100px");
}
Private Sub Button_Click(ByVal sender As System.Object, ByVal e As System.Windows.RoutedEventArgs)

  Dim htmlTextBox As HtmlElement = _
    HtmlPage.Document.GetElementById("targetID")

  Dim textValue As String = htmlTextBox.GetStyleAttribute("height")
  textBlockInfo.Text = textValue & "から100pxに変更しました"

  htmlTextBox.SetStyleAttribute("height", "100px")

End Sub
HTML要素のstyle属性のCSSプロパティを設定/取得するサンプル・コード(上:C#、下:VB)

 このコードを実行すると、冒頭のサンプル・アプリケーションと同じ実行結果になる。

 なお、GetStyleAttributeメソッド/SetStyleAttributeメソッドで扱えるのはHTML要素のsytyle属性だけである。例えば、外部ファイル化している.cssファイル内のCSSプロパティを取得することはできない。つまりGetStyleAttributeメソッド/SetStyleAttributeメソッドでは、HTML要素(=DOMオブジェクト)に実際に適用されているスタイル(=CSSプロパティ)を取得することはできない。

 実際に適用されているスタイル(=CSSプロパティ)を取得するには、JavaScriptであればjQueryのようなライブラリを使う必要がある(もしくはJavaScriptのcurrentStyleプロパティやgetComputedStyleメソッドを駆使して自分で実装することもできる)。しかしSilverlightでは、jQueryで提供されているようなスタイル取得の手段は提供されていない(筆者が探した限りでは見つからなかった)。End of Article

カテゴリ:Silverlight 2 処理対象:HTML DOM
使用ライブラリ:HtmlElementクラス(System.Windows.Browser名前空間)
使用ライブラリ:HtmlDocumentクラス(System.Windows.Browser名前空間)
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