連載:[完全版]究極のC#プログラミング

Chapter15 LINQとクエリ式

川俣 晶
2010/03/17
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15.20 内部列挙を伴うfrom句の二重使用

 二重の列挙という問題でもう1つだけ触れておく価値があるのは、1つのソースに階層がある場合である。

 たとえば、次のリスト15.25のデータは、「構成員」というリストを含む「家」オブジェクトがリストになっているという二重のリストである。これを一般的にクエリ式で処理すれば、二重の列挙(家の列挙と構成員の列挙)が必要とされる。しかし、次のようにfrom句を二重に使うと、これを単層の列挙に折りたたむことができる。

using System;
using System.Linq;

class 家
{
  public string 姓;
  public string[] 構成員;
}

class Program
{
  static void Main(string[] args)
  {
    家[] 家々 =
    {
      new 家() {
        姓 = "磯崎",
        構成員 = new [] { "波平", "フネ", "カツオ", "ワカメ"},
      },
      new 家() {
        姓 = "フグ山",
        構成員 = new [] { "サザエ", "マスオ", "タラオ"},
      },
    };

    foreach (var 人 in from その家 in 家々
                       from 名 in その家.構成員
                       select new { その家, 名 })
    {
      Console.WriteLine("{0}{1}", 人.その家.姓, 人.名);
    }
    // 出力:
    // 磯崎波平
    // 磯崎フネ
    // 磯崎カツオ
    // 磯崎ワカメ
    // フグ山サザエ
    // フグ山マスオ
    // フグ山タラオ
  }
}
リスト15.25 二重のリストを単層に展開した例

 ここでは、「from その家 in 家々」というfrom句に続いて、そのfrom句の範囲変数「その家」を使った第2のfrom句が「from 名 in その家.構成員」と記述されている。このような使い方は可能であり、すべての組み合わせを列挙してくれる。もちろん、単純な総当たりではないので、「磯崎サザエ」のようなデータ上ありえない名前が出力されることはない。


 INDEX
  [完全版]究極のC#プログラミング
  Chapter15 LINQとクエリ式
    1.15.1 LINQの面白さ
    2.15.2 LINQとは何か?
    3.15.3 「値の集まり」に対する演算
    4.15.4 なぜLINQなのか?
    5.15.5 最も基本的なLINQ
    6.15.6 LINQの本質は列挙
    7.15.7 LINQを使ううえでの注意点
    8.15.8 クエリ結果を加工する
    9.15.9 複数のソースからクエリする
    10.15.10 条件で絞り込む
    11.15.11 一部項目のみselectする
    12.15.12 シンプルなソート
    13.15.13 クエリの接続
    14.15.14 クエリ結果のグループ化
    15.15.15 複数ソースを関連付けるjoin句
    16.15.16 from句とjoin句のパフォーマンス
    17.15.17 join句のグループ化結合
    18.15.18 join句の左外部結合
    19.15.19 単独で使うDefaultIfEmptyメソッド
  20.15.20 内部列挙を伴うfrom句の二重使用
    21.15.21 let句
    22.15.22 クエリのインスタンス化
    23.15.23 クエリ結果の個数を得る
    24.15.24 Anyメソッドと存在チェック/【C#olumn】クエリ式のデバッグテクニック
    25.15.25 まとめ/【C#olumn】LINQの難しさ/【Exercise】練習問題
 
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