連載
NAgileで始める実践アジャイル開発

第6回 ソフトウェア開発の秘伝“Development Baseline 2007”

NAgiler 黒石 高広
2007/04/03
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登場人物:
師匠:ナジャイラ師(マスター)(♂)
NAgiler(ナジャイラー=.NETにおけるアジャイル開発の実践者)。謎の多い人物。ちょっと偉そう。だが、実は弟子思い。
弟子:点網 滝てんもう たき(♀)
.NET開発者。ウォーターフォール型の開発を行っているが、アジャイル開発を明るく真摯しんし な態度で学ぼうとしている。
Back Issue
1
.NET+アジャイルなら本当に幸せになれるのか?
2 ソフトウェア開発をシンプルにする考え方のコツ
3 ソフトウェアの良い設計を行うコツ
4 ミッション:ビルドを自動化セヨ!
5 常時結合のススメ
 
※ご注意 ……本稿の物語やそこで交わされる会話はすべてフィクションであり、実在の人物、団体などとは一切関係ありません。登場人物の役柄はストーリー上の設定であり、筆者や読者を代表するものではありません。あくまでフィクションとしてお読みください。

■■1. はじめに■■

来たな……。

師匠、どうしたんですか? わざわざ、女祖泥寺めそどろじに呼び出して。しかも道着なんて着ちゃって……。今日は、原眞鎮はらまあちんさんはいらっしゃらないのですか?

原眞鎮? 誰だそれは?

何、いってるんですか?! 師匠の師匠である原眞鎮さんですよ。

知らんな。そもそもわたしの師匠は、亜米利加あめりかへ修行の旅に行かれていて、もう20年以上日本へは帰ってきておらん。

 

え? どういうことですか……? えっと前の話では確かに健二君と一緒にここへ来て、原眞鎮さんに教えを受けて、私が救世主として目覚めて……

 

健二? 言っていることがよく分からんが、ひょっとするとそれはパラレル・ワールドの話かもしれんな。

 

パラレル・ワールド?

 

そうだ。パラレル・ワールドとは、自分たちの存在する世界とは別の次元に並行して存在する世界のことだ。そちらの世界では、滝も救世主として活躍しているのかもしれんな。

 

……とか何とかいって、2つの連載を書いている中の人が違うから、お互いのストーリーの整合性を取れなくなってきたってだけじゃないんですか?

 

ゴホッゴホッ……鋭いな……。そこまで見えるようになったか、滝よ。成長したな……。まぁそんなささいなことはどうでもよい。さぁ、今日はやることがたくさんあるぞ! 滝もさっさとこの道着に着替えてこんか。

 

ん〜。何だかよく分かんないけど……まぁいいか……(ブツブツ)。

 

はい、着替えてきました。サイズが大きすぎて、ブカブカですよ、これ……。

 

私が師匠からいただいた20年ものの道着だからな。

 

うげ。どうりでちょっと臭うと思った

 

何かいったか?

 

いえ、何でもありません。

 

気のせいか……。

 では、さっそく始め……ゴホッゴホッ。

 

大丈夫ですか? さっきから咳がひどいみたいですけど、風邪ですか?

 

ゴホッゴホッ。風邪ではない。大丈夫だ……時間がない、早くお前にソフトウェア開発の秘伝を授けねばならん。

 

ソフトウェア開発の秘伝?

 

そうだ。いままでお前は多くの人に出会い、多くのことを真摯な姿勢で学んできた。そして、私からソフトウェア開発の秘伝を受け取る資格を十分に持つまでに成長したのだ。まさに時は熟したといってよいだろう。

 

……ありがとうございます! 師匠からそんなに真顔で褒められると思いませんでした。それで、その奥義とはどのようなものでしょうか?

 

その奥義は、この書物の中にしたためられている。これを開いて、その目で確かめてみるがよい。ソフトウェア開発の秘伝“Development Baseline”を!! ゴホッゴホッ。

 

Development Baseline??

■■2. Development Baselineとは■■

ちなみに、この書は誰が作ったのですか?

 

Development Baselineは、長年NAgileを実践してきたとあるNAgileマスターが、自分たち開発者が行うべきことは何かを考え、まとめられたものだ。頭から読み上げてみるがよい。

 

はい。えっと……。

われ、長年アジャイルの道を探求し、ここに至る。われわれ開発者がソフトウェア開発において、いままさにすべきこと、それは以下の6つである。

プロジェクト管理
ソフトウェア構成管理
自動化
標準化
テスト駆動開発
ゼロ機能リリース

心しておくのぢゃ。”

 ……なんか微妙に日本語変ですね。

 

6つの項目を見て分かるように、すでにお前に伝えたものもあれば、まだ伝えていないものもある。今日はそれらをまとめてドドンと紹介しようということだ。

 

ドドンって……テレビの総集編みたいですね。

 

まずは、とあるNAgileマスターがのこされたDevelopment Baselineの動画を紹介しよう。この中に出てくる各ツールは後で説明する。まずはDevelopment Baselineを利用することにより、どのような開発になるのかを自分の目で見て感じ取るのだ。

す、すごい……これがDevelopment Baseline。見慣れないツールもたくさん出てきていますね。

 

そうだ。Development Baselineは各プラクティスに関連して使用するツールも含んでいる。また、それらは基本的にはフリーのツールを使っているという特徴もあるのだ。

 

なるほど。開発環境にお金を掛けられるプロジェクトも限られているでしょうしね。

 

ゴホッゴホッ……時間がない。あまり詳細なツールの解説はできんが、それぞれのツールの概要とポイントを紹介していこう。

 

はい! お願いします。

 

 INDEX
  NAgileで始める実践アジャイル開発
  第6回 ソフトウェア開発の秘伝“Development Baseline 2007”
  1.Development Baselineとは
    2.プロジェクト管理とソフトウェア構成管理
    3.自動化と標準化
    4.テスト駆動開発、ゼロ機能リリース
 
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