特集

IronPython開発入門(前編)

IronPythonプログラミングの始め方

デジタルアドバンテージ 一色 政彦
2007/09/07
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 日本ではあまり知名度の高くないプログラミング言語だったPythonが、ここ最近、日本を含め、世界中で人気が高まってきている。その理由は、Python開発の手軽さ&簡単さという要因に加え、GoogleやYouTubeなど最先端IT企業が社内で一部活用していることが知られるようになってきたからだろう。

 Pythonの代表的な特長をいくつか挙げてみよう。まず、Pythonは文法規則が簡潔なためコードが読みやすいということ。2つ目に、インタプリタ型スクリプト言語であるため、煩わしいコンパイル作業が不要なこと。3つ目に、たいていのOSで動作するため、例えばLinuxでもWindowsでも同じ言語知識でプログラミングが可能なことなどだ。

 Pythonは特に、ちょっとした身の回りの作業を効率化するためのパーソナルなプログラムや、社内で使う簡易なツール類を作成する場合に向いている。Windows上のほかのプログラミング環境と比較すると、Pythonは、管理作業を効率化できるスクリプティング環境の「PowerShell」よりも高機能なプログラミング(Webアプリケーション開発など)が実現でき、また逆にC#/VB+.NET Frameworkを使った開発ほど大がかりではなく手軽な開発が行える。つまりPythonの適用範囲は、PowerShell開発と.NET開発の中間あたりに位置するといえるだろう。従って、ある程度強力でありながらシンプルな開発を望む人々にとって、Pythonは魅力的な選択肢だ。こういったことも、Python人気の一因になっていると考えられる。

 このようなPythonの状況に対して、マイクロソフトは.NET Frameworkに対応したPythonである“IronPython”を、いまからちょうど1年前にリリースした。通常のPythonではなくIronPythonを使うメリットは、膨大な機能を持つ.NET Frameworkのクラス群を活用できることだ。これにより、Webアプリケーション開発からWindowsアプリケーション開発まで、さまざまなタイプの開発が可能になっている。逆に(通常のPythonではなくIronPythonを使った場合の)デメリットも述べておくと、.NET Frameworkに依存するため、Pythonの特長の1つである「どのOSでも動く」というポータビリティ性を失ってしまうことだ。

 本稿では、IronPython開発に関心がある読者諸氏に対してIronPython開発の始め方(ツールの使い方)を2回に分けて紹介する。なお、ある程度のプログラミング経験がある人を想定しているので、プログラミング用語の解説は基本的に行わない。章立ては以下のようになっている。

【前編】IronPythonプログラミングの始め方
・IronPython開発環境の構築
・SDKによるIronPython開発の方法

【後編】Visual StudioでIronPython開発
・IronPython開発環境のVisual Studio統合
・Visual Studioを活用したIronPython開発

 また本稿ではPythonの言語やプログラミングについての解説はほとんど行わない。これらに関する情報が欲しい方は、まずは書籍(例えば『実践Python − 文字列操作からWebアプリケーション開発まで』、D-ART社。ISBN4-88648-760-2)などを当たっていただくのが早道だろう。

 それでは、まずは「IronPython開発環境の構築」から話を始めよう。


 INDEX
  [特集]IronPython開発入門
  IronPythonプログラミングの始め方
  1.はじめに
    2.インタラクティブ・モードによるIronPython開発
    3.スクリプト・モードによるIronPython開発
 
  Visual StudioでIronPython開発
    1.IronPython開発環境のVisual Studio統合
    2.Visual Studioを活用したIronPython開発(コンソール・アプリケーション)
    3.Visual Studioを活用したIronPython開発(Windowsアプリケーション)

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